知識は旅をする 千葉県立東部図書館だより 通号79号 2024年2月発行 テキスト版 【1ページ】 {図} 浅倉一代記 十番続宿屋場』 一勇斎 国芳/画(「菜の花ライブラリー」千葉県デジタルアーカイブ) {図終わり} ▼ ガラス展示コーナーのご案内 テーマ:「東日本大震災」 展示期間:2月23日〜4月18日 展示場所:ガラス展示コーナー(入口すぐ左、休憩コーナー手前) 東日本大震災から13年になる今年、災害の恐ろしさを能登半島地震により改めて理解することになりました。 東日本大震災の津波の被災市に建つ当館では、震災の記憶を薄れさせないため、毎年この時期に関連資料を展示しています。貴重な郷土資料もあります。ぜひお手にとってご覧ください。 ▼資料紹介コーナーのご案内 テーマ:「多言語作家の本」 展示期間:2月23日〜4月18日 展示場所:資料紹介コーナー(カウンター前中央通路沿い) 世界には、第2・第3言語(自分が生まれて最初に身につけたものではない言語)をあえて使って創作する作家が、少なからず存在します。 日本語が母語でない作家が日本語で書いた本、外国語で作品を発表する日本人作家の本、また複数の言語を駆使して書く外国人作家の本を紹介します。   ▼房総文学カードのご紹介 千葉県立東部図書館では、千葉県誕生150周年を記念し、房総文学カードを各種150部限定で作成、県立図書館3館(中央・西部・東部)で貸出しの際に1枚ずつ選んでいただきました。 文学カードを目当てに遠くから来館される方もいて大変好評でした。9月の第1弾から12月の第3弾まで、各5種類ずつ合わせて15種類発行しました。 一覧できるウェブページを作成しましたので、ご覧ください。 https://www.library.pref.chiba.lg.jp/information/east/bungak-card.html ▼休館のお知らせ 蔵書点検休館:2月13日(火)〜2月22日(木) 休館中でも資料の返却ができます。東部図書館正面入口、左側のブックポストをご利用ください。   【2ページ】 東部図書館で実施した県民向け講座のご紹介 千葉県立図書館は、一般の利用者を対象とした県民向け講座を定期的に開催しています。 この秋に東部図書館で実施した講座の様子をお伝えします。 ▼はつらつライフ講座 「終活セミナー」実施:令和5年9月15日(金) 今年度のシニア向け「はつらつライフ講座」は「終活セミナー」を開催しました。講師に千葉県金融広報委員会金融広報アドバイザーの 近藤 喜隆 氏をお迎えし、「悔いのない人生のしめくくり〜相続・遺言・終活の基礎知識〜」の演題で、終活の心構えから税金・葬儀代の具体的な数値までを、わかりやすく教えていただきました。 受講者は、配付資料にメモをとりつつ、先生のお話に集中していました。「実例も交えての話はとても参考になった」と大好評。休み時間や質疑応答の時間にも、先生が受講者ひとりひとりの疑問に親身に答えてくださり、時間がいくらあっても足りないほどでした。 「遺言は、法律をも変えることができる唯一の手段」「相続に向き合うことで自分の人生を振り返ることができる」などの言葉が印象に残る、熱い講座となりました。 近藤先生も「よい本がたくさん紹介されている」と太鼓判を押してくださったパスファインダー(=調べ方案内)「終活について調べる」はこちらです。 https://www.library.pref.chiba.lg.jp/reference/pathfinder/pf_syukatsu202309.pdf ▼歴史講座 「徳川家康の関東入国と房総」実施:令和5年10月5日(木) 毎年大好評の歴史講座。今年度は、戦国時代(中世〜近世の移行期)がご専門の千葉県文書館職員 柴裕之氏にお越しいただき、貴重なお話を伺いました。 関東は「秀吉に疎まれた家康が追いやられた僻地」のイメージが世に広められていますが、当時の史料を丁寧に解読すると「関東・東北統治のための要地」だったという事実が見えてくるそうです。房総にも本多・鳥居などの重臣が配置され、その後の地域の支配に大いに役立ったそうです。