West Library 千葉県立西部図書館だより 通号88号 2025年7月発行 テキスト版 【1ページ】 ●特集:本と共に旅する!図書館で探る万博の世界 ●西部図書館主催講座のご案内 令和7年度 読書サポーター体験講座 令和7年度 サイエンス・カフェ 〔図〕 〔説明〕 キャラクター化した図書館のイラスト。 〔図終わり〕 本と共に旅する! 図書館で探る万博の世界  現在、大阪・関西万博が開催されています(2025年4月13日~10月13日)。  今回は万博をテーマに、大阪・関西万博や過去の万博の中から、図書館員が選んだトピックについて、万博をより広く楽しむための情報と、おすすめ本を紹介します! Pick up! 伝統と革新、千葉の発酵 ~千葉県は大阪・関西万博に出展します! 千葉県では、2025年8月27日(水)から30日(土)まで、大阪・関西万博で「千葉県の発酵」をテーマとした展示を行います(大阪・関西万博に出展します!/千葉県) https://www.pref.chiba.lg.jp/seisaku/hakkou/chiba-bannpaku.html  しょうゆ・みりんの生産量が全国1位、名称に「発酵の里」とついた道の駅があるなど、発酵は千葉県の大きな特色・魅力のひとつです。千葉県内の博物館が作成した資料にはその特徴がわかりやすくまとまっています。 西部図書館のおすすめ本 『千葉の発酵食品』 千葉県博図公連携事業実行委員会2018(請求記号C588/13) 味噌やなれずし、かつおぶしなどを紹介しています。特に君津の味噌づくりを詳しく取り上げています。 『地域に生きる醤油づくり』 千葉県教育振興財団房総のむら/編集・発行 2024(請求記号 C588/64) 県内の9つのしょうゆメーカーを取り上げています。どのメーカーも独自性を打ち出し、看板やラベル、容器などにも特徴があるので、じっくり見比べてみてください。 『ちばの発酵 平成 29 年度企画展』 千葉県立現代産業科学館 2017(請求記号 C588/14) しょうゆ・みりんを中心に千葉の醸造業(お酒や調味料を作る仕事)を紹介しています。 発酵の技術は、日本の伝統的な食品だけではなく、パンやビールなどいろいろなものに使われています。また、しょうゆのような伝統的な食品も、「黒アヒージョ」(黒アヒージョ/千葉県) https://www.pref.chiba.lg.jp/ryuhan/kuroajillo/index.html のように他国の料理と結びつき、新たな味を生み出しています。「千葉県の発酵」をぜひ体験してみてください。 〔図〕 〔説明〕 発酵県ちばと書かれた発酵タンクに入ったチーバくんのイラスト。 〔図終わり〕 【2ページ】 会場シンボルの大屋根リング 設計者は藤本壮介氏。藤本氏は、建物のデザインだけでなく、周囲の環境や人々との関係を重視した独創的な建築を生み出しており、特に大阪・関西万博の会場デザインプロデュースを手掛けるなど、国内外で高い評価を受けています。 大屋根リング 高さ約 12m(外側約 20m)、内径約 615m の大屋根リングは、日本の伝統的な建築技術と現代の工法を組み合わせて建築されています。訪問者は屋上に登ることができ、約 30 分かけて一周する「スカイウォーク」を楽しむことができます。 〔図〕 〔説明〕 大屋根リングの構造図のイラスト。 〔図終わり〕 西部図書館のおすすめ本 『現代建築宣言文集 1960-2020』 五十嵐太郎/編 菊地尊也/編 彰国社 2022 (請求記号 5204/214) 現代建築の歴史と未来を探るアンソロジー。 『藤本壮介建築作品集』 藤本壮介/[作] ナオミ・ポロック/著 長田 綾佳/訳 エクスナレッジ 2018(請求記号 52087/131) 藤本壮介氏の建築作品をテーマ別に分類し、彼の歩んできた道と建築への愛を紐解く作品集。 〔写真〕 『現代建築宣言文集 1960-2020』(左)『藤本壮介建築作品集』(右)表紙 〔写真終わり〕 テーマウィーク「健康とウェルビーイング」 「テーマウィーク」とは? 「世界中の国々が地球的規模の課題の解決に向け、対話によって「いのち輝く未来社会」を世界と共に創造することを目的として行う取り組み」のことです。