タイトルコード |
1000100044856 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
武谷三男の生物学思想 |
書名ヨミ |
タケタニ ミツオ ノ セイブツガク シソウ |
|
「獲得形質の遺伝」と「自然とヒトに対する驕り」 |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
伊藤 康彦/著
|
著者名ヨミ |
イトウ ヤスヒコ |
出版地 |
名古屋 |
出版者 |
風媒社
|
出版年月 |
2013.3 |
本体価格 |
¥3000 |
ISBN |
978-4-8331-4103-1 |
ISBN |
4-8331-4103-1 |
数量 |
429p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
467.1
|
件名 |
遺伝学
科学と政治
|
個人件名 |
武谷 三男 |
内容紹介 |
科学至上主義と生物の人工改造への希求-。今では顧みられることのない「ルィセンコ学説」を支持し続けた科学者・武谷三男。彼の生物学思想とその背景、武谷科学方法論の意義、戦後科学思想における武谷の位置づけを検討する。 |
目次タイトル |
序章 何故、武谷三男氏の生物学思想を取り上げるのか |
|
第一節 武谷三男氏と生物学の関わり 第二節 何故、武谷の生物学思想を取り上げるのか 第三節 獲得形質の遺伝とは何か |
|
第二章 『哲学は如何にして有効さを取戻し得るか』 |
|
第一節 武谷三男、思想家として登場 第二節 武谷三男のルィセンコ支持 |
|
第三章 日本における第二次世界大戦以前のルィセンコ学説の受容 |
|
第一節 戦前における八杉龍一のルィセンコ学説の紹介 第二節 最初の論文「現代露西亜の生物学とダーウィン主義」 第三節 「ソ聯の自然科学会展望」 第四節 ルィセンコを直接主題とした論文 第五節 最後の論文 |
|
第四章 戦前の唯物論研究会の生物学思想、特に獲得形質の遺伝 |
|
第一節 唯物論研究会の創立 第二節 創刊号に早くも遺伝子と進化論に関する話題が登場 第三節 石井友幸の登場 第四節 唯物論研究会のメンデル批判 第五節 唯物論研究会における「獲得形質の遺伝」論議 第六節 生物学研究における機械論批判 第七節 唯物論研究会における生物学議論 第八節 ソヴェト遺伝学論争の日本への紹介 第九節 万国遺伝学会議の中止 第一〇節 ヴァヴィロフの逮捕の誤報 |
|
第五章 武谷三男-山田坂仁論争 |
|
第一節 再び武谷三男のルィセンコ支持 第二節 山田坂仁の武谷批判 第三節 武谷の山田批判 第四節 山田の武谷再批判 第五節 事態の急変 第六節 日本共産党機関誌『前衛』に「ルイセンコ学説の勝利」という論文が登場 第七節 「ルイセンコ学説の勝利」の詳細 第八節 『前衛』論文の注目点とその批判 第九節 もう一つの『前衛』論文 第一〇節 武谷の追撃 第一一節 論争の終焉 第一二節 武谷-山田論争の残したもの 第一三節 その後の山田の活動 |
|
第六章 遺伝学研究小史 |
|
第一節 遺伝学前史 第二節 遺伝子学説の確立 第三節 遺伝子の実体の解明 第四節 遺伝子がDNAであることの同定 第五節 春化処理の農業への応用 |
|
第七章 武谷三男-駒井卓論争 |
|
第一節 論争の再発見 武谷三男-中村禎里論争 第二節 駒井論文「現代進化学の概観」 第三節 武谷の駒井論文批判 第四節 駒井卓の武谷批判 第五節 論争の残したもの |
|
第八章 一九六〇年代以降の武谷の生物学思想 |
|
