West Library 千葉県立西部図書館だより 通号83号 2023年10月発行 テキスト版 {1ページ} サイエンスカフェと企画展示  特集:健康・医療情報コーナー BOOK REVIEW ~ちょっと気になる新刊図書~ コラム:石川倉次 〔図〕 図書館の挿絵 〔図終わり〕 サイエンス・カフェと企画展示 知の創造と循環を生み出す公共の場としての図書館  西部図書館は、自然科学、医学、技術・工学分野を中心とした資料を収集しています。その特長を生かし、県立中央博物館や県立現代産業科学館から講師を招いて、科学関係のテーマについて気軽に親しむイベントとして「サイエンス・カフェ」を開催しています。これまでに、ロボット、宇宙、恐竜、海鳥、スペイン風邪等をテーマにしてきました。今年度は、県立中央博物館から講師を招き、「よみがえるチバニアン期の古生物」について開催予定です。  ※県立図書館HPより(https://www.library.pref.chiba.lg.jp/information/west/post_167.html) 県立図書館では、今後も博物館や文書館、さわやかちば県民プラザ等と連携して、展示、講座、資料の貸出し、文献リストの作成等を実施していきますので、どうぞご期待ください。 〔写真〕 〔製作者注〕展示資料の写真があります。〔製作者注終わり〕 〔写真終わり〕 {2ページ} 特集 健康・医療情報コーナー  西部図書館では、健康や医療に関する資料や情報の収集、提供に力を入れています。本号では、「健康・医療情報コーナー」についてQ&A形式でご案内します。ご自身や身近な方の健康や病気について考えるときや、より信頼性の高い情報を必要とするときには、「健康・医療情報コーナー」の資料をぜひご活用ください。 Q1.健康・医療情報コーナーってどんな本があるの?  検査・治療の本、薬について調べるための本、健康に関する本、診察ガイドライン等を置いています。  また、「がん情報ギフト」等のパンフレット類や、図書館で作成した「パスファインダー(調べ方案内)」(「診察ガイドラインを探す」「認知症について調べる」など)・「図書館から世界(ニュース)が見える(時事情報提供サービス)」(「子どもの摂食障害」「梅毒の基礎知識」など)も、置いてありますので、ご自由にお取りください。 〔写真〕 〔製作者注〕健康・医療情報コーナーにある資料の写真があります。〔製作者注終わり〕 〔写真終わり〕 ◎「パスファインダー(調べ方案内)」、「図書館から世界(ニュース)が見える(時事情報提供サービス)」は、千葉県立図書館ホームページの「レファレンス(調査・相談)」ページで、PDF版とHTML版(一部)からもアクセスできます。 ◎その他、ご自由にお持ちいただける健康・医療に関するパンフレットもあります。  ぜひコーナーにお立ち寄りください! Q2.本はどうやって探せばいいの?  「図書・雑誌・視聴覚資料検索」で検索項目「書名」の欄にキーワードを入れて検索するほかに、検索項目を「全項目」に変更してキーワードを入力すると、書名にそのキーワードが含まれていなくても、関連する資料がヒットします。また、コーナーとは別に、請求記号49(医学)から始まる書棚もあわせてご確認ください。  キーワードによっては、複数の請求記号が付与されていることがあります。例えば「めまい」は、491.37(基礎医学)・493.74(内科学)・496.6(耳鼻咽喉科学)など。  コーナーで配布している『健康・医療に関する本のさがし方』も参考にしてください。 〔写真〕 〔製作者注〕健康・医療に関する本を探すため、キーワードや請求記号の一覧が載っている写真があります。〔製作者注終わり〕 〔写真終わり〕 {3ページ} Q3.コーナーにある『診療ガイドライン』って何?  「診療ガイドラインとは、エビデンス(科学的根拠)などに基づいて最適と思われる治療法を提示する文書のことで、患者と医療者が治療を意思決定する際の重要な判断材料となります。」(Mindsガイドラインライブラリより)  ▼図書では、例えばこんな診療ガイドラインがあります。 〔表〕 _____ 顔面神経麻痺診療ガイドライン 日本顔面神経学会編 金原出版 2023 高齢者糖尿病診療ガイドライン 日本老年医学会編・著 南江堂 2023 小児科診療ガイドライン 加藤元博編集 総合医学社 2023 患者さんのための乳がん診療ガイドライン 日本乳癌学会編 金原出版 2023 _____ 〔表終わり〕  ▼インターネットでは、『東邦大学・医中誌診療ガイドライン情報データベース』でweb版の診療ガイドラインや関連する様々な資料を検索することができます。(https://guideline.jamas.or.jp) Q4.