タイトルコード |
1000100551893 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
動物の声、他者の声 |
書名ヨミ |
ドウブツ ノ コエ タシャ ノ コエ |
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日本戦後文学の倫理 |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
村上 克尚/著
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著者名ヨミ |
ムラカミ カツナオ |
出版地 |
東京 |
出版者 |
新曜社
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出版年月 |
2017.9 |
本体価格 |
¥3700 |
ISBN |
978-4-7885-1537-6 |
ISBN |
4-7885-1537-6 |
数量 |
392p |
大きさ |
20cm |
分類記号 |
910.264
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件名 |
動物(文学上)
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個人件名 |
武田 泰淳 |
内容紹介 |
人間性=主体性の回復をめざした日本戦後文学。武田泰淳、大江健三郎、小島信夫の作品における動物の表象に着目し、それを通じて表現された、人間性という戦後的な理念への根底的な疑義について分析する。 |
著者紹介 |
1978年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員(PD)。青山学院大学、共立女子大学非常勤講師。 |
目次タイトル |
序章 なぜ動物なのか? |
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1 本書の目的 2 近年の動物に関する哲学的考察 3 動物の表象に関する文学研究 4 戦後という時代 5 作家の選定 6 本書の構成 |
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第一部 武田泰淳 |
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第一章 「審判」 |
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1 『司馬遷』と『世界史の哲学』 2 複数の声のフォーラム 3 記録者の特権性と動物の主題 4 「罪の自覚」というレトリック 結論 |
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第二章 『風媒花』 |
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1 竹内好の国民文学論 2 外部への架橋 3 「混血」としての主体 4 全知の語りへの抵抗 結論 |
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第三章 「ひかりごけ」 |
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1 人間としての倨傲 2 人肉食をめぐって 3 「ひかりごけ」の構造 4 国家と法-外なもの 結論 |
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第二部 大江健三郎 |
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第四章 「奇妙な仕事」 |
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1 先行批評の整理 2 同時代状況から 3 犬殺しの強制収容所 4 アレゴリーから変身へ 結論 |
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第五章 「飼育」 |
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1 動物小説としての「飼育」 2 江藤淳の近代主義批評 3 三島由紀夫の反近代主義批評 4 「飼育」の新たな読みへ 結論 |
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第六章 「セヴンティーン」 |
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1 「セヴンティーン」の位置 2 自意識の語りとねじれ 3 人間・動物・獣 4 《人間》の問い直しへ 結論 |
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第三部 小島信夫 |
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第七章 「馬」 |
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1 初期小島作品の方法 2 戦後の家庭機械 3 馬と家庭の失調 4 「馬」の政治性 結論 |
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第八章 『墓碑銘』 |
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1 日本人になること 2 軍隊と動物 3 軍隊と家庭 4 軍事化を攪乱する 結論 |
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第九章 『抱擁家族』 |
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1 『成熟と喪失』の背景 2 クィア・ファミリーの誘惑 3 軍事化とその亀裂 4 歓待と動物的他者 結論 |
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第四部 動物との共生へ |
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第十章 『富士』 |
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1 動物と精神障害者 2 「治療」というイデオロギー 3 精神障害者のアイデンティティ闘争 4 治療から分有へ 結論 |
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第十一章 『万延元年のフットボール』 |
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1 主体の解体の先で出会うもの 2 鷹とネズミの構造的対立 3 傷つきやすさと赦し 4 沈黙の叫びを翻訳する 結論 |
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第十二章 『別れる理由』 |
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1 代償行為としての姦通 2 トロヤ戦争を解体する 3 「馬」の再演 結論 |
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終章 非対称的な倫理 |
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1 戦後文学と動物 2 動物への暴力を乗り越えるために 3 今後の展望 |