タイトルコード |
1000100715732 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
近代知の翻訳と伝播 |
書名ヨミ |
キンダイチ ノ ホンヤク ト デンパ |
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漢語を媒介に |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
陳 力衛/著
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著者名ヨミ |
チン リキエイ |
出版地 |
東京 |
出版者 |
三省堂
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出版年月 |
2019.5 |
本体価格 |
¥3800 |
ISBN |
978-4-385-36095-9 |
ISBN |
4-385-36095-9 |
数量 |
6,569p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
814
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件名 |
漢語-歴史
中国語-外来語
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注記 |
文献:p524〜537 |
内容紹介 |
知的伝播を担う重要な役割を果たし、幕末・明治以降の近代の知と学問を支えた、日本語の大きなテーマである「近代漢語」。その創出と拡大、中国との相互の伝播などを考察する。 |
著者紹介 |
1959年中国・西安生まれ。東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専攻博士課程単位取得中退。成城大学教授。日本語史・日中言語交渉史専攻。 |
目次タイトル |
序章 漢語の近代 |
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1.近代における漢語の急増 2.近代漢語の素地 3.新漢語の範囲 4.新漢語の展開 5.文化交流の「双方向性」 |
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第Ⅰ部 漢語の由来と翻訳語としての確立 |
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第1章 漢語の抽出 |
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1.近世における漢学の隆盛 2.漢文訓読による漢語の大量抽出 3.作文の時代と漢語使用 |
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第2章 唐話の学習と吸収 |
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1.はじめに 2.近世漢語の重層性 3.対訳資料「唐音和解」(1716) 4.二字漢語の意味的層別 5.唐話語彙の利用 |
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第3章 近代知としての『博物新編』 |
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1.はじめに 2.『博物新編』の日本における受容 3.『博物新編』各版本の流布 4.ルビの蘭訳から英訳へ 5.概念の定着に見る日中用語の相違 6.近代日本科学史における位置付け |
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第4章 漢訳『万国公法』から和訳『国際法』へ |
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1.はじめに 2.テキストの系統と相互関係 3.漢訳『万国公法』の和訳 4.漢訳『万国公法』に対する言い換え 5.現代中国語への逆輸入 |
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第5章 近代翻訳語の宝庫-英華字典 |
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1.はじめに 2.モリソンの英華字典 3.モリソン以降の英華字典 |
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第6章 蘭学以来の漢語創出 |
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1.「神経」の誕生 2.蘭学書と漢訳洋書 3.「-力」の造語 4.「-性」の造語 5.科学啓蒙の広がり |
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第7章 明治の文体に支えられて |
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1.はじめに 2.近代における故事・ことわざの受容 3.文体との関連-作文の立場に立って 4.国語辞書への登録 5.古典との距離 6.結び-比較文化論への発展 |
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第Ⅱ部 中国に伝わる新語・新概念 |
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第1章 近代欧化文体に見られる日本的要素 |
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1.はじめに 2.背景の回顧 3.中国語文体に対する日本語の影響 4.問題の展望 |
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第2章 「同文同種」の陥穽 |
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1.問題の所在 2.中国人の虎の巻とされた『和文漢読法』 3.中国人の『言海』の妙用-「和漢異義字」への理解 4.『和文漢読法』の影響とその後 5.結び-急がば回れ |
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第3章 政治小説『雪中梅』の翻訳と新漢語の伝播 |
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1.はじめに 2.中国における政治小説の翻訳の背景 3.中国語訳『雪中梅』の特徴 4.新語・新概念の中国への流布 5.結び-東アジアへの広がり |
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第4章 社会主義思想の中国への伝播 |
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1.はじめに 2.日本語版から中国語版へ 3.中国語版『共産党宣言』の変遷 4.『共産党宣言』における中国語訳語の先鋭化の傾向 5.結び-言語的暴力と語句の階級化 |
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第5章 波寄せてくる日本新名詞にいかに対処すべきか |
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1.「日本新名詞」の波を前にして 2.初期の「和文奇字」と新語集 3.『辞源』と『王雲五大辞典』の対応 4.『辞海』の変化 5.「訳名西文索引」の抜け道 6.残された問題点 |
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第6章 英和辞書による中国語への額彙浸透 |
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1.はじめに 2.英和辞書の英華字典への影響-20世紀以降の逆転 3.専門分野別辞書と他の対訳辞書 4.20世紀後半の語彙交流 5.結び |
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第7章 現代中国語にどのくらいの日本借用語があるのか |
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1.はじめに 2.研究史の回顧 3.調査対象の数量値 4.品詞別・分野別の調査結果 5.頻度別の『現代漢語常用詞表』との比較 6.今後の課題 |
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第Ⅲ部 語史から概念史へ |
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第1章 近代漢語の出自と語史記述 |
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1.漢語の出自に関する言説 2.辞書による出自検証の可否 3.近代辞書の比較 4.近代語資料とは何か 5.日本語の環境フィルターの役割 6.終わりに |
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第2章 漢語の出典確認の限界 |
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1.『四庫全書』およびその電子版 2.日本漢語研究への寄与 3.漢籍の出典と無関係 4.「一語十年」から「一語一年」へ |
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第3章 近代漢語の履歴 |
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はじめに 1.「哲学」と「理学」 2.「概念」と「観念」 3.「裁判」と「審判」のすみわけ 4.「一般心理学」それとも「普通心理学」 5.和製漢語としての「人格」 6.「情報」=「諜報」 7.日・中・韓でそれぞれ異なる意味の「愛人」 8.「小説」概念の成立 |
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第4章 日本語の「気管支炎」から中国語の「支気管炎」へ |
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1.はじめに 2.日本語の「気管」と「気管支」 3.「気管枝」と「気管支」との拮抗 4.中国語における表現 5.日本語訳語の導入 6.「支」の意味変遷と区分的役割 7.おわりに |
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第5章 「民主」と「共和」の意味補完 |
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1.はじめに 2.外来概念に対する中国語の翻訳 3.日本語において対訳される「共和」 4.「民主」と「共和」との接近 5.「民主」とDemocracyの結合 6.「共和」の中国語への導入 7.「民主」と「共和」との意味分担 8.おわりに |
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第6章 「主義」の流布と中国的受容 |
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1.日本における「主義」の対訳 2.『清議報』(1898〜1901)における「主義」の吸収 3.「社会」の成立 4.「社会主義」から「共産主義」へ 5.「帝国主義」の成立 6.「主義」の拡大 |
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第7章 「優勝劣敗、適者生存」 |
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1.はじめに 2.厳復の翻訳とその訳話の行方 3.「進化論」流布における用語の日中混合 4.伝統的な「雅馴」と厳復の「雅」 5.後世に対する厳復の訳語の影響 6.おわりに |
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第8章 「金字塔」の由来とそのイメージ形成 |
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1.はじめに 2.英華字典から英和辞典へ移入された「金字塔」 3.漢訳洋書における「金字塔」の描写と中国人の想像 4.金字塔に対する日本人の認識 5.『万国史記』の流布と「金字塔」の普及 6.中国語における「金字塔」の使用 7.おわりに |
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終章 漢語の現在と未来 |
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1.日本語における漢語の比重 2.漢語の造語力の盛衰 3.漢字・漢語がなくなるのか |