タイトルコード |
1000100358931 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
情念・感情・顔 |
書名ヨミ |
ジョウネン カンジョウ カオ |
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「コミュニケーション」のメタヒストリー |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
遠藤 知巳/著
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著者名ヨミ |
エンドウ トモミ |
出版地 |
東京 |
出版者 |
以文社
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出版年月 |
2016.2 |
本体価格 |
¥7800 |
ISBN |
978-4-7531-0330-0 |
ISBN |
4-7531-0330-0 |
数量 |
14,774p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
361.45
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件名 |
コミュニケーション
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注記 |
文献:p723〜760 |
内容紹介 |
近代社会の全体を外から俯瞰する思考がリアリティを喪失しつつある現在、主体の内部作用という薄明の領域に足を踏み入れながら、異世界性に触れようとする、西洋近代をめぐる言説分析。 |
目次タイトル |
序 <近代>の深さへ |
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第一章 情念の体制 |
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一 情念へのまなざし 二 先取りの停止(1)-社会科学的記述平面の不在 三 先取りの停止(2)-「感情」の進化モデルと「情熱」の歴史被拘束性 四 「自己」・「反省」・「社会」-不発の複合的交錯 五 初期近代と歴史の遠近法 六 航路を見渡す |
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第二章 社交の起源 |
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一 階層社会の解体過程、あるいは「社会」の不発としての「社交」 二 名誉と記号 三 宮廷論というジャンル 四 「助言」の政治学 五 礼儀の意味論 六 ゲームとしての礼儀-権力の出現と否認 七 宮廷論的不安の形式 八 いくつかの一六世紀的対応策 九 決闘という終止点 一〇 社交=会話の地平 一一 権力と枠物語 一二 一七世紀における宮廷論の変質 一三 フランシス・ベーコンと人間観察のプログラム |
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第三章 修辞学と情念 |
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一 一六世紀における修辞学の位置 二 古代修辞学の構造 三 ローマ修辞学から西欧修辞学へ 四 擬人法/活喩の位置 五 西欧的伝統とその屈折 六 「文体修辞学」を再考する 七 措辞としての情念 八 弁論的テクスト-『アーケイディア』 九 修辞/「弁論」から観察へ-修辞学の一七世紀的変容 |
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第四章 情念論の形成 |
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一 自然の二重化 二 アクィナス的体系から離脱する 三 一六世紀-受動の直接的反転とその挫折 四 アウグスティヌスと初期近代の地平 五 ストア派への再接近 六 一七世紀的言説空間の開始-「煩瑣」のなかの受動 七 行為と動因 八 一七世紀における情念の一覧表 九 驚異とデカルト派 一〇 運動・推移・名称 |
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第五章 過剰と秩序 |
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一 中間性の形象 二 二重否定による迂回-情念論の基本論理 三 初期近代における「過剰」-シャンブルと愛の病理学 四 霊感と崇高 五 熱狂の曖昧な内部化 六 秩序を問うこと 七 移行する「視線」 八 魂の政治体 |
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第六章 二世界性 |
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一 運動と境界 二 重層する運動 三 機械論の地平 四 言説の楕円構造 五 非-還元主義的メタファーとしての機械 六 身体器官の分散とその一七世紀的帰結 七 特定とその失敗・を発見すること 八 境界の離脱と回帰 九 二世界の意味論 一〇 <主体>の構造的不満 |
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第七章 自体的記号の理論 |
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一 二世界性と記号 二 古代記号理論を概観する 三 蓋然性/徴候の記号理論と中世の終焉 四 記号秩序からみたルネサンス照応論-二世界性の前段階 五 蓋然性の記号の転形 六 自体的記号の理論 七 身体変容と記号 八 動物表象の位置変動 九 自体的記号/表示記号と観察視点 一〇 現代的視線の制度性を乗り越える |
