タイトルコード |
1000100700937 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
歓待と戦争の教育学 |
書名ヨミ |
カンタイ ト センソウ ノ キョウイクガク |
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国民教育と世界市民の形成 |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
矢野 智司/著
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著者名ヨミ |
ヤノ サトジ |
出版地 |
東京 |
出版者 |
東京大学出版会
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出版年月 |
2019.3 |
本体価格 |
¥6000 |
ISBN |
978-4-13-051342-5 |
ISBN |
4-13-051342-5 |
数量 |
8,374,38p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
371
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件名 |
教育学
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注記 |
文献:巻末p13〜38 |
内容紹介 |
経済のグローバリゼーションの深化、偏狭なナショナリズムの蔓延、生命圏絶滅の危機が教育において生起させる課題群にたいして、具体的な症状例を提示。それらの課題の捉え方を模索し、教育学的思考による応答を試みる。 |
著者紹介 |
1954年神戸生まれ。京都大学大学院教育学研究科教授。教育学博士。著書に「幼児理解の現象学」「大人が子どもにおくりとどける40の物語」など。 |
目次タイトル |
序章 歓待と戦争の教育学 |
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1 希望のプロジェクトとしての教育学の挫折 2 グローバリゼーションとナショナリズムそして厄災 3 二一世紀における教育学の新たな挑戦 4 教育学的思考の問うべき世界市民の形成 |
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Ⅰ 教育学的思考の臨界点へ |
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第1章 「それからの教育学」のかたち |
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1 戦争と震災、それからの思想 2 戦争と臨床的教育思想の誕生 3 戦争と国民教育学の誕生 4 敗戦の体験と戦後教育学の誕生 5 「それから」の「それ」に触れる教育思想 |
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第2章 「贈与と交換の教育学」の問題圏 |
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1 贈与論からみた教育の二つの起源 2 国民教育の駆動力としての戦争犠牲者への負い目 3 国民教育学としての教育関係論と関係を侵犯する贈与 4 純粋贈与による「限界への教育学」への転回 |
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第3章 「限界への教育学」という運動 |
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1 「限界への教育学」の学的性格 2 交換と生産を基調とする学問 3 発達を基調とする戦後教育学の問題点 4 物語論からみた近代教育学の語りの地平 5 「限界への教育学」という運動と「生成する物語」 |
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Ⅱ 外から来る子どもの歓待の学へ |
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第4章 「子どもの人間学」の新たな転回 |
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1 「子どもの人間学」という思想の衝撃 2 人間中心主義の人間学から動物-人間学へ 3 意味を生みだす経験から非-知の体験へ 4 「無償の愛と献身」と純粋贈与 5 生成する「子どもの人間学」 |
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第5章 人間と動物の境界線に生起する臨床教育学 |
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1 人類史の根本課題としての人間/動物という問題 2 近代教育学における野生児をめぐる動物-人間学 3 教育人間学における人間/動物問題 4 人間/動物の境界線をめぐる新たな問い方 5 人間/動物の境界線に生起する臨床教育学の課題 |
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第6章 「子どもの人間学」の生命論的転回の方へ |
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1 子どもの多様で異質な生成変容と現生人類の基本課題 2 生成-発達の教育学と対称性-非対称性の思想 3 遊戯論:遊戯世界へと導かれる子どもの体験 4 動物論:動物との出会いによる生命世界の出現 5 物語論:対称性の物語が開く外部への回路 6 子ども論の生命論的転回の方へ |
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Ⅲ 歓待と弔いの作法の学へ |
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第7章 ケアの倫理と純粋贈与 |
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1 問題としてのケアの概念 2 純粋贈与と贈与のリレー 3 ケアのアマチュアリズム 4 ケアの倫理を働かす純粋贈与 |
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第8章 マナーと礼儀作法の系譜学 |
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1 超ルールとしてのマナー 2 儀礼論を中心としたマナー研究の系譜 3 身体-空間の秩序化とマナー研究の諸相 4 贈与論と他者を迎えるマナー |
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第9章 世界市民の作法としての歓待と弔いのマナー |
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1 絶対的な身体技法としての土下座 2 贈与交換としての礼儀作法を育む歴史-風土-共同体 3 礼儀作法の絶対性 4 世界市民と歓待-弔いの作法 |
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Ⅳ 世界市民の教育学へ |
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第10章 境界を超える愛と自由の道徳教育 |
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1 道徳問題から道徳という問題へ 2 同胞の枠を超える開いた道徳 3 互酬性を超える純粋贈与の道徳教育 4 身近に生起する彼方の力、その愛と自由の方へ |
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第11章 専門家教育・市民教育から世界市民形成へ |
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1 なぜ大学で倫理を問うのか 2 倫理の教育からみて大学とはどのような場所か 3 学問研究で学ぶ規則・作法・倫理 4 専門家の教育・市民の教育・世界市民の教育 附論 グローバル人材養成を超える大学教育の課題 |
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第12章 世界市民性が立ち現れる厄災ミュージアム |
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1 災害ではなく厄災という主題 2 公共の場としての厄災ミュージアム 3 モノと物語の厄災ミュージアム 4 破局に抗する世界市民形成の場としての厄災ミュージアム |
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終章 明日の世界市民と今日の教育的課題 |
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1 境界線をめぐる闘争における世界市民の形成という方位 2 世界市民論における戦争と歓待 3 世界大戦と世界市民の新たな形 4 厄災という課題と世界市民主義の再考 5 人間と非人間の境界線に立つ世界市民 6 過去と未来の間の「それから」の教育学へ |