新しい本もあるの?  健康・医療情報コーナーは、新しく刊行された本を中心に配架しています。コーナーの右端には新着図書コーナーがあり、新着図書も貸出できます。最近配架された本の中からピックアップしてご紹介します。 「病気が見える」シリーズ Vol.1~15 医療情報科学研究所 メディックメディア 『健康情報は8割疑え! 京大医学部のヘルスリテラシー教室』 中山健夫著 法研 2021年9月 『医学書ソムリエ』 田中和豊著 日経BP 2023年4月 『子どもの偏食外来』大山牧子著 診断と治療社 2023年4月 〔写真〕 〔製作者注〕子どもの偏食外来の資料表紙の写真があります。〔製作者注終わり〕 〔写真終わり〕  ☆県内公共図書館では、千葉市、市原市、習志野市、八千代市、船橋市、市川市、浦安市、鎌ケ谷市をはじめ多くの図書館でコーナーを展開しています。  ☆成田市立図書館でも、2023年3月から「がん情報コーナー」「医療情報コーナー」が始まりました。詳しくは、成田市立図書館のHPの「がん情報・医療情報サービス」のページをご覧ください。 (写真は成田市立図書館のがん情報・医療情報コーナー) https://www.library.city.narita.lg.jp/service/health_medical/index.html 〔写真〕 〔製作者注〕成田市立図書館のがん情報・医療情報コーナーの写真があります。〔製作者注終わり〕 〔写真終わり〕 {4ページ} BOOK REVIEW ~ちょっと気になる新着情報~ 『竹取工学物語 土木工学者、植物にものづくりを学ぶ』 佐藤太裕 著 岩波書店 2023年7月 【請求記号:50134/32】  タイトルに惹かれて思わず手に取った1冊です。このユニークな書名の由来は、北海道大学CoSTE主催「サイエンス・カフェ札幌」に著者が登壇した際に誕生したそうで、どのようなことが書かれているのか、わくわくしながら読み進めました。  本書の前半では、竹取の翁をエンジニア、竹はかぐや姫の部屋、と例えていたり、「竹を切る」「竹を割る」の違いなど身近な観点から始まるので、工学に難しいイメージを持っていた私にも、とても読みやすく理解しやすかったです。後半は、専門的な知識を踏まえて、竹の構造や使われ方について図やコラムを交えて解説されています。工学や力学を学んでいる方はもちろん、今まで触れてこなかった方にもぜひ読んでみてほしいという著者の思いが感じ取れます。秋の夜長に、「竹」について思いを馳せてみてはいかがでしょうか。 コラム  今年は千葉県誕生150周年という記念すべき年となりました。また、今年の3月には「千葉県読書バリアフリー推進計画」が策定されました。  そこで、本コラムでは「日本点字の父」と呼ばれる千葉県ゆかりの石川倉次について紹介します。 石川倉次(1859-1944)  日本点字の考案者。「千葉県の偉人・先覚人」の一人に掲げられています。浜松市で生まれ、千葉県の鶴舞(市原市)で育ちました。千葉県内の各所で教師をしていました。「目の見えない子どもたちが自分で本を読めるようにしたい」という強い思いで、フランスのブライユ点字(6点)をもとにかなを表す点字を考案しました。「日本点字」として採択された明治23年(1890)11月1日は点字記念日と定められました。日本点字の研究と発展に力を尽くし、視聴覚障害児教育に携わった生涯でした。 【関連書籍】  『日本点字の父石川倉次先生伝』(伝記叢書 13) 鈴木カニ 著 大空社 1987 【請求記号:2891/イク1】  『石川倉次物語』 永嶋まつ子 著 永嶋まつ子 2009 【請求記号:C289/イク1】 他 〔写真〕 〔製作者注〕石川倉次に関係する資料の写真があります。〔製作者注終わり〕 〔写真終わり〕 編集後記  「チバニアン」とは、地質年代の中で、今まで名前の無かった約77万4千年前から12万9千年前までの時代に新たに付けられた名前です。この時代は地球の磁極が今と反対になっていたそうですが、詳しい発生メカニズムは未解明とのこと。地球や宇宙の出来事にはまだまだ謎が多いです。疑問が生じた、興味を持った時は、ぜひ図書館の本も探してみてください。 奥付 West Library 千葉県立西部図書館だより 発行日:令和5年10月27日 編集:千葉県立西部図書館 〒270-2252 千葉県松戸市千駄堀657-7 ℡047-385-4133 〔West Libraryの掲載ページURL〕http://www.library.pref.chiba.lg.jp/ ISSN:0918-7383   以上でWest Library 千葉県立西部図書館だより 通号83号 2023年10月発行 テキスト版を終わります。