知識は旅をする 千葉県立東部図書館だより 通号76号 2023年3月発行 テキスト版 【1ページ】   {図} 『仮名読八犬伝』為永春水(2代目)作、歌川国芳画ほか(「菜の花ライブラリー」千葉県デジタルアーカイブ) {図終わり} ▼ 「図書館から世界(ニュース)が見える」コーナーを設置しました!  令和2年(2020年)から県立図書館3館で発行しているリーフレット「図書館から世界(ニュース)が見える」をご存じですか? 「高齢者の運転」「ヤングケアラー」「地方移住」「フードテック」など、世の中で話題になっているニュースについて知り、考えるためのヒントが得られる資料情報を紹介しています。これまでに30号以上発行しています。 「図書館から世界(ニュース)が見える」をもっと活用していただくために、東部図書館の中央通路に面した棚に新たにコーナーを常設しました。自由にお持ちいただけるバックナンバーを含め、30以上のテーマの中から定期的に2つのテーマを取り上げて関連資料とともに展示しています。展示資料は貸出しもできますので、ぜひ一度のぞいてみてください。 {写真} 「図書館から世界(ニュースが見える」コーナーの写真 {写真終わり} ▼ ガラス展示コーナーのご案内 テーマ:「震災と文学 ~あの日から12年~」 展示期間:1月21日~4月20日  東日本大震災が発生してから、今年で12年になります。震災の記憶を風化させず、今後に語り継ぐために、「東日本大震災」を描いた文学作品を集めて展示しています。また、千葉県内の震災に関する郷土資料も展示しています。あわせてご覧ください。 ▼ 資料展示コーナーのご案内 テーマ:「房総の近代三大歌人」(千葉県誕生150周年関連) 展示期間:2月18日~4月20日  令和5年(2023年)は、千葉県誕生150周年です。そこで、千葉県にゆかりのある房総近代三大歌人、伊藤左千夫(1864~1913年)、古泉千樫(1886~1927年)、吉植庄亮(1884~1958年)にスポットを当て、作品や人物像に関する資料を展示しています。この機会に歌を通して彼らの心や生きた時代を感じてみませんか。 ▼ 蔵書点検による休館のお知らせ  東部図書館は3月22日(水)~30日(木)の間、蔵書点検のため休館します。なお、休館中でも資料の返却はできますので、東部図書館正面入口左側のブックポストをご利用ください。 千葉県立図書館Twitterはこちら{QRコード} 【2ページ】 令和4年度 歴史講座 報告 「神道・神社の歴史と房総」 講師 中川 和明 氏(千葉県文書館 職員) ●10月13日(木)当館3階研修室にて、文書館連携の歴史講座を開催し、24名の参加がありました。  房総には、歴史のある神社が数多くあります。  今回の歴史講座では、時代や政治背景とともに移り変わっていった房総の神社について、境内の写真や古資料の図など、多くの写真を交えてご講義いただきました。  平安時代に定められた「式内社」や「一宮」が神社の格式を表すものと意識され、明治期に成立した近代社格制度に影響を与えました。近代社格制度は戦後に廃止されますが、現在の神社界にもその序列の名残りをみることができます。  アンケートでは、「今まで知らなかった神社の歴史がよくわかりました」「神社の分類格式がおもしろかった」「貴重な写真を沢山見せていただきありがとうございました」などの感想が寄せられました。 {写真} {写真の説明}講師と講座の様子{写真の説明終わり} {写真終わり} 令和4年度 文学講座 報告 「『萬葉集』でたどる古代房総の風景 ~海辺の恋の物語~」 講師 柴田 まさみ 氏(敬愛大学生涯学習センター 講師) ●1月28日(土)当館3階研修室にて、文学講座を開催し、19名の参加がありました。  現存する最古の和歌集である『萬葉集』には、千葉県にゆかりのある歌も多くあります。    今回の文学講座では、『萬葉集』に収められた房総の恋の歌、特に香取の海にまつわる歌を中心に取り上げ、ご講義いただきました。本講座のために小説風の現代語訳付きの資料をご作成いただき、『萬葉集』の世界をじっくりと学ぶことができました。  アンケートでは、「憧れだけの萬葉集が身近になり、嬉しかった」「中身の濃い学習ができて参加してよかった」などの感想が寄せられました。 {写真} {写真の説明}講師と講座の様子{写真の説明終わり} {写真終わり} 【3ページ】 図書館ぶらり散歩(56) 春、 また新しい季節が巡ってきます。今の季節におすすめの本を紹介します。 [ ]内は資料の請求記号です。 『海で貝拾ってみませんか 貝収集入門図鑑』 毛木仁著 たけしま出版 2013年 [C484/4]  春の陽気に誘われて海岸を散歩していて見つけた貝殻。何の貝か気になる!そんな方におすすめしたい本です。  砂浜で波に削られて本来の模様が分からなくなってしまった貝でも調べられるように、千葉県在住の作者が海岸で拾った貝殻を分類しています。貝の大きさを分かりやすくするために十円玉と比べた写真を撮るなど細かいところまで工夫をこらした図鑑です。 『四季の星座神話 美しい星座絵でたどる』 沼澤茂美・脇屋奈々代著 誠文堂新光社 2014年 [4438/24]  夜空といえば夏や冬が思い浮かぶという人が多いと思いますが、春の夜空も負けてはいません。北斗七星や春の大三角、獅子座のレグルス、うしかい座のアークトゥルスなどの星の輝きを見ることができます。  