先生は大河ドラマ『どうする家康』の時代考証も担当されており、「研究者の見解がドラマの脚本にどのように生かされるか」といった裏話も披露してくれました。 話題の人物をテーマにした講座とあって、参加申込みもあっという間に定員に達し、当日は熱心な歴史好きの方々が大勢集まりました。「専門家の先生の最新の研究のお話がきけて大変ありがたく思います」「今まで江戸時代の歴史観に縛られていたということを今日の講義で知ることができ、自分の中の家康観をアップデートすることができました」などの満足の声が多数寄せられました。 柴先生の著書は当館でもたくさん所蔵しています。ぜひご利用ください。 講座の最新情報は、県立図書館WebサイトやX (旧Twitter) にてご確認ください。 【3ページ】 図書館 図書館ぶらり散歩(59) 令和6年3月に千葉県立図書館は100周年を迎えます。「図書館」に関係する本を紹介します。※[ ]内は資料の請求記号です。 『映画の中の本屋と図書館』 飯島 朋子著 日本図書刊行会 2004年 [7782/61] 映画の中に図書館の場面があったり、図書館員が登場したりする映画を「図書館映画」というそうです。この本では、50本の映画を取り上げ、登場人物が本屋や図書館を利用する場面、書店員や図書館員が登場する場面など、本屋や図書館での様々な場面について解説しています。それぞれの場面に関係する他の映画も多数紹介されており、図書館映画がたくさんあることに驚かされます。素敵な映画を観たら、あなたも本屋や図書館に行きたくなる!本屋や図書館、映画好きの方には、おすすめの一冊です。 『世界の図書館 21世紀ガイド図鑑』 ビャーネ・ハマー編著 ほるぷ出版 2016年 [012/14] 本書では、ヨーロッパを中心にアフリカ、日本、中国、オーストラリア、アメリカなど25ヵ国にある47館の美しい図書館を大型本ならではの大きな写真で紹介しています。本書で紹介されている図書館は比較的新しい建物のものも多いため、気になった図書館には実際に足を運ぶこともできます。また、写真に日本語・英語・スペイン語・フランス語の4ヵ国語の解説がそれぞれ併記されており、こちらも読んでいて面白いポイントです。本のページをめくりながら、世界各国の図書館を旅してみませんか。 『アラバスターの手 マンビー古書怪談集』 A・N・L・マンビー著 国書刊行会 2020年 [9337/マ/4] 著者のマンビーは、大学卒業後は古書店に勤めましたが、間もなく始まった第二次世界大戦に従軍します。終戦後は、母校ケンブリッジ大学の図書館で司書となりました。収録作品は大戦時の捕虜収容所時代に執筆されており、古書をテーマにした、ホラー小説以前の古き良きゴシック小説の風情が楽しめます。伝聞や回想などの形で語られているので、怖すぎることもなく、さらに、短編集であるため、どの作品からでも読みやすいものとなっています。 『図書館ねこデューイ 町を幸せにしたトラねこの物語』 ヴィッキー・マイロン著 早川書房 2008年 [9347/マウ1] 舞台はアメリカの小さな田舎町。ある日、図書館の返却ボックスに小さな子猫が捨てられていました。名前は「デューイ」。職員として認められ、図書館で働き始めたデューイは、愛くるしさと人懐っこさで人々を癒やし、町に活気を与えました。やがて町を超えて、世界中で愛されるようになるのです。そんなデューイと、苦難を抱えながらも図書館司書として前向きに働く著者から、生きる勇気をもらえる感動の実話です。 {写真} 東部図書館付近で見られるミケねこちゃんです。 {写真終わり} 【4ページ】 ▼県立図書館のお仕事紹介 図書館連携課 編 本の取り寄せ:未所蔵本を他の図書館から取り寄せています! (例:西部エリアの図書館Aにある本を、東部エリアの図書館Bの利用者Cさんが予約した場合) 1 図書館Aが予約本を西部図書館行きの箱に積み込む。 2 西部図書館に予約本が届く。(週1回) 3 西部図書館で東部図書館行きの箱に予約本を積み込む。 4 東部図書館に予約本が届く。(週2回) 5 東部図書館で図書館B行きの箱に積み替える。 6 図書館Bに予約本が届く。(週1回) 7 図書館Bから利用者Cさんに予約本到着の連絡がくる。 