West Library 千葉県立西部図書館だより 通号79号 2022年7月発行 テキスト版   目次 1ページ 特集 オンライン対面朗読はじめました 2ページ オンラインデータベースのご紹介 3ページ 教えてレファレンス! 4ページ BOOK REVIEW ~ちょっと気になる新刊図書~ 国立国会図書館「個人向けデジタル化資料送信サービス」開始 西部図書館主催講座「サイエンスカフェ」のご案内 編集後記 目次終わり {1ページ} 特集 オンライン対面朗読はじめました  対面朗読は、障害のある方の希望する本や雑誌など 書 館 サービ の読みたい部分を音訳者スが朗読するサービスです。  オンライン対面朗読では、利用する方のお手元にあるスマホやパソコンを通じてサービスを受けることができます。 利用の流れ(Zoom の場合) 1 図書館へ予約の申込みをしてください。ご希望の日時と本(資料)をお聞きします。 2 折り返し図書館からご希望の日時に音訳者が手配できたかをご連絡します。音訳者が手配できない場合は、再度日程調整いたします。 3 当日までに Zoom の利用に必要なミーティング ID とパスワードをメールでお知らせします。 4 ご予約の時間になりましたら Zoom へ入室してください。 5 音訳者がオンラインで対面朗読を行います。 6 Zoom を退室して終了となります(1コマ2時間以内)。 まずは、お気軽にお問い合わせください。 西部図書館 読書推進課 電話:047-385-4133 {2ページ} オンラインデータベースのご紹介  千葉県立西部図書館では、各種オンラインデータベースを館内で利用できます。皆様の調査・研究にどうぞお役立てください。(ご利用には、ログインが必要になります。なお、検索結果は、印刷でのお渡し(1枚 10 円)となります。カウンターまでお声がけください。) eol (イーオーエル)  国内の株式公開企業を中心とした企業情報データベースです。有価証券報告書を昭和 36(1961)年から収録し、200 項目以上から必要なデータを検索して抽出することができます。その他、様々な財務・非財務情報を収録し、多角的に企業情報を調査することができます。  「就職志望先はどんな企業だろう?」、「自動車関連企業の売上高を比べたいな」が調べられます。 医中誌 Web  医学中央雑誌刊行会が作成する、国内で発行される医学・歯学・薬学等関連分野の論文情報のデータベースです。昭和 58(1983)年以降の雑誌・紀要等約7,500 誌に収録された文献情報約 1,400 万件が検索できます(本文は見られません)。これ以前は、OLD 医中誌データ(簡易データ)を収録しています。  「新型コロナウイルスに関する日本語の論文ある?」、「がんに詳しい○○医師の書いた論文ってどの雑誌に載ってるのかな?」が調べられます 最新看護索引 Web  日本看護協会図書館で所蔵する国内発行の看護および周辺領域の雑誌・紀要等に掲載された文献の中から、看護の実践・研究・教育に関する文献情報を検索できます。  「『日本看護学会論文集』の本文って見られる?」、「訪問看護に関する論文ある?」が調べられます。 その他データベースの一覧は、図書館 HP をご覧ください。 http://www.library.pref.chiba.lg.jp/search/database.html {3ページ} 教えてレファレンス!  千葉県立西部図書館では、レファレンスを通じてご提供した質問回答記録を、他の方にも参考になるよう編集し、国立国会図書館レファレンス協同データベースへ登録しています。  今回は昨年度に登録した事例からその内のひとつをご紹介します。 Q 数学で使用されている漢字「微分」と「積分」の漢字的語源を知りたい。言葉の由来や意味を知りたい。公式な語源はあるか。 A まず、言葉の初出を調べられる『日本国語大辞典』を確認し、積分が比較的新しい翻訳語であるとの情報を得る。  『日本国語大辞典(第二版)』(小学館国語辞典編集部編 小学館 2001)p1326「積分」の項の最も古い出典は、「『和蘭学制』(1869)内田正雄訳中学条例四〇 諸術学校の科目左の如し(中略)微分積分」となっている。  次に数学分野の書棚を探し、以下の【資料1】、【資料 2】から微分・積分の語が中国翻訳書からの転用であることを確認した。 