タイトルコード |
1000101056996 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
源氏物語夢見論 |
書名ヨミ |
ゲンジ モノガリ ユメミロン |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
笹生 美貴子/[著]
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著者名ヨミ |
サソウ ミキコ |
出版地 |
東京 |
出版者 |
文学通信
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出版年月 |
2023.3 |
本体価格 |
¥7000 |
ISBN |
978-4-909658-99-9 |
ISBN |
4-909658-99-9 |
数量 |
503p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
913.36
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件名 |
源氏物語
夢
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個人件名 |
紫式部 |
内容紹介 |
人は何故、夢を見るのか。「源氏物語」の登場人物の中で夢を見る者、夢を見られない者の性別や立場、夢に現れる者・動物・情景などに着目して分析。夢の不思議を多様な視点から解き明かし、魅力的な論を展開する。 |
著者紹介 |
千葉県生まれ。大東文化大学東洋研究所兼任研究員、共立女子大学・恵泉女学園大学・大東文化大学・日本大学非常勤講師。 |
目次タイトル |
序章-『源氏物語』の夢から何がわかるのか- |
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本論に入る前に |
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第Ⅰ部 明石一族における夢の役割(1)-子出生の夢・夢実現の共同体意識の織りなす力学- |
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第一章 『源氏物語』を中心とした仮名文学における夢主の設定-子出生に関する夢を見る者達- |
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はじめに 一 父・母・第三者が見る子出生に関する夢の特徴 二 『源氏物語』での源氏と明石入道の見た夢-包括される夢- 三 源氏と柏木の見た夢-密通による因果応報譚と猫の夢- 四 父が子出生に関する夢を見る意義 五 『源氏物語』での女性が見る夢の特徴 おわりに |
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第二章 「明石」巻における夢-その構造を考える- |
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はじめに 一 朱雀帝の夢について 二 兄弟姉妹間での勝敗の物語について-夢・遊戯を中心に- 三 「明石」巻の夢における『うつほ物語』投影の可能性 四 語られない夢物語という方法-生成される夢の重み- おわりに |
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第三章 源氏物語「明石一族」の意志-『古今和歌集』一〇〇三番歌引用を起点として- |
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はじめに 一 明石入道の夢語りについて 二 十八年が二度記される意味 三 「老の波の皺のぶばかりに」に見る『古今和歌集』引用と変奏 四 予言に見られる「御子三人」と明石姫君-明石一族の運命を切り拓く明石尼君- おわりに |
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第四章 明石一族を取り巻く夢-“夢実現の共同体”の視座から- |
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はじめに 一 平安貴族社会における夢の共有意識 二 明石一族を取り巻く複数の夢 三 源氏と朱雀帝の夢-共通する故桐壺院出現の意味- おわりに |
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第五章 平安後期物語の夢に込められた『源氏物語』批評の意識 |
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はじめに 一 『源氏物語』明石一族を取り巻く夢の場合-同種の夢を描く意味- 二 『狭衣物語』の場合-夢の非共有そして軌道修正を描く意味- 三 『浜松中納言物語』の場合-二度描かれる秦の親王の夢の意味- おわりに |
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第Ⅱ部 明石一族における夢の役割(2)-明石一族の夢を別角度から捉える- |
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第一章 書かれざる秘史-明石入道と<琴>と<夢>- |
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はじめに 一 琴と王権-古代中国と古代日本における琴- 二 『源氏物語』の琴-『うつほ物語』との関連性について- 三 明石物語に見られる<琴>と<夢> おわりに |
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第二章 『源氏物語』と<琴>-明石入道の場合- |
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はじめに 一 琴の特性-和漢比較の視点から- 二 明石一族の栄達と楽器の関係-琵琶・琴- 三 明石入道との別れ-「琴」と「琵琶」が両方描かれる意味について- おわりに |