8 利用者Cさんが図書館Bで予約本を受け取る。 ▼県内図書館職員や学校職員を対象とした各種研修会等の実施 ・学校図書館運営研修会 「ブッカーのかけ方」研修では、講師の実演後、各校から持参された本に参加者自身がフィルムをかけていきました。中には複雑な表紙やプラスチックカバーがかかった本もあり、講師が巡回しながら皆様の疑問にお答えしていきました。 「情報交換会」では、各校の図書館運営の成果や課題などについて、様々な視点で活発に話し合われました。 ・課題解決支援研修会 「超高齢社会における図書館サービス」と題して、筑波大学の呑海 沙織 副学長 にご講義いただきました。 会場:千葉県立東部図書館(対面・オンライン)  ・大学連携研修会 「図書館現場における著作権について考える」と題して、千葉経済大学短期大学部の叶多泰彦教授にご講義いただきました。 会場:香取市立佐原中央図書館(対面・オンライン) ・図書館運営相談訪問 東部エリア内すべての公共図書館・読書施設・学校図書館に訪問させていただきました。 定期運営相談訪問に限らず、日頃より、図書館からの各種相談に応じています。 ・特別支援学校訪問読書支援 5校に出向き「おはなし会」を開催。(飯高・大網白里・東金・銚子・八日市場) リクエストいただいた絵本の読み聞かせと手遊び歌を行いました。目をキラキラさせながら話を聞いたり、「東部図書館ってどこにあるの?」と質問してくれたりするなど、児童生徒の皆さんと楽しい時間を過ごせました。 {写真} 特別支援学校でのおはなし会の様子 {写真終わり} ▼編集長の独り言 令和6年3月で千葉県立図書館設立100周年を迎えます。 大正13年(1924年)当時、県内市町村のほとんどに図書館はありませんでした。100年後の今では図書館はすっかり身近な存在となりました。これからも図書館をよろしくお願いします。 編集・発行:千葉県立東部図書館 〒289-2521 千葉県旭市ハの349 TEL 0479-62-7070/FAX 0479-62-7466 【5ページ】 東部図書館 利用者アンケート集計結果 令和5年10月27日から11月9日に実施しましたアンケート調査の結果をご報告します。アンケート回収枚数は47枚でした。アンケートにご協力いただきまして、ありがとうございました。 {グラフの説明} 年齢、職業、住所、来館頻度、来館目的、交通手段の6つの質問に対する回答のパーセントを棒グラフで表示しています。数値の記載がないので、大まかに読み取ります。 年齢 10歳未満 0% 10から19歳 11% 20から29歳 2% 30から39歳 6% 40から49歳 21% 50から59歳 17% 60から69歳 15% 70歳以上 21% 職業 小学生 0% 中学生 4% 高校生 4% 専門学校生 0% 大学生 2% 会社員 32% 公務員 9% 自営業 9% 家事従事者 4% その他 30% 未記入 6% 住所 旭市 68% 県内その他 26% 他の都道府県 0% 未記入 6% 来館頻度 週に3、4回 11% 週に1、2回 28% 月に1、2回 51% 年に数回 4% 初めて 0% その他 0% 未記入 6% 来館目的 仕事上の調べもの 12% 学校の調べ物 6% 個人的な研究 15% 日常の調べもの 15% 趣味・娯楽 41% その他 7% 未記入 4% 交通手段 電車・バス 4% 自動車 70% 自転車 17% オートバイ 0% 徒歩 2% その他 0% 未記入 6% ・ 回答者の【年齢】は【70代以上】、【40代】の方が多く、共に21%でした。また、【会社員】の方の回答が前年に比べ増えています。 ・【お住まい】は【旭市内】の方が68%、【県内の他の市町村】の方が26%でした。 ・【来館頻度】は【月に1〜2回】の方が最も多く51%となりました。【週に1〜2回】、【週に3〜4回】の方は合わせると38%でした。 ・【来館された目的】で一番多かったものは【趣味・娯楽】が41%、次いで【日常の調べもの】【個人的な研究】が共に15%でした。 {グラフの説明終わり} 共通設問 {グラフの説明} 横向きの帯グラフです。