タイトルコード |
1000100510896 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
弱い「内面」の陥穽 |
書名ヨミ |
ヨワイ ナイメン ノ カンセイ |
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芥川龍之介から見た日本近代文学 |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
篠崎 美生子/著
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著者名ヨミ |
シノザキ ミオコ |
出版地 |
東京 |
出版者 |
翰林書房
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出版年月 |
2017.5 |
本体価格 |
¥3800 |
ISBN |
978-4-87737-413-6 |
ISBN |
4-87737-413-6 |
数量 |
446p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
910.268
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個人件名 |
芥川 竜之介 |
内容紹介 |
登場人物の弱い内面を思いやり、それに共感しようとする読書は、内面を認めない対象を疎外する習慣を生み出した。芥川龍之介の小説及びその流通の状況を主なモデルに、日本近代文学が疎外の暴力に荷担してきたことを論証する。 |
著者紹介 |
1966年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。恵泉女学園大学人文学部日本語日本文化学科教授。 |
目次タイトル |
序章 「弱い内面の発見」と「鼻」-誰の心を忖度するのか- |
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第一部 「物語」と<疎外> |
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第一章 「物語」化がもたらす<疎外> |
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第一節 「物語」化とジェンダー-ミソジニーの再生産- 第二節 「南京の基督」-「無垢」を「悪女」に読みかえる- 第三節 「奉教人の死」-ろおれんぞを奪いあう語り- |
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第二章 「物語」化へのノイズ |
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第一節 「六の宮の姫君」-ずれていく「内面」の「物語」- 第二節 「蜃気楼」-小さな「物語」群の意味 |
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第三章 二項対立の「物語」 |
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第一節 「羅生門」-排除する/される「物語」- 第二節 「蜘蛛の糸」-非「勧善懲悪」をあおる語り- 第三節 「藪の中」-近代の「規範」の桎梏- |
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第二部 「物語」とメディア |
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第四章 借景するテクスト |
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第一節 「枯野抄」-「松尾芭蕉」の近代化- 第二節 「内藤丈草」の季節-「物語」の剝奪と付与- 第三節 「開化の殺人」-新富座の幽霊- |
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第五章 「芥川」をつくったメディア |
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第一節 「芸術」をめぐる戦略と自殺-tellingによる「私小説」- 第二節 『新潮』の戦略-ポスト自然主義アイドルの座- 第三節 『大阪毎日新聞』の戦略-夕刊一面に求められたもの- |
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第六章 「上海游記」をめぐる時間と空間 |
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第一節 『大阪毎日新聞』と「上海游記」-再生産される「支那」の表象- 第二節 「上海游記」にあり得た可能性-芝居・同文書院・李人傑- |
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第三部 <疎外>に抗して |
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第七章 研究の中の<疎外> |
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第一節 「芥川」研究の文法-悲劇の『天才』像が抑圧するもの- 第二節 「私小説」を語る言葉-叩く者と守る者との共犯関係- |
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第八章 行きどまりの装置 |
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第一節 「母」を殺す言葉のために-「杜子春」から笙野頼子「母の発達」へ- 第二節 <娘>の負い目の物語-<原爆文学>からアダルト・チルドレン小説へ- |
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終章 「物語」のさらなる破壊へ |