タイトルコード |
1000101051765 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
「伝統」が制度化されるとき |
書名ヨミ |
デントウ ガ セイドカ サレル トキ |
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日本占領期ジャワにおける隣組 |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
小林 和夫/著
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著者名ヨミ |
コバヤシ カズオ |
出版地 |
横浜 |
出版者 |
春風社
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出版年月 |
2023.2 |
本体価格 |
¥5000 |
ISBN |
978-4-86110-824-2 |
ISBN |
4-86110-824-2 |
数量 |
412,22p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
224.2
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件名 |
インドネシア-歴史
ジャワ島
隣組
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注記 |
文献:p391〜409 年表:巻末p7〜10 |
内容紹介 |
日本の隣組制度が、日本占領期ジャワでなぜ・どのようにして導入され、独立後いかに展開したのか。導入にあたって、ジャワ軍政当局は隣組の何を強調したのだろうか。ゴトン・ロヨンという「伝統」に着目し考察する。 |
目次タイトル |
序 |
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一 海を渡った隣組 二 「伝統」の権力性と了解性 三 「伝統」とコミュニティの親和性 四 インドネシアにおける「伝統」-ゴトン・ロヨン 五 仮説「伝統の制度化」 六 隣組制度の導入背景 七 本書の構成 |
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第一章 「伝統」との邂逅-旧慣制度調査委員会 |
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はじめに 一 旧慣制度調査委員会の設置 二 ゴトン・ロヨンという「伝統」の教示 三 ゴトン・ロヨンとの邂逅の意義 四 軍政当局のジャワの社会・民情に関する知識の補完 おわりに |
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第二章 「伝統」の端緒-ロンダ(夜警)制度の警防団への編入 |
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はじめに 一 ゴトン・ロヨンの実践の「場」としてのデサ 二 農村実態調査にみるゴトン・ロヨンの制度化へのまなざし 三 ゴトン・ロヨンとしてのロンダ制度 四 警防団の結成とロンダ制度の編入 五 隣組制度導入に対する警防団設立の意義 おわりに |
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第三章 「伝統」の萌芽-隣組制度の段階的導入 |
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はじめに 一 日本占領期前におけるバンドゥン県の隣保制度 二 バンドゥン市の隣組 三 その他の都市・地域の隣組 おわりに |
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第四章 「伝統」の展開-隣組制度のジャワ全土への導入 |
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はじめに 一 第一回中央参議院の答申 二 第一回渡日視察団と隣組「体験」-ジャーナリスト パラダ・ハラハップが見た日本の隣組 三 「ゴトン・ロヨン」言説の前景化-詩人サヌシ・パネが志向したインドネシア文化のオーセンティシティ 四 「隣保組織整備要綱」と「ゴトン・ロヨンの制度化」の意図 五 日本とジャワにみる隣組制度導入の文脈 おわりに |
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第五章 「伝統」の弁証法-隣組の機能「権力の機制」と「住民の互酬」 |
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はじめに 一 隣組制度の目的と組織構成 二 隣組の機能-「権力の機制」 三 隣組の機能-「住民の互酬」 おわりに |
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第六章 「伝統」の鼓吹-隣組制度の推進政策 |
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はじめに 一 隣組長・字長・指導員に対する研修・講習 二 隣組常会・字常会の議題提示 三 模範隣組の例示 四 日本人の隣組参加の奨励 五 インドネシア人によるゴトン・ロヨンの鼓吹と内面化 六 隣組制度の浸透 おわりに |
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第七章 「伝統」の視聴-隣組制度の宣伝政策 |
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はじめに 一 ジャワにおける「視聴覚メディアの産業化と社会化」 二 ジャワ島上陸と宜伝班 三 「うたを歌う木」の出現-娯楽と「音の風景」の誕生 四 ジャワ・バリー宣伝部隊の結成と巡回映画 五 紙芝居「調和は平穏をもたらす」 六 コメディー劇「特別組長」(Kumityoo Istimewa) 七 映画「隣組」 おわりに |
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第八章 「伝統」の貫徹-隣組とジャワ奉公会 |
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はじめに 一 ジャワ奉公会の設立背景 二 ジャワ奉公会の設立経緯 三 ジャワ奉公会の設立 四 ジャワ奉公会と隣組の構想・活動の連動性 おわりに |
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第九章 「伝統」の再発見-スカルノによる「伝統」の概念化・鼓吹とジャワ軍政 |
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はじめに 一 スカルノのゴトン・ロヨン概念化の端緒 二 組織化されたマルハエンとの邂逅-隣組へのまなざし 三 スカルノのデサへの視線と「民衆総力結集運動」の意図せざる結果 四 ジャワ軍政による「伝統」の教示と「伝統」への回帰の唱道 五 ゴトン・ロヨンの鼓吹-「指導される民主主義」と「伝統」の変容 六 スディロ・ジャカルタ市長による「ゴトン・ロヨンの制度化」とRT/RKの設置 おわりに |
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終章 「伝統の制度化」の今日的文脈 |
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一 本書のまとめ 二 スハルト新秩序体制における「伝統の制度化」 三 「伝統」を実践する「場」-クロポトキン『相互扶助論』との接合 |