大阪・関西万博では8つのテーマを掲げ、パネルディスカッションやサミットを行います。 今回は 6/20~7/1 開催の「健康とウェルビーイング」に関する資料を紹介します。 参考:「EXPO 2025 Theme Weeks」 https://theme-weeks.expo2025.or.jp/ 西部図書館のおすすめ本 『共創ウェルビーイング――みんなでつむぐ幸せのエンパワメント科学』 安梅勅江/編著 日本評論社 2024(請求記号 369/174) 「共創ウェルビーイング」とは、「自分、他者、環境に思いを寄せる、大切にするケアと、互いの違いを楽しみつつ共によりよい未来を築くクリエーションに基づくウェルビーイング」のこと。大阪・関西万博でも「共創」という言葉がよく用いられています。「共創ウェルビーイング」の取組みについて、教育、地域活動、健康など、様々な観点から実例とともに解説します。 もっと知る!「ウェルビーイング」 県立図書館では、世の中で話題になっているニュース等について知り、考えるためのヒントを得られるような資料情報紙『図書館から世界(ニュース)が見える』を発行しています。 最新号のNo.066ではウェルビーイングを特集しています。ぜひご覧ください。 〔図〕 『図書館から世界(ニュース)が見える』掲載ページのQRコード https://www.library.pref.chiba.lg.jp/reference/toshoseka/index.html 〔図終わり〕 【3ページ】 過去の万博を振り返る:プリンス・トクガワの万博体験 日本が本格的に万国博覧会に参加したのは、1867 年のパリ万博でした。 15代将軍徳川慶喜の弟・徳川昭武が、将軍の代理としてパリ万博に派遣されています。 このとき、昭武は 13歳でした。随行員には渋沢栄一などがいました。 〔図〕 〔説明〕 徳川昭武の肖像画。 〔図終わり〕 西部図書館おすすめ本 『プリンス・トクガワ』 松戸市戸定歴史館/編集発行 2012(請求記号 C289/トア 1) パリに向かう途中のマルセイユで撮った昭武一行の記念写真や随行員の紹介、パリ万博の会場の絵図や昭武が滞欧中に着用していた袴なども見ることができます。 『徳川昭武幕末滞欧日記 宮地正人/監修 松戸市戸定歴史館 1997(請求記号 21059/3) 昭武自身による日記。船旅や万博に参列する諸国の王族・貴族との謁見や交流の様子が見てとれます。1867 年 4 月11日にパリに着いた昭武たちは約 5 ヶ月パリに滞在し、たびたび万博を見学しています。その後は、パリを起点に周辺の諸国を訪問しました。 『将軍のフォトグラフィー』松戸市戸定歴史館/編集発行 1992(請求記号 C7480/12) 昭武は 30歳ころ松戸市の戸定邸に移住しました。晩年は写真撮影を好み、あちこちへ写真撮影に出かけています。もしパリ万博のころ、昭武がカメラを持っていたら、また違った万博の姿を残したのかもしれません。 〔写真〕 『プリンス・トクガワ』表紙 〔写真終わり〕 過去の万博を振り返る :岡本太郎と太陽の塔 「芸術は爆発だ!」で知られる岡本太郎は、絵画・彫刻・建築から思想まで、多分野で活躍した 20 世紀日本を代表する芸術家です。 代表作《太陽の塔》(1970 年大阪万博)は、高さ 70 メートルの巨大な塔に「過去・現在・未来」の 3 つの顔を持たせ、人類の時間と生命を象徴。内部の「生命の樹」では、アメーバから人類への進化が立体的に表現され、「命とは何か」という問いが込められています。万博の「科学技術の祭典」に対し、太郎は「未来は技術の延長ではなく、人間の原点を問うべきだ」と主張。その思想を芸術で体現しました。 太陽の塔は、現在も万博記念公園(大阪府)に現存し、塔内は一般公開されています。 常識を壊し、生命を叫んだ太郎の芸術は、今も問いかけます。 「あなたは本当に、自分を生きているか?」 〔図〕 〔説明〕 芸術は爆発だと言っている岡本太郎のイラスト。 