知識は旅をする 千葉県立東部図書館だより 通号74号 2022年6月発行 テキスト版 【1ページ】   {図} 『仮名読八犬伝』 為永春水(2代目)作、歌川国芳ほか{画} 「菜の花ライブラリー」千葉県デジタルアーカイブ {製作者注}第5編・第6編の口絵{製作者注終わり} {図終わり} ▼ はつらつライフなび(シニア支援コーナー)  東部図書館では、シニア世代の方の暮らしに役立つ情報を提供するため、「はつらつライフなび」コーナーを設けています。年を重ねても、はつらつと元気に暮らすためのヒントになるよう「健康」「暮らし」「趣味」「マネープラン」などのテーマで本を展示しています。   人生100年時代。「はつらつライフなび」を利用して、元気で心豊かな日々を過ごしませんか。 「はつらつライフなび」コーナーは、東部図書館入口を入って右側に設けています。  また、展示した本の一覧は千葉県立図書館HP → 「図書・雑誌・視聴覚資料検索」→ テーマ資料 → 「展示で紹介した本(東部図書館)」 → 「はつらつライフなび」からもご覧いただけます。そのまま、予約いただくこともできます。ぜひご利用ください。なお、ご不明な点があり ましたら、カウンターへお声がけください。     ▼ 資料展示コーナーのご案内 テーマ:「太平洋戦争を振り返る」 展示期間:7月1日~8月31日  今年は沖縄の本土復帰から50年、ミッドウェー海戦から80年になります。沖縄では本土復帰50年を記念して、イベントなども多数予定されています。  今回は「太平洋戦争を振り返る」と題し、真珠湾攻撃や沖縄の本土復帰に関する資料を展示します。これを機に戦争の恐ろしさを見つめ直し、平和について考えてみませんか。 ▼ ガラス展示コーナーのご案内 テーマ:「鯨の世界へ」 展示期間:7月1日~9月4日  千葉県には、捕鯨基地があり、今でも7月から9月にかけて捕鯨が行われています。今回は捕鯨の歴史に関する本を中心に、鯨に関する小説や貴重な郷土資料なども展示します。  なお、県立中央博物館でも7月16日(土)から9月25日(日)まで特別展「ようこそ!海の王者『鯨』の世界へ」が開催されます。こちらもぜひご覧ください。 千葉県立図書館Twitterはこちら{QRコード} 【2ページ】 調べ方あれこれ データベースを紹介します  東部図書館には、新聞記事などを調べられるデータベース席があります。今回はそのうちの5つをご紹介します。どなたでもご利用頂けますので、調べものにぜひご活用ください! D1-Law.com(現行法規・判例体系・法律判例文献情報)  法令、判例、法関連文献情報などを検索できる法情報データベースです。法令名の略称や読み仮名での検索、現在だけでなく、過去や未来(施行予定)の法条文の閲覧、時系列での判決本文の閲覧、文献の入手方法の照会などが可能です。検索機能や画面がリニューアルされて、より使いやすくなりました。 <こんなとき、役に立ちます!> ・廃止になった法令を検索し、本文を読みたい。 ・キーワードから判例の検索をしたい。 ・法律関係の文献が読みたい。 日経テレコン21  経済新聞や企業情報などを検索できるビジネスデータベースです。2022年4月から東部図書館でもご利用頂けるようになりました。日経4紙(日本経済・日経産業・日経MJ・日経金融)などの記事検索、企業検索、人事検索ができます。経済データやキーワードごとに分類されたテーマフォルダもあります。 <こんなとき、役に立ちます!> ・取引先の人事異動情報を入手して、商談に役立てたい。 ・業界の動向を調査して、広報活動に役立てたい。 国立国会図書館図書館向けデジタル化資料送信サービス  国立国会図書館でデジタル化した資料のうち、絶版等の理由で入手が困難な資料を、図書館内のPCで閲覧・印刷ができるサービスです。2022年5月から「個人向けデジタル化資料送信サービス」が始まり、インターネット経由でご自宅からでも閲覧が可能になりました。 <こんなとき、役に立ちます!> ・絶版になった本を読みたい。 ・江戸時代に発行された絵巻を見てみたい。 朝日新聞クロスサーチ  1879年の創刊号から今日まで、約1600万件の朝日新聞の記事・広告が検索できる新聞記事データベースです。キーワードや日時、地域などから絞り込んで検索が可能です。「聞蔵Ⅱビジュアル」からリニューアルして、より使いやすくなりました。  <こんなとき、役に立ちます!> ・過去に千葉県内で起きた事件を新聞記事で確認したい。 ・明治時代の新聞を読みたい。 ・気になるトピックが掲載された新聞記事を時系列で見てみたい。 ルーラル電子図書館  病害虫の診断、農薬、栽培、飼育、食品加工や販売の方法など、農業に関する様々な情報を調べることができるデータベースです。図書、雑誌、映像などから閲覧できます。千葉県立図書館の中で、東部図書館でのみご利用いただけます。  <こんなとき、役に立ちます!> ・バラの病気や予防の仕方を知りたい。 ・美味しいソーセージの作り方を知りたい。 データベースの利用をご希望の方は、カウンターでお申し込みください。 【3ページ】 図書館ぶらり散歩(54) 自然に親しむ 7月21日~8月20日の自然に親しむ運動期間にちなみ、おすすめしたい本を選びました! [ ]内は資料の請求記号です。 『ターシャの庭づくり』※西部図書館所蔵  ターシャ・テューダー著 メディアファクトリー社 2007年 [6204/1]  庭は一番身近にある自然です。庭に綺麗な花が咲いていて、花の蜜を求めて小鳥が訪れる……。そんな庭を作りたいなという方におすすめしたい本です。  ターシャの庭ができるまでの経緯や、ターシャの庭づくりのノウハウがたくさんの写真とともに紹介されています。「わたしの庭で喜んで咲いてくれるものを、その植物が喜ぶだろうと思う場所に、好きなように植えている」そんなターシャの素敵な庭を参考に、庭づくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。 『巨石巡礼 見ておきたい日本の巨石22』  アスペクト社 2011年 [29109/279]  どうやってこんな形になったのか。どうして崩れないのか。そんな感想が浮かんでくるような巨大な石。神秘的で迫力のあるこうした巨石は世界各地に存在し、人々から信仰されてきました。  本書では、絶妙なバランスで積み上がっている巨大な石、神殿になった巨石群、刀で両断された伝説が残る石、鬼の住処と伝わる岩屋などの日本国内にある巨石を22箇所、行きやすさやアクセス方法と共に紹介しています。場所によっては軽い登山感覚で行くことが出来るので、良い運動になるでしょう。 『ざっそうの名前』※中央図書館所蔵  長尾玲子作 福音館書店 2013年 [JE/ナレ] 私たちの身近にある雑草にもそれぞれに素敵な名前があることを教えてくれる絵本です。登場する人物や雑草の挿絵はすべて美しい刺繍で表現されています。  夏の日おじいさんの家に遊びに行った太郎は、スイカが美味しく冷えるまでの間、冒険をするようにおじいさんに雑草の名前を教わっていきます。  自然というと壮大なイメージを持ちますが、すぐ足元にも自然は広がっています。 『図鑑大好き! あなたの散歩を10倍楽しくする図鑑の話』  千葉県立中央博物館監修 彩流社 2014年  [C46/3]   【4ページ】 〈こんな人、こんなこと、こんなところ⑨〉 木曾義昌《きそ よしまさと東漸寺《とうぜんじ》 {図} 義昌肖像(東漸寺蔵) {図終わり}  「昔は聞きけん物を、木曾の冠者、今は見るらん、左馬頭《さまのかみ》兼伊予守《いよのかみ》、朝日の将軍源義仲ぞや」―『平家物語』の「木曾殿最期」で、源頼朝の従弟・木曾義仲が名乗りを上げる場面です。源氏方の戦上手「朝日将軍」こと木曾義仲とその末裔・木曾義昌が、旭市の名前の由来に関わっていることをご存じでしょうか。  