本書の主役は、その星々をつなぎ合わせて生み出された星座たちです。それぞれの神話を、美しい絵と共に紹介しています。星座の探し方も紹介されているので、この本と星座盤を手に春の夜空を観察してみましょう! 『黄昏国』 銀色夏生著 河出書房新社 2011年 [91156/キナ2]  暖かな芽吹きの季節。でも、寂しいとか、何となくザワザワと気持ちが落ち着かないと感じることもあるのではないでしょうか。そんなとき、そっと傍らに寄り添ってくれるのは一篇の詩かもしれません。  エッセイスト・作詞家としても知られる著者。この詩集はページごとにコロコロと変化するフォントやイラストがとても印象的です。著者の独特でどこまでも静かな言葉の世界に身をゆだねて、自分の心とゆっくり向き合ってみるのはいかがでしょうか。 『小さな庭づくり 2』 六耀社 1998年 [62975/9/2]  春は植物が花を咲かせたり、新芽を出したりする季節です。自宅の庭でも春を感じることができたら良いなと思った方におすすめの一冊です。  この本には、庭木・花木を生かした庭づくりのために必要な知識が分かりやすく書いてあります。 庭のデザイン例、花が咲く季節等で分類された植物のカタログ、庭木の育て方等が1冊に簡潔にまとまっていて、見ているだけで「どんな庭にしようかな?」とわくわくすることでしょう。 【4ページ】 本を貸すだけじゃない、東部図書館  県立図書館では、直接来館した利用者へのサービスだけでなく、県内の市町村立図書館・学校図書館の運営のサポート業務や子どもの読書支援も行っています。その中から、今年度実施した研修事業・生徒向け講座についてご紹介します。 課題解決支援サービス研修会  図書館員のスキルアップをお手伝いする「課題解決支援サービス支援研修会」。今年度は国立国会図書館から講師を招き、「レファレンス協 同データベースの利活用」について学びました。レファレンスとは 利用者から調べものの相談を受けた図書館員がニーズに応じた資料 や情報を紹介することで、「協同データベース」は、そのレファレンスの実績を全国から集めた、いわば日本の図書館の巨大な知恵袋です。各地の図書館はこの知恵袋から過去の事例を引き出して活用し、また知恵袋に自館の事例を提供することで未来の調べものに役立てているのです。あなたも困ったときは、お近くの図書館にレファレンスを依頼してみませんか? {写真} {写真の説明}課題解決支援サービス研修会の様子{写真の説明終わり} {写真終わり} 学校図書館運営研修会  一方こちらの「学校図書館運営研修会」は、学校図書館司書や担当教諭、いわゆる「図書室の先生」を対象とした研修会です。今年度は「便利に使おう! 県立図書館」と題して、県立図書館の蔵書やサービスを学校の授業や探究学習に活用する方法、リクエストされた資料を県内各地から取り寄せる方法などを紹介しました。忙しい学校現場の先生方をお助けできるよう、県立図書館は今後とも陰ながら応援させていただきます。 {写真} {写真の説明}学校図書館運営研修会で行ったワークショップの様子{写真の説明終わり} {写真終わり} 子どもの読書支援*読み聞かせ講座  そして、今年度東部エリアで初めて実施したのが「読み聞かせ講座」です。東金特別支援学校高等部の選択学習、家庭科の授業のひとコマとして行いました。目標は講座の後に予定している小学部のおはなし会での発表です。講座では、図書館員が読み聞かせのコツを伝えたり読み方のアドバイスをしたりしました。読み聞かせには読み手の気持ちを聞き手が受け取り、ともに本の世界を広げていく良さがあります。生徒さんたちはそれぞれ、自然に和やかな雰囲気を作り出していて、聞き手の皆がその魅力に引き込まれました。生徒さんからは、「自分が読み聞かせをしてもらったときのことを思い出した」「姪に読み聞かせをしてあげたいと思った」先生からも「ずっとやりたかったことを実現できてうれしかった」との感想をいただくことができました。この講座が、読みきかせの良さを再発見し、話し手を演じることへの意欲を引き出すものになったことを実感しました。 {写真} {写真の説明}読み聞かせ講座の参加者同士で読み聞かせを行っている様子{写真の説明終わり} {写真終わり} ■県立図書館の資料は、市町立村図書館などを通じて利用することもできます。お近くの図書館、公民館図書室等の読書施設にご相談ください。 ■県立図書館では、千葉県に関する資料を収集しています。グループ・職場などで資料を発行されたときには、情報をお寄せください。 編集長の独り言  「三寒四温」を辞典で調べると、冬期に寒い日が3日ぐらい続いたあと比較的温暖な日が4日ほど続くといった寒暖を繰り返している現象のこととわかります。元々中国から伝わった言葉でその事象が現れるのがこの時期だったとのこと。日本では間もなく春を迎える時節に使われることが多いと思います。この気温の変化を受けて草木の芽や蕾は着々と準備をしているようです。本格的な春が待ち遠しいですね。 編集・発行:千葉県立東部図書館 〒289-2521 千葉県旭市ハの349 TEL 0479-62-7070 FAX 0479-62-7466 URL:https://www.library.pref.chiba.lg.jp/ PC・スマホ{QRコード} 携帯電話{QRコード} 以上で知識は旅をする 千葉県立東部図書館だより 通号76号 2023年3月発行 テキスト版を終わります。