〔図終わり〕 西部図書館おすすめの本 『岡本太郎と太陽の塔』 平野暁臣/編著 小学館クリエイティブ 2008(請求記号 60691/3) 塔の着想を得た瞬間を岡本太郎自身が記したエッセイ、構想中の塔のスケッチ、塔内部の写真も満載。太陽の塔をまるごと楽しめる1冊。 『岡本太郎の芸術 美術史学から見た実像』 佐々木秀憲/著 東京美術 2025(請求記号 7231/213) 著者は川崎市岡本太郎美術館の元学芸員。従来の研究とは異なる視点で芸術家岡本太郎を捉えています。岡本太郎の著作索引、作品索引も収録されています。 〔写真〕 『岡本太郎と太陽の塔』表紙 〔写真終わり〕 【4ページ】 過去の万博を振り返る :月の石―人類の夢が手のひらに載った日  1970年の大阪万博で、多くの人々が長い列を作って見に行った展示物のひとつに、「月の石」がありました。これは、アメリカのアポロ12号が1969年に月面着陸を成し遂げた際、月の表面から採取して地球に持ち帰ったものです。  たった数センチの黒っぽい石。けれど、それは遠い宇宙からやってきた、地球とはまったく異なる時間と環境の記憶を宿す“かけら”でした。当時の日本では、宇宙開発はまさに「未来」そのもの。テレビの白黒画面で見たアームストロング船長の第一歩に、目を輝かせた子どもたちも少なくありません。「月の石」は「不可能を可能にする力」、「想像を現実に変える意志」の象徴でもあります。空を見上げ、「あそこに行けたら」と思った夢が、ついに現実になった――それは、人類全体にとっての希望のメッセージでもありました。  今回の大阪・関西万博でも米国パビリオンにアポロ17号が持ち帰った月の石が展示されています。また月の石は、東京・上野の国立科学博物館などで見ることができます。 〔図〕 〔説明〕 小惑星探査機はやぶさ2のイラスト。 〔図終わり〕 西部図書館おすすめの資料 『月をマーケティングする』デイヴィッド・ミーアマン・スコット/ほか著 日経 BP 社 2014(請求記号 5389/53) 「世界を旅した石」の項に 1970 年の大阪万博での展示の経緯の掲載あり。 『日本館にも月の石 米粒より小さいが』(新聞記事) 読売新聞 1970.5.16(土) 全国版 朝刊 14 頁 当時、月の石の見学者がアメリカ館に押し寄せたため、アメリカ政府が別の月の石を日本政府に贈り、日本館でも展示することを紹介した記事です。 西部図書館では読売、朝日、毎日、日経、産経等の新聞のデータベースがご利用いただけます。 西部図書館主催講座のご案内 令和7年度 読書サポーター体験講座 視覚障害者等、活字による読書が困難な方のために本を読んで録音したり、代読したりする等の読書支援(読書サポーター)の体験講座です。 日 程:令和7年7月30日(水)、7月31日(木) 対 象:高校生、大学生、若年層(概ね30歳まで)、学校関係者(年齢制限なし) 内容:「読書バリアフリーを知る」「読書バリアフリーを体験する」 申込方法・詳細については、別途チラシ、県立図書館ホームページをご覧ください。 令和7年度 サイエンス・カフェ カフェのような気軽な雰囲気で科学の話を楽しむサイエンス・カフェ。今年も秋の読書週間のイベントとして県立博物館と連携し、講師を招いて開催します。 日 程:令和7年11月上旬 テーマや申込方法・詳細については、別途チラシ、県立図書館ホームページ等でお知らせします。 編集後記 今回は万博に関する情報や資料をご紹介しました。万博をきっかけに知的好奇心をより広げて、未体験のことに挑戦してみてはいかがでしょうか。 当館主催の「読書サポーター体験講座」や「サイエンス・カフェ」は、新しい発見や、初めての経験ができる講座です。皆様のご参加をお待ちしています! 奥付 West Library 千葉県立西部図書館だより 第88号 発行日:令和7年7月1日 編 集:千葉県立西部図書館 〒270-2252 千葉県松戸市千駄堀657-7 ℡047-385-4133 〔West Libraryの掲載ページURL〕 http://www.library.pref.chiba.lg.jp/ ISSN:0918-7383 以上でWest Library 千葉県立西部図書館だより 通号88号 2025年7月発行 テキスト版を終わります。