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第八章 記号・修辞・意図 |
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一 普遍言語運動と実在的概念記号 二 名称と記号 三 身振りと修辞 四 未発の修辞学改良プログラム 五 ジョン・バルワー-ベーコンの異端的継承者 六 手振り言語と自然的記号 七 意図を「行き過ぎる」こと 八 意図の修辞学 九 一七世紀的「メディア」理論 一〇 「コミュニケーション」の誕生? |
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第九章 個体性の転形 |
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一 記号/特徴と「人格」 二 人さまざまの展開 三 類型の増大と社会空間の変容 四 傾性概念の出現 五 個体性の自己観察 六 突出する顔 七 状態/運動の相互転換-情念と習慣 八 「省察」的文体-世紀後半における他者観察と自己観察の連関 九 情念の体制の終焉 |
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第一〇章 感情の体制 |
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一 穏やかさと「切断」 二 情動への気づき 三 ジョン・ロックと内省の文体 四 観念という観念 五 独我論の不在、または「コミュニケーション」の事実性 六 空隙の言説戦略 七 感覚経験の根源的無規定性(の手前で引き返すこと) 八 感覚作用と反省 九 持続としての快苦 一〇 カテゴリーの融解 一一 感情の体制 |
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第一一章 慈愛心と自己愛 |
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一 語彙の増殖 二 シャフツベリと「自然な感情」 三 反ホッブズという流儀 四 感覚作用の再定義-シャフツベリとハチソン 五 「抗しがたい」感情の誕生 六 「抗しがたさ」と慈愛心 七 譬喩/実態としての「感覚」 八 ハチソンにおける傾性の理論 九 計算・推測・社交 一〇 感情の自己享楽という難問-ハチソンとマンデヴィル 一一 「支配者の狡知」-マンデヴィルの名誉論 一二 習俗を語る文体 一三 自我とコミュニケーション-ヒューム 一四 慈愛心/自己愛の展開と終焉 |
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第一二章 美・道徳・感情 |
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一 美の言説的浮上をめぐる方法的考察 二 美と善の連関とその解体 三 古典主義「美学」と情念論-規則・喜び・教訓 四 詩と入神-ジョン・デニスの批評地平 五 美と道徳の再縫合-シャフツベリ 六 アディソンと視覚=想像力の理論 七 「抗しがたさ」としての美-感覚的「所有」とその否認 八 小括 |
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第一三章 表象と「コミュニケーション」 |
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一 美と道徳の多角形を捉える 二 古典主義「美学」の内部的解体-デュボスの『詩画論』 三 人工的情念と「芸術」 四 表象と直接性 五 経験論的「美学」の開始-ハチソン 六 絶対的美/相対的美-美的感覚の「コミュニケーション」 七 道徳からの接続-一八世紀の慣習論 八 相対的美と類似の出来事化 九 多頭化する順似 一〇 登場人物/人格の地平 一一 道徳美のドラマトゥルギー |
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第一四章 感覚のジャンル化、共感のスペクタクル |
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一 「原理」化する感情 二 エドマンド・バークの書き方 三 術語性の位相 四 ジャンル論の進展と芸術の生成 五 一八世紀における美的記号の理論 六 ジャンルと感覚-ジェームズ・ハリスの媒体論 七 音楽と感情 八 感覚の陽梯-ケイムズの経験論美学 九 知覚的反応と持続としての感情 一〇 美的=道徳的視覚-共感のスペクタクル 一一 共感と「社会」 |
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第一五章 観相学の地平 |
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一 感情から顔へ 二 古典観相学-卜占と論理学 三 動物観相学の変性と表徴の増殖 四 自然魔術における卜占の回帰 五 一八世紀-観相学への懐疑と関心 六 表情学の文法 七 社交と表情/社交としての表情 八 ラファーターの『観相学断片』-一九世紀への転換点 九 「調和」と独個性の記号 一〇 表象読解をめぐるメタ社交 一一 一九世紀観相学(1)-特権的解読者の磨滅と確定的規則のイメージ 一二 一九世紀観相学(2)-解読者の複数化と遊戯的随順の言説戦略 一三 観相学と「社会(学)」(1)-社交からの切断 一四 観相学と「社会(学)」(2)-社会観相学の地平 一五 一九世紀の模範的観察者バルザック、およびその後 |
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第一六章 映像と超-内面 |
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一 残された問い 二 一九世紀の表情論-デュシェンヌ 三 イメージの実定性 四 内面/外面の相互外在的産出 五 <顔>の上に書く 六 新たなる<外面> 七 結語-超・内面の意味論へ |