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第三章 平安期物語文学における<琴>と<夢> |
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はじめに 一 『琴操』と平安期物語の関係-『源氏物語』を中心に- 二 『源氏物語』須磨退居の場面と『琴操』「周金縢」 三 『うつほ物語』俊蔭一族と『源氏物語』明石一族-<琴>と<夢>の奇瑞の連携- 四 平安後期物語文学での琴と夢-奇瑞の希薄化- おわりに |
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補論 蛍兵部卿宮と明石入道覚書-六条院世界を支える者たち- |
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はじめに 一 『源氏物語』における兵部卿宮 二 移りゆく役割 三 源氏の栄華を支える者達-蛍宮と明石入道- おわりに |
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第Ⅲ部 周辺人物に関わる夢-物語を紡ぎ出す仕組み- |
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第一章 『源氏物語』に見られる<呉竹>-夕顔・玉鬘母子物語の伏線機能- |
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はじめに 一 <呉竹>について 二 玉鬘母子を表象する<呉竹>の描写 三 <竹>の負性そして<夢>の介入-『大和物語』(一四七段「生田川」)・『蜻蛉日記』を媒介に- おわりに |
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第二章 鬚黒北の方と紫上-葛藤する<前妻>たち- |
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はじめに 一 繰り返される<前妻・後妻>の問題-鬚黒北の方の母を起点として- 二 「真木柱」・「若菜上」巻における類似構造 三 玉鬘と女三の宮を取り巻く五人の求婚者について-『竹取物語』前妻大伴御行の大納言北の方と鬚黒北の方・紫上との連関- 四 鬚黒北の方と紫上の嫉妬-『大和物語』「沖つ白波」の世界が形成するもの- 五 鬚黒北の方の<灰>と紫上の<夢>について-物の怪化と葛藤する前妻たち- 六 「御法」巻の問題-救済されゆく紫上の視点から- おわりに |
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第三章 隠蔽されゆく柏木の個的情念-二つの<夢>を手がかりとして- |
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はじめに 一 死を志向する柏木-家意識/個的情念という二面性 二 柏木物語に見られる夢の解釈 三 隠蔽されゆく柏木の「個的情念」-残された者達の思惑- おわりに |
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第四章 <夢>が見られない大君-宇治十帖の父・娘を導くもの- |
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はじめに 一 「竹河」巻での桜描写 二 八の宮の遺言-解釈の差異を生み出すもの- 三 亡八の宮の現れる夢について おわりに |
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第五章 「浮舟物語」における母-菟原処女伝説より生成される母の救済- |
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はじめに 一 高橋連虫麻呂歌菟原処女伝説 二 浮舟物語における父・母・娘 三 処女塚伝説と「浮舟物語」-母を問う- おわりに |
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補論 『源氏物語』における副詞「ゆめ(夢)」の一解釈-忍ぶ恋の世界観を形成するもの- |
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はじめに 一 『源氏物語』本文に見られる「ゆめ(夢)」表記について-平仮名・漢字別記の意味- 二 副詞「ゆめ」関係の文法整理 三 和歌における副詞「ゆめ」と名詞「夢」-言葉の連関により生成される世界観- 四 副詞「ゆめ」の一解釈-忍ぶ恋の世界観を形成するもの- 五 秘密漏洩の空間としての「ゆめ」 おわりに |
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第Ⅳ部 翻訳文学がもたらす新たな「夢」解釈-中国語訳を例として- |
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第一章 『源氏物語』の翻訳により拓かれる世界-中国語訳『源氏物語』「夢」の描写方法を中心に- |
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はじめに-翻訳作品により見出せる新たな読みの可能性- 一 中国語訳『源氏物語』の現状 二 豊子愷訳『源氏物語』について-参考とした各訳本・注釈等の整理- 三 豊子愷訳『源氏物語』の世界と原典『源氏物語』との比較 おわりに |
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第二章 豊子愷訳『源氏物語』における明石像-翻訳書の可能性を探る- |
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はじめに 一 豊子愷訳『源氏物語』について-参考テキストを中心に- 二 明石一族を取り巻く夢 おわりに |
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終章-物語の夢からわかること- |