6つの質問に対し、非常に満足、満足、やや満足、やや不満、不満、非常に不満、利用なし、未記入の8段階の回答の割合が示されています。数値は%です。 設問1 お探しの本(資料)は利用できましたか。 38 38 11 0 2 0 設問2 館内案内図や書架の表示、カウンターの表示などは、わかりやすいですか。 40 28 23 2 0 0 設問3 職員の対応はいかがですか。 66 23 6 0 0 設問4 他の図書館からの本の取り寄せの期間や手続きはいかがですか。 40 15 9 2 2 2 30 0 設問5 資料検索機、インターネット等のパソコンでお探しの情報は得られましたか。 26 21 11 9 0 0 28 6 設問6 調べものや探している本のことで、職員に相談したときの回答は的確でしたか。 43 17 11 2 0 2 26 0 ・【@目当ての本(資料)の利用】および【B職員の対応】では76%以上の方に【非常に満足】または【満足】という評価をいただきました。   特に【B職員の対応】についての項目では、【非常に満足】、【満足】が合わせて89%という結果でした。 ・ 一方、【C本の取り寄せ手続き・D本の取り寄せ期間・EPCでの目当ての情報の利用、F職員に相談した際の回答】では、   25%以上の方に【利用したことがない】という回答をいただきました。 {グラフの説明終わり} 【6ページ】 東部図書館設問 {グラフの説明} 質問に対する回答のパーセントを棒グラフで表示しています。数値の記載がないので、大まかに読み取ります。 1.どのような図書館資料・情報を利用しますか。(複数回答可) 一般資料 35% 専門書 23% 参考図書 7% 新聞雑誌 7% 視聴覚資料 7% 千葉県関係資料 2% 地図(住宅・道路等) 4% 外国語資料 1% 大活字本 1% インターネット 6% データベース 0% その他 4% 未記入 4% 2.今後力を入れてほしい取り組み 蔵書や資料の充実 34% 電子書籍の充実 9% 貸出期間の拡大 16% 貸出冊数の増冊 8% 行事等の充実 5% 利用者同士の交流の場を設置する 3% 受け取りや返却場所を増やす   2% 自動貸し出し機を導入する    8% 未記入 16% 3.次のサービスを知っていますか。 設問1 電子メールによる調査相談 利用あり 4% 利用なし 28% 知らなかった 62% 未記入 6% 設問2 県立図書館ホームページからの図書予約、貸出期間延長 利用あり 21% 利用なし 36% 知らなかった 34% 未記入 9%  設問3 調べ物の手順を紹介したチラシ等(パスファインダー・図書館から世界(ニュース)が見える) 利用あり 15% 利用なし 23% 知らなかった 55% 未記入 6%  設問4 千葉県立図書館のTwitter(ツイッター) 利用あり 0% 利用なし 36% 知らなかった 55% 未記入 9%  設問5 シニア世代のための情報を提供するコーナー(はつらつライフなび) 利用あり 6% 利用なし 28% 知らなかった 60% 未記入 6%  設問6 資料郵送貸出サービス(有料) 利用あり 4% 利用なし 28% 知らなかった 62% 未記入 6%   設問7 新聞記事、法律・判例、官報等のデータベース検索 利用あり 11% 利用なし 30% 知らなかった 53% 未記入 6%   ・【図書館資料・情報の利用】については【一般図書】【専門書】が多く、合わせて58%。   次いで【参考図書】【新聞雑誌】【千葉県関係資料】が同率7%、  【インターネット】【地図】【視聴覚資料】の順になっています。 ・【力を入れてほしいこと】は、【蔵書や資料の充実」】の回答が最も多く、34%もありました。 ・【サービスの認知度】については、ほとんどの項目で認知度が低く、50%以上の方が【知らなかった】との回答がありました。   対して【A県立図書館HPからの図書予約、貸出期間延長】はどの項目よりも認知度が高く、57%でした。 {グラフの説明終わり} 以上で知識は旅をする 千葉県立東部図書館だより 通号79号 2024年2月発行 テキスト版を終わります。