タイトルコード |
1000100304710 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
21世紀の『資本論』 |
書名ヨミ |
ニジュウイッセイキ ノ シホンロン |
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マルクスは甦る |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
岩崎 信彦/著
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著者名ヨミ |
イワサキ ノブヒコ |
出版地 |
東京 |
出版者 |
御茶の水書房
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出版年月 |
2015.7 |
本体価格 |
¥3700 |
ISBN |
978-4-275-02018-5 |
ISBN |
4-275-02018-5 |
数量 |
13,337,3p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
331.6
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件名 |
資本論
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個人件名 |
Marx Karl Heinrich |
内容紹介 |
21世紀の未来社会を「低エントロピー生産力」「ネーション」にねざす「個人的所有」として見通し、見失われてきた「資本論」の<真髄>を解き明かす。 |
著者紹介 |
1944年福岡県生まれ。京都大学文学研究科社会学専攻博士課程修了。神戸大学名誉教授。共編著に「町内会の研究」、共著に「「貨幣の哲学」という作品」など。 |
目次タイトル |
準備考察1 資本のリターンは格差を増大させる |
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準備考察2 『資本論』にはいくつか問題点がある |
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第1部 貨幣はいかにして資本に転化するか |
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Ⅰ 「交換価値」論として読む「価値形態」論 |
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1 「商品」とは何か-使用価値、交換価値、価値をどのように規定するか 2 「価値形態論は難解だ」(マルクス) 3 「価値形態」論のわかりやすい説明-「人間語」を使って 4 「価値形態」論におけるマルクスの論理-「排除」の論理 5 「貨幣としての貨幣」(形態ⅤならびにⅥ)へのさらなる前進-「形態的便用価値」という論理 6 「価値=抽象的人間労働」をどのように位置づけるか |
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Ⅱ 「欲望」と「相互的略奪の関係」としての価値形態論 |
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1 「欲望」が価値を生む 2 「相互的略奪の関係」が貨幣を生む |
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Ⅲ 「一般的定式」が「矛盾する」という不可解 |
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1 意味深長に始まる「資本の一般的定式」 2 「資本の一般的定式」が「矛盾」してよいのか |
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Ⅳ 「支払手段」としての貨幣の力 |
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1 「流通手段」としての貨幣の「瞬過的」性格-鋳造貨幣と国家紙幣 2 「貨幣の資本への転化」の本質的なモメント(1)-貨幣の「蓄蔵」と「買いのない売り」 3 「貨幣の資本への転化」の本質的なモメント(2)-「支払手段」がもつ債務決済力 4 「利子生み資本」に体現される資本の本性 5 「支払手段」の社会的展開としての銀行券-信用貨幣の創造 6 「そも資本なるものdas Capital」と「対向価値Gegenwerth」 |
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Ⅴ 商人と商業の世界 |
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1 商人資本の歴史論-「詐取」と「略奪」 2 「商業資本は剰余価値を生まない」という不思議 3 <経営才覚>と<商業生産>による<商業価値>の創造 |
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中間考察1 貨幣の「暴力性」と「生の債務」 |
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中間考察2 利子が許される五つの条件 |
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第2部 産業資本と賃労働の世界 |
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Ⅵ 「労働力」という商品の独特な性格 |
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1 産業資本の定式G-W-P-W′-G′-「対向価値」としての<工業価値> 2 「労働力商品」という独特な商品 3 「抽象的に人間的である」ということの深い歴史意識-abstraktの副詞的用法の意味 |
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Ⅶ 労働者はどのように搾取されるか |
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1 労働過程と価値増殖過程という二重性の理解 2 「支払労働時間」と「不払労働時間」は区分できるのか 3 <労苦労働>から<痛苦労働>へ-刻一刻と搾取される労働者 |
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Ⅷ 原燃料、機械が価値を生まないという不可解 |
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1 不変資本と可変資本という区分は正しいか 2 「死んだ価値」はどのようにして価値移転するのか 3 自然原燃料は価値を生む-価値の内容は「エントロピーの増大」 4 機械も価値を生む(1)-「特別剰余価値」を考える 5 機械も価値を生む(2)-技術とエントロピー 6 機械も価値を生む(3)-価値を生むのは機械全体なのか償却分なのか 7 「相対的剰余価値」によって資本は生き延びられるか |
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Ⅸ 資本の拡大再生産と恐慌 |
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1 資本の単純再生産の表式が意味するもの 2 資本の拡大再生産の表式が意味するもの-機械の「全体」を考慮しなければならない 3 景気循環と恐慌 |
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中間考察3 『資本論』の「難問」は氷解する |
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1 「利潤率の傾向的低下の法則そのもの」は生じない 2 「転化(転形)論争」はそもそも問題設定が誤り 3 地代はどこからくるのか-<そも土地所有なるもの>の形態の力 |
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第3部 金融資本、階級ならびに国家 |
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Ⅹ 金融資本が資本主義を制圧する |
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1 余剰な貨幣資本という「死重」が動きだす-「有価証券」という商品 2 「思惑取引の破裂」と「信用制度の歪曲」-<投機資本主義(マネーゲーム)>が蔓延する 3 「信用制度」がもたらす不信の世界-青年マルクスの直観的批判 |
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ⅩⅠ 「階級」をどのようにとらえるか |
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1 マルクスによる「階級」の規定 2 資本の「人格化」としての資本家 3 <痛苦>労働から<苦悩>労働へ-賃労働者が「資本の仮面」をつける 4 下級労働者の賃金が削られて管理職労働者に上積みされる-賃金の「経営学的」な格差づけ 5 「企業者利得」は経営者の「賃金」なのか-「所有と経営の分離」のなかで起きること 6 ピケティの「スーパー経営者supermanagers」論-「不労所得生活者社会」から「経営者社会」へ、は正しいか? 7 階級の二極分解と階級闘争 |
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ⅩⅡ 国家と資本は有機的に結合している |
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1 国家についての研究プランと「土台-上部構造」論 2 国家の起源と「自然発生的」分業システムの統括 3 国家と資本主義の初発からの結合 4 <経済的国家>と「政治的国家」 5 不断に再生産される植民地-<経済的国家>はそもそもからして拡張的である |
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中間考察4 ピケティは資本主義を救えるか |
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中間考察5 ネーションNationと国家Staat |
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第4部 未来社会への道 |
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ⅩⅢ 資本主義的生産力の行き詰まり |
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1 「生産力と生産関係の照応」としての資本主義 2 「生産力と生産関係の矛盾」による資本主義の危機 3 「自然力」を本質とするマルクスの「生産力」概念 4 ポスト資本主義は「低エントロピー生産」を求めている |
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ⅩⅣ 社会主義ならびにコミュニズムの道 |
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1 <マイナス富>の世界である資本主義-資本は「狂った形態」にほかならない 2 「必然の領域」から「自由の領域」へ 3 社会主義とコミュニズム-その原理的理解 4 「個人的所有」の再建-その歴史貫通的な性格 5 「社会的所有」の実現とは-一つの重層的所有形態 6 革命はどのように構想されるか-国家の利用と止揚 7 人類史の発展過程-<五段階>歴史論 |
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最終考察 新しい未来社会を構想する |
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1 「資本の反革命」対「里山資本主義」 2 使用価値の復権と「自由の領域」 3 科学技術と地球生態系の保全 4 地球と人類の未来をきりひらく運動 |