タイトルコード |
1000100300542 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
福祉の経済哲学 |
書名ヨミ |
フクシ ノ ケイザイ テツガク |
|
個人・制度・公共性 |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
後藤 玲子/著
|
著者名ヨミ |
ゴトウ レイコ |
出版地 |
京都 |
出版者 |
ミネルヴァ書房
|
出版年月 |
2015.7 |
本体価格 |
¥4500 |
ISBN |
978-4-623-07145-6 |
ISBN |
4-623-07145-6 |
数量 |
14,392p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
331.1
|
件名 |
経済哲学
社会福祉
|
注記 |
文献:p355〜379 |
内容紹介 |
福祉学と経済学の視点を交差させながら、福祉の理論的基盤と経済学の新たな方法を探る。福祉の思想と制度、社会的選択手続きの分析を通して、経済学的思考の可能性と拡がりを展望する。 |
著者紹介 |
1958年新潟県生まれ。一橋大学経済研究所教授(経済哲学専攻)。著書に「正義の経済哲学」など。 |
目次タイトル |
序章 福祉と経済学,そして哲学 |
|
1 個人の選択と自己責任 2 福祉と戦争 3 推論と常識 4 世界への気遣いと経済学 5 本書の基礎概念 |
|
第Ⅰ部 福祉の比較理論分析 |
|
導論 規範理論の分析視座 |
|
第1章 リベラリズムとコミュニタリアニズム |
|
1 個人内分配と個人間分配の相違 2 リスクの前で対称的な個々人への「等しい尊重と配慮」 3 異なる境遇の個々人への「等しい尊重と配慮」 4 相互性の諸観念 5 ルールの制定・受容に関する相互性 6 個人の統一的な価値をとらえる評価の仕組み 7 社会保障制度の規範的分析における展望 |
|
第2章 正義とケア |
|
1 正義とケアという2つの観点 2 基本的枠組み 3 個人の公共的判断とは 4 正義とケアの観点の切り結び 5 ケアと依存性 6 正義と主体性 7 当事者・主体・共同性 |
|
第3章 リスクに抗する福祉とは |
|
1 リスクと社会階層構造 2 観点としてのリスク 3 リスクの個人化 4 アリストテレスの正義と衡平性 5 不当性を伴う経済的給付 6 カテゴリー別給付の意味 7 基礎的機会の保障 8 福祉国家のヴァリエーション 9 制度と規範意識 |
|
補論1 善と正義 |
|
第Ⅱ部 福祉制度の経済分析 |
|
導論 福祉制度の分析視座 |
|
第4章 「財産所有民主主義」システム |
|
1 公理的アプローチに基づく比較制度分析 2 基本モデル 3 福祉国家のヴァリエーション 4 福祉国家を支える諸規範理論と評価軸 5 政治的リベラリズムと潜在能力アプローチ 6 「財産所有民主主義」システムの構想 7 公正概念再考 8 損失補塡と基本財保障 |
|
第5章 市場の論理と福祉制度 |
|
1 経済体制と規範理論 2 所得政策と福祉政策 3 市場を補完する所得政策 4 アダム・スミス「見えざる手」の再解釈 5 匿名性・効率性・衡平性,そして市民的自由 6 市場の失敗と政府の失敗 7 不釣り合いを支える規範と労働インセンティブ 8 選好の内生的変化と市場 9 福祉の思想 |
|
第6章 公的扶助の財政と就労インセンティブ |
|
1 福祉制度と財政構造 2 現代日本の所得保障制度の概観 3 日本の生活保護制度 4 NITモデルとアメリカ・フランスの低所得者政策 5 ミニマム福祉保障再考 6 制度の構想 7 就労意欲を支える公共的相互性 8 価値の多元性とミニマム |
|
補論2 福祉と経済成長 |
|
第Ⅲ部 潜在能力アプローチと福祉の社会的選択 |
|
導論 セン経済学の誕生 |
|
第7章 自立の社会的基盤と公的扶助 |
|
1 独立と自尊 2 自立の社会的基盤再考 3 個人の選択したこと,しなかったことの意味 4 自立の実質的機会の保障について 5 自立支援政策の問題 6 個人と公的扶助 |
|
第8章 政治的リベラリズムを越える論理と制度 |
|
1 フェミニズムの視点と制度化の論理 2 制度化批判に伴いがちな4つの論理的盲点 3 支配と依存,そして自由 4 暴力的に介入されない自由と能力 5 暴力の介入の不在を保障する施策 6 J.S.ミルとM.ヌスバウムの議論から 7 「特権性」に関する等しい承認プロセス 8 個別・特殊間の整合性 |
|
第9章 社会的排除・基本的福祉の保障 |
|
1 集合間の布置と社会的排除 2 内外関係のもたらす不利性 3 潜在能力貧困と社会的排除 4 公共的経済支援政策の範囲と実行可能性 5 社会的選択手続きの枠組み 6 公共的経済支援政策の社会的選択手続きモデル 7 社会的選択手続きに課す規範的諸条件 8 社会的排除と責任 |
|
補論3 リベラリズムの数理的定式化 |
|
第Ⅳ部 福祉の政治経済学 |
|
導論 アロー,ロールズ,そしてセン |
|
第10章 多元的民主主義と公共性 |
|
1 ロールズとセンのパースペクティブ 2 ロールズ正義理論の要諦 3 ロールズ正義理論に対するセンの批判 4 <社会>か多元的集合体かというセンの批判 5 複数の集団にまたがる個人の自己統合化 6 公共的熟議と必要の発見 7 社会的参加と社会的排除あるいは包含 |
|
第11章 民主主義の沈黙 |
|
1 非決定性の論理と構造 2 集合的決定と手続き的正義 3 パレート条件の十分性の検討 4 パレート条件の必要性 5 多数決ルールの合理性 6 ポジション配慮的選択手続きの可能性 7 民主主義の限界と可能性 |
|
第12章 差異の平等 |
|
1 センによるロールズ正義「理論」批判 2 平等をめぐるロールズ-セン論争 3 厚生経済学と「公正としての正義」構想の内的整合性 4 非完備性とロールズ格差原理への潜在能力アプローチ 5 ロールズ正義理論の方法的枠組みの拡張可能性 6 社会ルールの客体としての個々人に関する非対称的扱い 7 社会ルールの主体としての個々人に関する非対称的扱い 8 「公正としての正義」の向こうへ |
|
補論4 現代正義論と支援の思想 |
|
終章 自由への規範としての制度 |
|
1 福祉サービスの平等と差異化 2 差異と平等規範 3 福祉と資本 |