図書館から世界(ニュース)が見える No.030 読書バリアフリー法と基本的な計画 テキストデータ版 千葉県立西部図書館 2022年6月作成 世の中で話題になっているニュース等について知り、考えるためのヒントを得られるような資料情報をご紹介します。 最近の新聞記事から 「障害のある人にも読書環境を バリアフリー計画」( 「朝日新聞デジタル」 2021年11月10日) 【趣旨】 「読書バリアフリー法」(正式名称「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」)は、視覚障害だけでなく、肢体不自由、発達障害など、それぞれの障害に合った方法で読書のできる環境の整備を推進するための法律です。国が策定した「基本的な計画」(正式名称「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」)(令和2年7月)では、インターネットを利用したサービスの提供や、デジタル資料等の普及・活用支援に取り組むことが求められています。なお、学校及び学校図書館(室)も対象施設として含まれています。  地方公共団体には、国の「基本的な計画」を踏まえ、読書バリアフリー計画を定める努力義務があります。 本紙では、「読書バリアフリー法」や「基本的な計画」に関する情報、地方公共団体が読書バリアフリー計画を策定する上で参考となる公共図書館や学校図書館の障害者サービスのガイドライン、各種図書館の取組事例や読書支援機器等・資料に関する情報の順に紹介します。 〔資料情報を10件紹介する。各資料情報の記載順序は、最初にサイト名・記事名・書名等を、次にURL・出版情報等を、最後に資料情報の概要について記載する。〕 【「読書バリアフリー法」と「基本的な計画」に関する資料情報】 【資料情報1】 サイト名 「視覚障害者等の読書環境の整備(読書バリアフリー)について」 開設者 文部科学省 URL https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/1421441.htm概要 「読書バリアフリー法」の条文と「基本的な計画」(PDF版、テキストデータ版、点字データ版、各概要版)、啓発用リーフレット、自治体で計画を策定するに当たっての留意事項をまとめた通知も掲載されている。また、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議会の報告へのリンクがある。 【資料情報2】 サイト名 「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する「基本的な計画」の決定について」 開設者 文部科学省 URL https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00265.html概要 「基本的な計画」の全文・概要版(各PDF版・テキストデータ版)を掲載している。同省のホームページには、都道府県における計画策定事例や計画策定にあたっての留意事項に関する事務連絡、国が「基本的な計画」にあたって実施したパブリックコメントの結果も掲載している。 【資料情報3】 書名 『図書館利用に障害のある人々へのサービス』上巻・下巻 (補訂版) 編著者 日本図書館協会障害者サービス委員会編  出版社 日本図書館協会 出版年 2021年 所蔵館:請求記号 中央: 01517/25/1-21(上巻) 中央: 01517/25/2-21(下巻) 概要 上巻では、障害者サービスに取り組むに当たっての施設環境、読書支援機器等の設備、アクセシブルな資料と入手方法、職員や図書館協力者の養成、広報等を扱っている。下巻では、著作権法の改正や「読書バリアフリー法」などの障害者サービスに関連する法規や、制度について解説している(第11章)。また、障害者サービスを支えるネットワーク、公共図書館・大学・学校図書館の先進事例や点字図書館等の活動も紹介している。 【公共図書館・学校図書館の障害者サービスに関するガイドラインに関する資料情報】 【資料情報4】 資料名 「図書館における障害を理由とする差別の解消の推進に関するガイドライン」 編著者 日本図書館協会障害者サービス委員会 発行年 2016年 URL https://www.jla.or.jp/portals/0/html/lsh/sabekai_guideline.html概要 差別や合理的配慮の例、学校図書館等が取り組むべき方法についてまとめている。同委員会のホームページには、自館の現状把握と課題の洗い出しに役立つチェックリストやガイドラインQ&Aがある。 【資料情報5】 資料名 「学校図書館における特別なサービスと資料の提供に関する基本方針―図書館利用に困難のある児童生徒のために」(修正版) 編著者 (公社)日本図書館協会学校図書館部会 発行年 2022年 URL http://www.jla.or.jp/divisions/school/tabid/199/Default.aspx概要 読書や学習に支援を必要とする児童生徒に対して、学校全体での取組や学校図書館・司書が行う支援やサービスに関する指針、小・中学校、高校、特別支援学校の現状と課題の分析、図書館内の環境、アクセシブルな資料の収集と製作、ICT環境の整備について具体的にまとめている。(※リンクは、(公社)日本図書館協会学校図書館部会のページ) 【取組事例、読書支援機器や資料の情報に関する資料情報】 【資料情報6】 資料名 「2021年度 公立図書館における読書バリアフリーに関する実態調査報告書」 編著者 全国公共図書館協議会 発行年 2022年 URL https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/uploads/report2021.pdf概要 都道府県立・区市町村立図書館における障害者サービスの実施体制・利用状況、施設・設備の状況、アクセシブルな資料の蔵書・製作状況、障害者サービスを進展するための課題・問題点などに関する調査の報告書。 【資料情報7】 書名 『図書館のアクセシビリティ ―「合理的配慮」の提供へ向けて』(改訂) 編著者 野口武悟・植村八潮編著、成松一郎・松井進・中和正彦著 出版社 樹村房 出版年 2021年 所蔵館:請求記号 中央:01517/ 23/21 概要 図書館のアクセシビリティに関する館種別の現状の整理、法令等の解説、様々な障害に合わせて製作された資料、施設や機材のアクセシビリティ等を網羅的に扱う。国立国会図書館、公共図書館、大学図書館、学校図書館、視覚・聴覚障害者情報施設の先進的なサービス事例を掲載している。 【資料情報8】 サイト名 「学校図書館等における読書バリアフリーコンソーシアム」 開設者 東京大学先端科学技術研究センター近藤武夫研究室(事務局) URL https://accessreading.org/conso/概要 小学校や特別支援学校、公共図書館の取組事例を写真入りで紹介。「よくある質問」のページでは、著作権法第37条により学校図書館で可能な資料の複製・翻案・提供について、できないことも含めて解説している。 【資料情報9】 サイト名 「読書バリアフリーオンライン講座 「映像で知る!多様な読書方法」」 開設者 (公社)文字・活字文化推進機構 開設年 2021年 URL https://www.mojikatsuji.or.jp/news/2021/12/31/5370/ 概要 ICTを活用した読書サポートの事例について、映像を交えて紹介している。電子書籍やアプリ等の視覚障害者等の読書・学習の環境やツール、企業、大学、図書館、NPO等のサービス事例を紹介している。 【資料情報10】 サイト名 ニポラチャンネル 開設者 (社福)日本ライトハウス URL https://www.youtube.com/channel/UCaY3xaZAoB23pji_ApUB8Fg/featured 概要 (社福)日本ライトハウスのYouTubeチャンネル。デジタル録音図書(デイジー)の再生機の操作方法、携帯型端末やアプリの操作方法、その他補助具の使い方などの解説動画を公開している。 インターネットの最終確認日:2022年6月25日 図書館から世界(ニュース)が見える No.030 読書バリアフリー法と基本的な計画 テキストデータ版 終わり