タイトルコード |
1000101119434 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
出雲国風土記の神話と思想 |
書名ヨミ |
イズモノクニ フドキ ノ シンワ ト シソウ |
叢書名 |
明治大学人文科学研究所叢書
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言語区分 |
日本語 |
著者名 |
伊藤 剣/著
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著者名ヨミ |
イトウ ケン |
出版地 |
東京 |
出版者 |
新典社
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出版年月 |
2023.10 |
本体価格 |
¥11800 |
ISBN |
978-4-7879-5519-7 |
ISBN |
4-7879-5519-7 |
数量 |
366p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
291.73
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件名 |
出雲国風土記
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注記 |
文献:p331〜355 |
内容紹介 |
出雲臣広嶋は国造であると同時に郡司でもあった。朝廷を視野に入れながら出雲国風土記の編纂に従事した広嶋の矜持とは。地誌に貫かれた思想を、行政・成立・世界観・文学性の観点から立体的に考究する。 |
著者紹介 |
埼玉県浦和市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。明治大学准教授。専攻は日本上代文学。著書に「日本上代の神話伝承」がある。 |
目次タイトル |
序章 現伝『出雲国風土記』をめぐる筆者の問題意識 |
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はじめに 一 『出雲国風土記』の勘造者 二 出雲臣広嶋の風土記編纂態度 おわりに |
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第一部 律令官人と風土記 |
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第一章 実務性と表現効果 |
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はじめに 一 美意識と実務性 二 『出雲国風土記』の河川記事 三 『出雲国風土記』における産物の類別意識 四 産物記事と地理描写 おわりに |
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第二章 律令官人出雲臣広嶋の風土記編纂意識 |
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はじめに 一 実務性と文章の執筆 二 恵曇浜条の内容 三 律令官人的な関心事に基づく視点 四 恵曇浜条傍線部Aの意味及び『出雲国風土記』の地味記事 五 『出雲国風土記』の漢文記事執筆の意識 おわりに |
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第三章 地誌における政治的主張 |
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はじめに 一 産物記事がつなぐ過去と現在 二 『肥前国風土記』における土蜘蛛の服属記事 三 値嘉郷の土蜘蛛と白水郎 四 値嘉郷の白水郎の特徴 五 値嘉嶋の歴史的地理環境 おわりに |
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第二部 現伝『出雲国風土記』の成立とその構成 |
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第一章 『日本書紀』神代巻の受容状況 |
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はじめに 一 奈良時代の『日本書紀』の流布状況概観 二 奈良時代の『日本書紀』の直接引用例 三 『古語拾遺』の『日本書紀』神代巻との向き合い方 四 『古語拾遺』独自の説の作られ方 おわりに |
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第二章 現伝『出雲国風土記』の『日本書紀』受容態度 |
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はじめに 一 意宇郡母理郷と神代紀第九段一書第二との関係 二 『日本書紀』神代巻第九段一書第二の「神事」「幽事」 三 楯縫郡神名樋山条・仁多郡三津郷条が描く出雲国像 四 意宇郡邑売埼条が描く<神国>出雲像 五 上巻巻頭付近の説話記事の在り様 六 『出雲国風土記』の神代巻利用に見る『日本書紀』受容史上の位置 おわりに |
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第三章 出雲臣広嶋が期した風土記の構成 |
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はじめに 一 地名起源譚としての楯縫郡総記の問題点 二 各郡総記の状況から見た楯縫郡総記の問題点 三 『出雲国風土記』における中央神話の受容態度 四 楯縫郡総記の神魂命の指令の意味 五 『出雲国風土記』における楯縫郡冒頭の特徴 六 楯縫郡を基点にする痕跡 おわりに |
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第四章 現伝『出雲国風土記』の成立をめぐって |
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はじめに 一 現伝『出雲国風土記』の成立をめぐる研究史 二 和銅期の資料 三 健部郷条の意義 四 地名起源譚の改変 五 出雲国造にとっての現伝本編纂意義 おわりに |
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第三部 『出雲国風土記』の世界観 |
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第一章 大穴持命を中心とした神話世界 |
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はじめに 一 『肥前国風土記』と『豊後国風土記』 二 『出雲国風土記』の天皇代と神代 三 『出雲国風土記』における大穴持命の位置 四 『出雲国風土記』における国造に関連する神 五 大穴持命への特化と『日本書紀』神代巻 おわりに |
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第二章 『出雲国風土記』の出雲と越 |
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はじめに 一 嶋根郡美保郷における出雲と越(一) 二 嶋根郡美保郷における出雲と越(二) 三 神門郡における出雲と越 四 意宇郡における出雲と越 五 『出雲国風土記』の「天下」 六 出雲と越とによる「天下」観 おわりに |
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第三章 『出雲国風土記』における山川の位置付け |
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はじめに 一 河川の境界 二 河川と荒ぶる神 三 『出雲国風土記』河川列挙条 四 『出雲国風土記』における河川を舞台とする話 五 『出雲国風土記』における山を舞台とする話 おわりに |
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第四章 ヤマタノヲロチ退治譚への態度 |
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はじめに 一 研究史の確認 二 ヲロチ退治譚への筆者の臨み方 三 『出雲国風土記』の神話世界(一) 四 『出雲国風土記』の神話世界(二) おわりに |
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第四部 『出雲国風土記』の文学性 |
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第一章 口誦と表記 |
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はじめに 一 風土記の文体と口誦性 二 <国引き神話>の口誦性 三 口誦の復元と和語 四 <国引き神話>の書記化 五 古老伝の口誦性 六 古老伝の書記化 七 郡での書記の実態 おわりに |
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第二章 郷次と『出雲国風土記』の編述 |
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はじめに 一 風土記の郡次 二 郡次と風土記の編纂 三 『播磨国風土記』『常陸国風土記』の郷次 四 郷次と奈良時代の地図・文書 五 『出雲国風土記』意宇郡の郷次 六 『出雲国風土記』編纂にあたっての郷次の規制力 おわりに |
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第三章 編纂物としての『出雲国風土記』 |
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はじめに 一 『出雲国風土記』と漢籍 二 口誦文学をめぐって 三 口誦と表記 四 意宇郡冒頭の神話群と文学性 五 安来郷と山国郷 おわりに |
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終章 出雲臣広嶋の思想書としての現伝『出雲国風土記』 |
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はじめに 一 現伝『出雲国風土記』の提出先 二 現伝本の保管先 おわりに |