West Library 千葉県立西部図書館だより 通号77号 2021年10月発行 テキスト版   目次 1ページ 特集 読書週間と図書館サービス 2ページ あなたの読書にきっと役立つ図書館サービス 3ページ 世界アルツハイマー月間の取組 4ページ Book Review ちょっと気になる新刊図書 目次終わり {1ページ} 特集 読書週間と図書館サービス 読書週間  毎年10月27日から11月9日は「読書週間」です。  読書週間は、1924年に「図書館週間」として始まりました。日中戦争や第2次世界大戦による中断を経て1948年に復活し、1949年以降は11月3日の「文化の日」の前後2週間を読書週間とすることになりました。 プレイバック読書週間  現在では図書館界や出版界をはじめ様々な業界団体がイベントを開催していますが、昔の図書館ではどんなイベントを催していたのでしょうか。  『読書週間全国行事一覧 1954年』(読書週間実行委員会)という冊子が県立図書館の蔵書にあります。1954年の読書週間に関係団体で開催されたイベントを掲載しています。  千葉県立中央図書館では、郷土の偉人顕彰展や座談会、婦人読書会、製本競技会、子供大会、郷土玩具展などを開催していました。  イベント名のみの掲載ですが、図書館、学校図書館、出版界、民間放送、法務省(刑務所等)まで網羅された貴重な資料です。 {2ページ} あなたの読書にきっと役立つ図書館サービス  読書の楽しめる秋になりました。今回は、読書の幅が広がるサービスをふたつご紹介します。県立図書館ではどちらも無料で使えます。 相互貸借  この本を読みたいけど、県立図書館には所蔵がない。そんな場合には、「相互貸借」が便利です。  相互貸借は、図書館間で図書や雑誌を貸し借りし、利用者の資料要求に応えるサービスです。県立図書館では、県内外の公共図書館にとどまらず、可能な場合には国立国会図書館や大学図書館からも資料提供を受けています。  県立図書館に所蔵がない場合でも、あきらめずに一度お問い合わせください。 〔画像説明〕  利用者が市町村立図書館を通じて県立図書館の資料を利用するまでの流れが示されています。利用者は資料相談、利用申し込みを市町村立図書館にします。申し込みを受け付けた市町村立図書館は県立図書館に所蔵の確認、貸出依頼をします。県立図書館は資料を市町村立図書館へ搬送し、市町村立図書館から利用者へ資料提供、貸出を行います。 〔画像説明終わり〕 レファレンスサービス  著者の名前はわかるけど、タイトルがうろ覚え。あるテーマの本を探しているけど、探し方がわからない。そんな場合には、「レファレンスサービス」を使ってみてください。図書館職員が本の所在調査や、お問い合わせいただいた内容をもとにした資料調査、調べ方の案内などを行います。  現在放送中の大河ドラマに関連して、「渋沢栄一が植えた木が千葉県立東部図書館隣接地にあると聞いたが、木は存在するか」など、過去に受けた事例をレファレンス事例集で紹介しています。気軽にお問い合わせください。 〔レファレンス事例集のURL〕 https://www.library.pref.chiba.lg.jp/reference/reference_list/index.html 図書館ツアー&書庫見学会 on Twitter  読書週間、公式Twitter上で西部図書館ツアーと書庫見学会を開催します。便利なサービスの紹介や、普段は入ることができない書庫もご案内しますので、ぜひ、フォローしてください。 〔県立図書館公式TwitterのURL〕 https://twitter.com/chibaken_lib  見逃した方、もう一度見たい方は、読書週間終了後に図書館ホームページにまとめページを開設する予定です。 {3ページ} 世界アルツハイマー月間の取組 ~認知症と図書館~  1994年に国際アルツハイマー病協会は、世界保健機関と共同で毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」、9月を「世界アルツハイマー月間」と定め、様々な啓蒙活動を行っています。  日本では、2025年に高齢者の約5人に1人が認知症の有病者になるという推計もあります(『高齢者白書』平成29年度版)。  県立図書館では、認知症当事者や家族の手記、子ども向けに書かれた図書や絵本、専門的な医学書など、様々な視点に立つ資料を収集しています。その中から県民の皆様に認知症に対する理解を深めてもらうために35冊の資料をTwitterで紹介し、館内での展示も行いました。資料の一部をご紹介します。 『認知症 医療の限界、ケアの可能性』 上野秀樹著 メディカ出版 2016年  母が...!?苦しい時間の始まりを感じた時に出会った一冊。「理解と対応」を深めると心が、行動が、周りが変わる。訪問精神科医である著者からの言葉は冷静かつ温かい。 『なぜ、認知症のある人とうまくかかわれないのか?』 石原哲郎著 中央法規出版 2020年  他所では見たことがないと評される診療所のエッセンスが詰まっています。本編や当事者の語りから認知症との向き合い方次第で人生の可能性が広がる、前向きな展望が得られる内容です。 『おばあちゃん』 谷川俊太郎文 三輪滋絵 ばるん舎 1982年  認知症のおばあちゃんを宇宙人に例えた孫が、「ぼくもいまに宇宙人になります」と締めくくります。30年前の英訳付きの版と復刻改訂版(谷川さんあとがき)を是非とも合わせてお読みください。 県立図書館ホームページにまとめページがありますので、ご覧ください。 〔認知症関連図書・絵本のまとめページURL〕 https://www.library.pref.chiba.lg.jp/information/west/post_143.html {4ページ} BOOK REVIEW ちょっと気になる新刊図書 『地形と歴史で読み解く鉄道と街道の深い関係 東京周辺』 内田宗治編著 実業之日本社 2021年5月発行 【請求記号:5161/7】  明治5年、新橋―横浜間に日本で初めて鉄道が開通しました。東京側の起点駅として、新橋が選ばれたのはなぜでしょう。JR中央線で、東京駅から新宿駅までの線路は、S字を横倒しにしたように曲がって敷かれています。なぜでしょうか。  この本では、鉄道の歴史や鉄道の線路が敷かれたルートについて、歴史的背景や地形、街道との関係等から解説しています。開業当時の地図や路線図の他、写真等が数多く掲載され、楽しみながら読むことができます。知っている線路の敷かれた背景などを教えてくれる本です。 『自身を守り家族を守る医療リテラシー読本』 松村むつみ著 翔泳社 2020年12月発行 【請求記号:4904/95】  「この食品に含まれる成分は○○に効く」という情報が流れると、スーパーではその食品が売り切れるというニュースを、時々耳にします。このような行動は、本当に正しいのでしょうか。  テレビや新聞、インターネット等では膨大な情報があふれ、取捨選択が難しくなっています。この本では、医療リテラシーの基礎が学べ、科学的に正しい医療情報の集め方や情報を活用する方法等を教えてくれます。疾病予防や健康増進に役立て、健やかな生活を送る手助けとなる本です。 編集後記  新型コロナウイルスが猛威を振るった今夏でしたが、皆さまのご協力により、開館を続けることができました。今号では、戦後の読書週間の様子と、最寄りの図書館への資料の取り寄せやレファレンスサービスをご紹介しました。読書の秋、新たな一冊との出会いになれば幸いです。 奥付 West Library 千葉県立西部図書館だより 発行日:令和3年10月29日 編集:千葉県立西部図書館 〒270-2252 千葉県松戸市千駄堀657-7 ℡047-385-4133 〔West Libraryの掲載ページURL〕 http://www.library.pref.chiba.lg.jp/ ISSN:0918-7383 以上でWest Library 千葉県立西部図書館だより 通号77号 2021年10月発行 テキスト版を終わります。