知識は旅をする 千葉県立東部図書館だより 通号81号 千葉県立東部図書館編集 2024年10月発行 テキスト版製作 千葉県立東部図書館 2024年    【写真】 『浅倉一代記 拷問』 一勇斎 国芳/画 (「菜の花ライブラリー」千葉県デジタルアーカイブ) ▼ガラス展示コーナーのご案内 テーマ:「歴史に「女性」を発見する」 展示期間:9月20日~11月29日 展示場所:ガラス展示コーナー(入口すぐ左、休憩コーナー手前) 人類のおよそ半分は女性ですが、歴史の節目に登場するキーパーソンはほとんどが男性です。近年、女性を軸に歴史を見直そうとする動きが活性化しています。「歴史」の陰で女性は何をしていたのか? さまざまなジャンルの資料から、歴史の中の女性にスポットライトを当てます。 ▼資料紹介コーナーのご案内 テーマ:「千葉が生んだ作家たち」 展示期間:10月19日~12月19日 展示場所:資料紹介コーナー(カウンター前中央通路沿い) 10月27日~11月9日は読書週間。 今年は、現在活躍中の小説家を中心に、千葉県出身の作家の作品を特集します。著名な作家が同郷だったという驚きや、作品の中に地元を思わせる土地が登場するうれしさなど、県民ならではの読書体験をお楽しみください。 ▼利用者アンケートにご協力ください 今年も読書週間(10月27日~11月9日)に利用者アンケートを実施します。今後の運営の参考にさせていただきますので、ご協力をお願いいたします。 アンケートの集計結果は「知識は旅をする 第82号」(2月発行予定)に掲載いたします。また、図書館内の壁面にも掲示しますので、ご覧ください。 ▼休館のお知らせ 年末年始休館:12月29日(日)~1月4日(土) 蔵書点検休館:2月12日(水)~2月21日(金) 休館中でも資料の返却ができます。東部図書館正面入口、左側のブックポストをご利用ください。 東部図書館で実施した県民向け講座のご紹介 千葉県立図書館は、一般の利用者を対象とした県民向け講座を定期的に開催しています。 今年度東部図書館で実施した講座の様子をお伝えします。 はつらつライフ講座「渋沢栄一から学ぶ」 実施:令和6年8月24日(土) シニア層の悩みや困りごとにアプローチし、生活に前向きなヒントを提供する「はつらつライフ講座」。今年度は、さわやかちば県民プラザ主催のちばアカデミア講座②「渋沢栄一から学ぶ 激動する社会の生き方」を、柏市の本会場からオンラインで中継しました。 講師は、渋沢旧邸跡に建つ渋沢史料館の館長 桑原 功一 氏。先生の丹念な解説により、渋沢が幼い頃から「小立志(身近な目標)」を次々にクリアすることで「大立志(よりよい社会を作るという理想)」を実現していったこと、どんなに成功し財産を築いても「仁義道徳」を説き続けたことなど、その旺盛な行動力の芯にある思想が明かされました。 参加者からは、「農家に生まれた一個人が、商業・工業・銀行業・教育・福祉…とあらゆる分野で活躍し、日本の発展のために貢献した。その先見性と実行力に感心した」「論語の時代、渋沢栄一の時代、現在、時代を超えて共通する大切なことを感じ、勉強になりました」などの感想が寄せられました。 【イラスト】 【説明】渋沢栄一の似顔絵 【説明終わり】 東部図書館の資料展示 当館 では常時、大小合わせて 5 ~8 種類の特集展示を行っています。 季節や時事などに合わせてテーマを設定し、厳選した資料を、楽しい装飾とともに紹介します。 普段は書庫にある本が表に出て、利用者が掘り出し物を見つけられるのも展示のいいところ。 ぜひ、出会いを求めて足をお運びください。 【写真】 左より、「ちば 海の魅力」「芥川賞・直木賞」「浮世絵を楽しむ」 【写真】 左より、「中尊寺金色堂建立900年」「少女のあこがれ」「安部公房 生誕100年」 ミステリーの世界へ 【イラスト】 【説明】お化け屋敷、左の空に逆三日月、右の空に飛んでいるコウモリ2匹、十字架の墓が描かれています。 【説明終わり】 図書館 図書館ぶらり散歩(61) 10月7日は、ミステリーの先駆者であるアメリカの小説家、エドガー・アラン・ポー(1809‐1849)が亡くなった日です。 秋の夜長にミステリー小説を読みながら、ドキドキ・ワクワクしてみませんか? 【イラスト】 【説明】右手に虫眼鏡を持ち右眼にあて、インパネスコートと鹿撃ち帽を着用し、左手を腰にあてている少年 【説明終わり】 『新本格ミステリを識るための100冊 令和のためのミステリガイドブック』 佳多山 大地/著 星海社 2021 [91026/1750] 1987年から2020年に刊行された日本の「新本格ミステリ」の中からお薦めの100作品を「日常の謎」「特殊設定」などのテーマに分けて紹介しています。それぞれに、あらすじ、作品や著者についてのガイド文、併読のススメとして関連する作品が掲載されており、「もう一度読みたい。」と思う作品や「こんな本があったのか。」と今まで知らなかった作品にも出会えることでしょう。 あらすじを読むだけでもワクワクしてきます。ミステリーが初めての方、ミステリー好きな方にもおすすめの一冊です。 『QED 百人一首の呪』 高田 崇史/著 講談社 1998 [9136/タタ4] ミステリーと歴史の謎ときはよく似ている――それを推理小説好きだった私に教え、歴史の面白さに気づかせてくれたのがこの本です。 