【資料 1】『数学用語と記号ものがたり』(片野善一郎著 裳華房 2003)  p135~140「11.微分は差の計算、積分は和の計算」  微積分の用語はイギリスの宣教師ワイリ(偉烈亜力)が中国語で記した『数学啓蒙』(1853 年)、偉烈亜力・李善蘭が英語から中国語に翻訳した『代微積拾級』(1859 年)等の中に見られ、これらの用語がそのまま日本にも受け入れられたとある。  また、微分の微は「かすか」、「ごく小さい」との意味から、微分は「小さく分ける」の意、積分は「分けたものを集めて1つにする」という意味だと解説。微の文字に関しては、中国では小数の単位(10 の 6 乗分の 1=100 万分の 1)であるとも書かれている。 【資料2】『中国の数学通史』(李迪著 森北出版 2002)  p308~309 に数学の翻訳語が紹介されており、「『代微積拾級』の漢・英主要学術語の対照表」には、「微分」、「積分」の語が掲載されている。 県立図書館の公式 Twitter では、展示やイベント案内のほか、発行情報などを配信しています。県立図書館のホームページからも見られます。 https://twitter.com/chibaken_lib {4ページ} BOOK REVIEW ~ちょっと気になる新刊図書~ 『共に生きる 金澤翔子』金澤 泰子 文、芸術新聞社、2021年12月【請求記号:72821/14】  「ダウン症の書家・金澤翔子」は、国内の寺社等で揮毫や個展を開催したり、被災地や障害者支援に取り組んだりしています。2015 年頃からは国外(アメリカ、チェコ、台湾等)にも活動の幅を広げて個展を開催し、多くの人が彼女の作品を目にするようになりました。  本書は、翔子の母である著者によって、母子が共に歩んできた 15 年を記しています。巡礼先の詳細な記録や多くの写真と共に、ダウン症の子どもを産み育てる苦悩や葛藤、喜びといったエピソードも掲載されています。 国立国会図書館「個人向けデジタル化資料送信サービス」開始  令和4年5月19日から、国立国会図書館の「個人向けデジタル化資料送信サービス」が始まりました。このサービスでは、デジタル化資料のうち、絶版等により入手が難しいものを、利用者自身のパソコン等を用いてインターネット経由で閲覧できます(令和4年1月時点では約153 万点)。令和5年1月には、印刷機能の提供も開始予定です。  利用できるのは、国立国会図書館の「個人の登録利用者」のうち、日本国内に居住している方(利用には個人送信の利用規約への同意が必要)です。また、県立図書館の登録者であれば、館内で「図書館向けデジタル化資料送信サービス」を利用することができます。なお、図書館送信参加館(市立図書館・大学図書館)でも県立図書館と同様にサービスを利用することができます。詳しくは、以下のホームページをご覧いただくか、最寄りの図書館へご相談ください。 国立国会図書館 https://www.ndl.go.jp/jp/library/news/1237186_1484.html 千葉県立図書館 https://www.library.pref.chiba.lg.jp/search/service_digi.html 西部図書館主催講座「サイエンス・カフェ」のご案内  秋の読書週間のイベントとして県立博物館と連携し、講師を招いて開催します。 日程:令和4年11月頃 テーマ:未定 申込方法・詳細については、別途チラシ、県立図書館ホームページ等でお知らせします。 編集後記  コロナ禍での図書館サービスも3年目。コロナを機に始めたオンライン対面朗読は、日常的なサービスとなりました。また、国立国会図書館の「個人向けデジタル化資料送信サービス」も、読書の光景を一変させる朗報です。今後も、図書館でできることは何か、探していきたいと思います。 奥付 West Library 千葉県立西部図書館だより 発行日:令和4年7月1日 編集:千葉県立西部図書館 〒270-2252 千葉県松戸市千駄堀657-7 ℡047-385-4133 〔West Libraryの掲載ページURL〕 http://www.library.pref.chiba.lg.jp/ ISSN:0918-7383 以上でWest Library 千葉県立西部図書館だより 通号79号 2022年7月発行 テキスト版を終わります。