第一節 『自然科学概論』にみる武谷の生物学思想 第二節 森下によるルィセンコ批判 第三節 その後の武谷の生物思想展開 第四節 星野の生物学理解 |
|
第九章 ジャック・モノーと武谷三男 |
|
第一節 ジャック・モノー 第二節 『現代生物学と弁証法』-モノー『偶然と必然』をめぐって- 第三節 進化の分子機構 第四節 獲得形質の遺伝 第五節 面白い記述 第六節 続面白い記述:武谷と木村資生の中立説 |
|
第一〇章 八杉龍一のルィセンコ評価の変遷(1) |
|
第一節 戦後直後の八杉によるルィセンコ紹介 第二節 その他の一九四七年八杉論文 第三節 八杉の高飛車な態度 第四節 八杉のルィセンコ支持の絶頂期 第五節 雑誌『自然』に掲載した三つの論考 |
|
第一一章 八杉龍一のルィセンコ評価の遍歴(2) |
|
第一節 八杉による進化論の通史『近代進化思想史』(初版、一九五〇年) 第二節 八杉のルィセンコ支持の動揺期 第三節 一九五〇年代後半の八杉論文 第四節 「生物進化論における仮説と実証」 第五節 遺伝子説の放棄を迫る 第六節 ルィセンコからの離陸準備完了 |
|
第一二章 八杉龍一のルィセンコ評価の変遷(3) |
|
第一節 『進化学序説』『進化論の歴史』と『近代進化思想史』(再刊) 第二節 八杉のもう一つの姿 第三節 八杉がルィセンコ学説を放棄したのはいつか 第四節 『一生物学者の思索と遍歴』 第五節 その後の八杉によるルィセンコ評価 第六節 八杉のルィセンコ理解の転回 |
|
第一三章 石井友幸のルィセンコ理解の変遷 |
|
第一節 戦後初期における石井の遺伝学への発言=メンデル遺伝学への高い評価= 第二節 石井、ルィセンコ学説を知る 第三節 ルィセンコ遺伝学への傾倒 第四節 ルィセンコへの全面的支持 第五節 石井の最終的到達点 |
|
第一四章 宇佐美正一郎のルィセンコ評価の変遷 |
|
第一節 初期の発言 第二節 ヤロビの生化学的基礎 第三節 ルィセンコ学説の生物学的基礎としての物質代謝(1) 第四節 ルィセンコ学説の生物学的基礎としての物質代謝(2) 第五節 その後の宇佐美の現代遺伝学理解 第六節 獲得形質の遺伝に関するある分子生物学的研究 第七節 宇佐美は最後まで獲得形質の遺伝にこだわった 第八節 宇佐美のルィセンコ評価の変遷 |
|
第一五章 今西錦司と梯明秀 |
|
第一節 『生物の世界』の中の今西進化論 第二節 今西進化論の確立 第三節 『主体性の進化論』 第四節 自然学の提唱 第五節 梯明秀の「生物学に於けるダーウィン的課題」 第六節 原理としての「獲得形質遺伝」 第七節 梯獲得形質遺伝思想のもう一つの顔 第八節 レーニンの「物質の哲学的概念」から「全自然史的過程の思想」 第九節 今西進化論と梯明秀 |
|
第一六章 日本におけるルィセンコ論争の科学史的評価 |
|
第一節 科学史家の近藤洋逸のルィセンコ評価 第二節 一九六〇年代におけるルィセンコ論争に関する科学史的な評価 第三節 一九七〇年代におけるルィセンコ論争に関する科学史的な評価 第四節 一九八〇年以降におけるルィセンコ論争に関する科学史的な評価 |
|
第十七章 武谷三男の生物学思想とは何であったか |
|
第一節 武谷の生物学思想への歩み 第二節 武谷三段階論とルィセンコ支持との乖離 第三節 武谷の機械論批判 第四節 表と裏の論理 第五節 武谷の生物学思想とは何か |
|
終章 科学主義と「自然とヒトへの驕り」 |
|
第一節 武谷のルィセンコ学説支持の根拠 第二節 生物改造への希求 第三節 小倉金之助の科学精神 第四節 武谷論文「自然科学者の立場から-革命期に於ける思惟の基準-」の意味するもの 第五節 「自然とヒトに対する驕り」としての獲得形質遺伝思想 |