タイトルコード |
1000100943837 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
時間・円環・救済 |
書名ヨミ |
ジカン エンカン キュウサイ |
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ニーチェの道徳批判を導きの糸にした永遠回帰思想の解明 |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
大山 真樹/著
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著者名ヨミ |
オオヤマ マサキ |
出版地 |
京都 |
出版者 |
晃洋書房
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出版年月 |
2021.11 |
本体価格 |
¥6000 |
ISBN |
978-4-7710-3534-8 |
ISBN |
4-7710-3534-8 |
数量 |
8,296,16p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
134.94
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個人件名 |
Nietzsche Friedrich Wilhelm |
注記 |
文献:巻末p9〜16 |
内容紹介 |
「やましい良心」をどのように克服するか。道徳批判の範例をニーチェの中期思想のテクストから読み取り、ニーチェの中期思想における道徳批判を導きの糸にして、後期思想である「永遠回帰思想」を解明する。 |
著者紹介 |
1975年生まれ。中央大学大学院文学研究科博士後期課程修了。龍谷大学国際社会文化研究所客員研究員。 |
目次タイトル |
序章 やましい「良心」という問いから「永遠回帰」という答えへ |
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第一節 ニーチェの思想および著作の三つの時期区分 第二節 従来のニーチェ解釈から課された本書の課題 第三節 本書の構成と行論 |
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第一部 初歩的問題系 |
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第一部への序文 |
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第一節 第一部の課題と構想 第二節 第一部における初歩的問題の構成 |
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第一章 道徳とは何か |
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第一節 道徳とは習慣への服従である 第二節 道徳を歴史的感覚の目で以て見る 第三節 道徳の歴史は人間の自然本性における自然な快楽の形成である 第四節 道徳が人間を支配する心理的な制約 第五節 道徳が人間を支配する歴史的な制約 第六節 道徳と快楽とが対立するように見えるのはなぜか |
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第二章 人間の意志の形成は道徳の歴史である |
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第一節 『ツァラトゥストラ』における意志概念の歴史哲学的注解 第二節 力への意志が着想されるのは道徳の歴史の分析においてである |
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第三章 力への意志という原理はニーチェの批判対象である |
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第一節 力への意志という概念を解釈する上での文献学的困難 第二節 力への意志という概念を解釈する上での解釈内実上の困難 第三節 力への意志という概念を誤読せしめる受容史上の誘因 |
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第四章 道徳の歴史の許しが下りたとき道徳批判が可能となる |
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第一節 道徳の歴史の歴史哲学が方法論的に要求される 第二節 身体の到達点としての誠実さの萌し |
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第二部 方法論的問題系 |
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第二部への序文 |
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第一節 第二部の課題と構想 第二節 第二部における方法論的問題系の構成 |
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第一章 高貴な道徳と奴隷道徳との通約可能性が意味するもの |
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第一節 ニーチェは高貴な道徳という特定の道徳を称賛していたのか 第二節 類型的特性に則して力の優位を示す言葉 第三節 戦士カーストのよさと祭司カーストのよさ 第四節 高貴な道徳は価値の名を作り出すだけである 第五節 価値評価を階級的な支配の構造から解放する試みと挫折 第六節 高貴な道徳は道徳の内に潜む力への意志を言い表す 第七節 高貴な道徳は奴隷道徳に対して根源的な優位を持たない 第八節 ルサンチマンは徹底的に創造的である 第九節 高貴さという言葉はニーチェが賛同する価値評価を言い表してはいない |
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第二章 誠実さというパースペクティヴの歴史的構成 |
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第一節 真理認識に依拠した道徳批判は可能なのか 第二節 時間の内部でいかにして真理を認識するか 第三節 道徳の歴史における誠実さ 第四節 ニーチェにおける普遍史の構想 |
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第三章 「三段の変化」の章の歴史哲学的注解 |
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第一節 精神の三段の変化 第二節 精神におけるラクダの段階は歴史的感覚を意味する 第三節 精神おけるシシの段階は誠実さを意味する 第四節 シシの精神の言明 第五節 誠実さは残虐性の行使である 第六節 誠実な真理認識が開示するのは力への意志の本質である |
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第三部 根本的問題系 |
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第三部への序文 |
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第一節 第三部の課題と構想 第二節 第三部における根本的問題系の構成 |
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第一章 生きるということに対する価値評価の利害 |
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第一節 道徳のもたらすもっぱら有害な苦悩は良心の呵責である 第二節 生あるものの振る舞いの一切は賽の投擲のごとき偶然である 第三節 道徳批判の根本となっているニーチェの哲学的課題 |
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第二章 やましい良心の絶えざる可能態としての価値評価 |
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第一節 自然の認識によってやましい良心の感覚を消去する 第二節 ルサンチマンによってやましい良心の感覚を消去する 第三節 価値評価の創造は一貫して過去に関心を置いている 第四節 価値評価の創造によってやましい良心を克服することはできない |
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第三章 「救済」の章の非観想的注解 |
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第一節 自然の認識によってやましい良心を克服しようとする試み 第二節 意志は創造する者だという命題は純粋認識の批判を要求する 第三節 時間を超越した原理からの美の享受の説明に対する批判 第四節 関心なき認識による美の享受という理想に対する批判 第五節 あるべきようにあれと自らに命ずるのがあるようにある意志である |
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第四部 中心的問題系 |
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第四部への序文 |
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第一節 第四部の課題と構想 第二節 第四部における中心的問題系の構成 |
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第一章 やましい良心を克服するために意志はどのような役割を演ずるか |
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第一節 過去を新たに解釈し直すことはやましい良心の克服にならない 第二節 将来のために過去を活かすことはやましい良心の克服にならない 第三節 意志の偉大さはある特定の時刻のために残して置かれる |
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第二章 回帰する時間において生きることを肯定する時間は死の瞬間である |
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第一節 時宜を得た死 第二節 死という時刻を円環的時間概念のもとにおいて理解するとはどういうことか 第三節 甘美な死の誘惑 第四節 「もう一度」という肯定がなされるのは死の瞬間である 第五節 意志を死滅させた観想と永遠回帰思想との異同 |
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第三章 永遠回帰思想の意義からの永遠回帰思想の批判 |
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第一節 力への意志の最も深い根底をなすものは何か 第二節 ニーチェが自らに課した哲学的課題の哲学的有意義性は何か |
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結論 |