タイトルコード |
1000100714678 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
死の所有 |
書名ヨミ |
シ ノ ショユウ |
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死刑・殺人・動物利用に向きあう哲学 |
版表示 |
増補新装版 |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
一ノ瀬 正樹/著
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著者名ヨミ |
イチノセ マサキ |
出版地 |
東京 |
出版者 |
東京大学出版会
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出版年月 |
2019.5 |
本体価格 |
¥7000 |
ISBN |
978-4-13-010142-4 |
ISBN |
4-13-010142-4 |
数量 |
26,416,17p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
114.2
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件名 |
生と死
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注記 |
文献:巻末p10〜17 |
内容紹介 |
死の倫理的問題に潜む虚構とは? 「人格」「所有」という近代的概念が可能にしている“死をめぐる思考”を問い直し、社会制度や宗教文化をふまえた、わたしたちの死生観の深層を探る。 |
著者紹介 |
1957年茨城県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程(哲学専攻)単位取得。同大学名誉教授。オックスフォード大学名誉フェロウ。武蔵野大学教授。著書に「人格知識論の生成」など。 |
目次タイトル |
序章 「涙の哲学」に向けて |
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1 泣くという作用 2 「涙の哲学」のプログラム 3 死という喪失 4 パースペクティヴの反転 5 人称の交錯 6 彼岸視点/現世視点そして「死の所有」 |
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第1章 死刑不可能論 |
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1 死という逆説 2 死刑の迷宮 3 人格に対する所有権 4 人格と生命の相違 5 所有権の喪失としての刑罰 6 死刑の残虐性と恣意性 7 誤判と抑止効果の問題 8 安楽死や自殺への結合可能性 9 死刑存廃論から死刑不可能論へ 10 「死の所有」の観念 |
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第2章 「死ぬ権利」の欺瞞 |
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1 死者のパラドックス 2 安楽死論争の構図 3 「殺すこと」と「死なせること」 4 「殺すこと」へのためらい 5 自己決定の倒錯 6 所有権の捏造 7 「死者のパラドックス」から「死の所有」へ |
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第3章 生命倫理と死ぬ主体 |
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1 伝統と変化の交錯 2 主体性の交錯 3 代理母と親概念の変容 4 遺伝子の共有 5 死にゆく人からの誘引 6 「自己決定」をめぐる係争 7 「人格」概念への揺り戻し 8 「パーソン論」の欺瞞 9 響き合う「人格」 10 「人格」の実在性 11 死を所有する 12 「死の所有」の顕現 |
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第4章 殺人者の人格性 |
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1 「殺すこと」の日常性 2 尊厳性を損なう負性のパラドックス 3 人格性の神話 4 虚構性の空転 5 繁殖への衝動 6 明快性に潜む罠 |
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第5章 殺された人の非存在性 |
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1 「殺された人」への死後表現 2 エピクロスの死無害説 3 死の恐怖 4 被害者の非存在 5 殺人の被害性 6 害グラデーション説 7 一人称的経験の仮託 8 死者のオントロジー 9 「死の所有」と因果的哀切の想い 10 因果的プロセスのグラデーション 11 mens reaの暗号 |
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第6章 戦争という法外な殺戮 |
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1 殺人と戦争の懸隔 2 正戦論からユートピア論へ 3 「正当な戦闘行為」の亀裂 4 戦争の常在性 5 戦争の称賛 6 攻撃性の進化理論的効用 7 戦争犯罪の問題 8 「涙の哲学」への回帰 |
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第7章 動物たちの叫び |
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1 隠蔽された日常性 2 動物実験という問題 3 動物実験のモラル 4 「モラル」を語ること 5 義務説 6 動物権利論と動物解放論 7 自体的「動物の権利」 8 権利の競合 9 派生的「動物の権利」 10 種差別 11 不安定性と教条性の克服 12 パーソンへの回帰 13 「声主」としてのパーソン 14 動物のパーソン性 15 パーソン度の概念 16 道徳的配慮度 17 肉食への問い 18 いのちをいただく 19 死の所有の隠蔽 20 非発展というプライド |
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終章 死に基づく認識論 |
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1 認識と同一性 2 「ピュシス」と「ノモス」 3 認識の基盤としてのパーソン 4 パーソン分裂の深層 5 応報的均衡の観念 6 死刑を支える「死の所有」の虚構 7 身近な存在者の死 8 「別離」の瞬間 |
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補章 死の害についての「対称性議論」 |
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1 死の恐怖/死の有害性 2 エピクロス説 3 剝奪説 4 対称性議論 5 非対称性議論 6 因果関係と時間的視点 7 いかなる対称性が問題なのか 8 いかなる因果関係が問題なのか 9 誕生前非存在 10 死後非存在 11 因果連続モデル |