物語はある百人一首コレクターの身に起きた殺人事件から始まり、読者は事件を追ううちに歴史の謎の奥へと誘われます。この物語で出された結論をどう捉えるかは読者次第ですが、歴史を探究することの楽しさに気づかされることでしょう。 ちなみに私は、この本をきっかけに大学で史学を専攻しました。 『海は地下室に眠る』 清水 裕貴/著 K ADOKAWA 2023 [C936/シユ 1] 旧神谷伝兵衛稲毛別荘の地下室で見つかった作者不明の絵画を巡る歴史ミステリー。千葉市美術館の学芸員が絵に秘められた謎を紐解いていくと、かつて栄えた千葉市の花街「蓮池」に暮らす人々の生活や、稲毛に別邸があった愛新覚羅溥傑の妻・嵯峨浩の物語など、戦前から戦後にかけての千葉市の情景が浮かび上がっていきます。 時代に翻弄された女性たちの悲しい想いを現代に掘り起こしていく過程が面白いです。実在する地名や施設が舞台になっているので、読後に聖地巡礼をしてみるのはいかがでしょうか。 【イラスト】 【説明】歪んだ時計が3個、その右隣に8冊の積まれた本と、1冊の開かれた本と1本のペンが描かれています。 【説明終わり】 『バカミスじゃない 史上空前のバカミス・アンソロジー』 小山 正/編 宝島社 2007 [91368/148] 「バカミス」という言葉を知っていますか。「おバカなミステリー」「バカバカしいミステリー」の略ですが、愛をもって使われています。 この本は、1作目から死後の世界を舞台とするなど、想像もつかない趣向が凝らされた全9編のバカミスが収録されたアンソロジーです。なんと、千葉を舞台にした作品も序文でバカミスについての解説がされているので、初心者にも親しみやすい内容になっています。気に入った作家を見つけて、バカミス沼に足を踏み入れてみませんか? ※[ ]内は資料の請求記号です。 〈こんな人、こんなこと、こんなところ⑬〉 横芝光町立図書館 ~開館30周年~ 【イラスト】 【説明】大小14個のクローバー横罫線に、1匹のテントウムシがとまっています。 【説明終わり】 平成6年11月1日に開館した横芝光町立図書館は、令和6年同日で30周年を迎えます。 【写真】 ▲横芝光町マスコットキャラクター よこぴー 光文化の森公園内に立地しており、緑豊かな庭園内でゆったりと読書を楽しめる施設です。明るい雰囲気に包まれており、平日でも地域の方々で賑わっています。今回は、そんな町民の皆さんに愛され続ける横芝光町立図書館の魅力と、これから予定されている30周年記念事業について、ご紹介します。 魅力① 豊富な蔵書 一般図書約30万冊、児童図書約10万冊(令和6年3月末)が所蔵されており、幅広い分野の蔵書を楽しむことができます。人口に比して、蔵書冊数がかなり充実した図書館です。 魅力② 雰囲気のよさ 手入れの行き届いた植木や、石膏彫刻のある雰囲気はまるでフランス庭園。自然溢れる緑の景色と癒やしの音楽に包まれながら、ゆったりと読書を楽しむことができます。 児童資料室「ほんのもり」には、町のキャラクター「よこぴー(左上写真)」をはじめ、至るところにかわいいぬいぐるみがいます。そして何より、地域の方々に寄り添った図書館サービス。職員のみなさまの丁寧なおもてなしに心をつかまれることでしょう。 魅力③ 展示 季節や行事に合わせた資料展示や装飾、町内小中学生の本の紹介文など学校と連携した作品の展示も行われています。また、2階ギャラリーでは、年4回企画展を開催していて、常時様々な展示が行われています。 【写真】 【説明】斜め正面から撮影した横芝光町図書館、植木、石膏彫刻の女性像 【説明終わり】 魅力④ イベント 毎週土曜日はおはなし会、日曜日は映画会など、様々なイベントが開催されています。 開館30周年の記念事業としては、3つのイベントが開かれます。なお、詳細につきましては、横芝光町立図書館HPに掲載される予定です。楽しみですね。 ①輝望閃詩《きぼうせんし》 ダクシオンヒーローおはなし会 11月3日 ②図書館まつり 11月9・10日 ③記念講演会 絵本作家 松本春野 氏 1月18日 【写真】 【説明】横芝光町図書館内の児童資料室ほんのもりを入り口から撮影した写真です。 【説明終わり】 【イラスト】 【説明】大小19個のクローバー横罫線に、1匹のテントウムシがとまっているイラストが描かれています。 【説明終わり】 ■県立図書館の資料は、市町村立図書館などを通じて利用することもできます。 お近くの図書館、公民館図書室等の読書施設にご相談ください。 ■県立図書館では、千葉県に関する資料を収集しています。 グループ・職場などで資料を発行されたときには、情報をお寄せください。 編集長の独り言 皆様は5月に開始した県立図書館の電子書籍のサービスはご利用になりましたか。オーディオブックもありますので、たまには目を休めて、耳による読書をするのも気分が変わって良いかもしれません。その他、テーマごとにお薦め本を紹介しています。是非ご利用ください。 編集・発行:千葉県立東部図書館 〒289-2521 千葉県旭市ハの349 TEL 0479-62-7070/FAX 0479-62-7466