1540(天文9)年、木曾義仲の第19代の子孫にあたる木曾義昌は、代々の領地である信濃国南東部の木曾谷に生まれました。この地は東を武田信玄・西を織田信長に挟まれた要衝であり、「木曾家の生き残る道は天下取の才覚者を見極め、その者と盟約を結ぶこと(※引用1)」でした。義昌の必死の立ち回りのおかげで、木曾氏は戦で滅ぶことも家臣や領民を侵略者に奪われることもありませんでした。戦国時代にあっては得難い業績です。  晩年の義昌は、一説には徳川家康の心証を損ねたことが原因で、下総国の網戸(あじと・現在の旭市)に移封されました。  網戸での義昌は善政を敷いて民に慕われました。湿地帯を干拓・灌漑して新田を開発し、農民の収入を増やしました。また、街道を整備して交易を盛んにし、東総の海の幸・山の幸が行き交う市場町や宿場町が形成されるよう計らいました。この街道は「現在、八銚線と称される県道とほぼ同じ(※引用2)」だということです。寛大な義昌の統治時代は、下総の歴史の中でも最も安定した6年間であったようです。  当時の面影を、義昌の菩提寺・東漸寺(旭市イ)に訪ねることができます。桜並木の青葉に守られた供養塔が涼しげです。ご本堂で江戸末期に国学者・野々口隆正の奉納した掛け軸を見せていただきました。「信濃よりいづる旭をしたひきて東のくににあととどめけむ」―1889(明治22)年に網戸村ほか3村が合併して旧旭市が誕生した際に、この歌から市名が採られたのだということです。 {写真} 供養塔(東漸寺) {写真終わり} {写真} 野々口隆正書(東漸寺蔵) {写真終わり {写真} 義昌を偲んで編まれた句歌集『波布里集』(東漸寺蔵) {写真終わり}  ご住職によると、網戸地区の旧家はどの家をとっても、義昌が区画整理をした当時のまま間口が均一なのだそうです。義昌を今も身近に感じる地元の人々は彼を「木曾さま」と呼び慕い、毎年3月17日の命日には欠かさず法要を営んでいるそうです。東漸寺近くの「木曽義昌公史跡公園」も人々の憩いの空間となっています。  朝日の昇るごとき勢いと称賛された木曾の血脈は、朝日の昇る東の地に今もその名残を留めています {写真} 義昌像 (木曽義昌公史跡公園) {写真終わり} 県立図書館では木曾義昌に関する資料を所蔵しています。〔 〕は所蔵館と請求記号です。 *『戦国武将木曾義昌と甲斐の武田一族』(竹内英春 著)〔東部C289/キヨ1/〕※引用1(p26) *『義仲と木曽義昌』(竹内英春 著)〔東部C289/キヨ2/〕※引用2(p14) *『木曾義昌物語』(松井安俊 著)〔東部C289/キヨ3/〕  * 菜の花ライブラリー“木曽義昌”で検索(インターネット 千葉県立図書館ウェブサイトよりアクセス) ■ 県立図書館の資料は、市町立村図書館などを通じて利用することもできます。お近くの図書館、公民館図書室等の読書施設にご相談ください。 ■ 県立図書館では、千葉県に関する資料を収集しています。グループ・職場などで資料を発行されたときには、情報をお寄せください。 編集長の独り言  梅雨の時期が来ました。今年の関東地方の梅雨入りは、梅雨前線の動きよりも今後の気象予想から発表されたようです。春から夏にかけての実際の天候経過を考慮して検討するので、後になって期日を変更をする場合があるそうです。  梅雨明けを待ち望んで。新型コロナウイルスの収束を祈って。ご案内した図書や史跡に思いを馳せて過ごしていただけると幸いです。 編集・発行:千葉県立東部図書館 〒289-2521 千葉県旭市ハの349 TEL 0479-62-7070 FAX 0479-62-7466 URL:https://www.library.pref.chiba.lg.jp/ PC・スマホ{QRコード} 携帯電話{QRコード} 以上で知識は旅をする 千葉県立東部図書館だより 通号74号 2022年6月発行 テキスト版を終わります。