タイトルコード |
1000101135931 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
源氏物語の表現への道 |
書名ヨミ |
ゲンジ モノガタリ ノ ヒョウゲン エノ ミチ |
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歌ことばと漢詩文による新たな言語世界 |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
内藤 英子/著
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著者名ヨミ |
ナイトウ エイコ |
出版地 |
東京 |
出版者 |
武蔵野書院
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出版年月 |
2024.2 |
本体価格 |
¥12000 |
ISBN |
978-4-8386-0787-7 |
ISBN |
4-8386-0787-7 |
数量 |
429,23p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
913.36
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件名 |
源氏物語
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個人件名 |
紫式部 |
内容紹介 |
「源氏物語」以前には、和歌、漢詩文、仏典、作り物語・歌物語など様々な先行作品が存在した。それらの作品をもとにどのようにして新たな文学作品を創造しているか、「源氏物語」の表現に至る道のりとその達成を解き明かす。 |
著者紹介 |
愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。博士(文学)。専攻は平安文学。愛知淑徳大学非常勤講師、中部大学非常勤講師。 |
目次タイトル |
序章 十世紀後半から『源氏物語』誕生まで |
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はじめに 一 和漢兼作の時代 二 好忠と「河原院周辺歌人」たち 三 物語誕生の場と文化圏 四 本書の構成と内容 おわりに |
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第一部 『源氏物語』における表現の達成 |
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一 歌ことばによる表現の創造 |
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第一章 空蟬物語の引歌表現 |
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はじめに 一 『一条』一三二番歌の歌群における位置と詠者 二 『一条』一三二番歌の本歌と『伊勢物語』 三 空蟬物語と『一条』 四 『一条』と『源氏物語』 おわりに-空蟬巻巻末歌について |
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第二章 関屋巻の音風景 |
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はじめに 一 関の清水と涙 二 帚木三帖での「音泣く」空蟬と蓬生巻の末摘花 三 「逢坂の関」での邂逅の意図 おわりに-関屋巻以後の空蟬 |
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第三章 夕霧巻に見られる歌物語の系譜 |
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はじめに 一 空蟬と落葉宮の物語における語りの類似 二 品定めの経験談と雲居雁・落葉宮 三 妻の嫉妬による夫婦のいさかい 四 帚木巻と夕霧巻にみられる仏教観 おわりに |
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第四章 夕霧物語の表現の方法 |
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はじめに 一 少女巻-荻のうは風 二 野分巻-刈萱の乱れ 三 藤裏葉巻-花のひもとく 四 柏木巻-葉守の神のゆるし 五 夕霧巻-小野・緑の袖・葛の葉・草むらの虫 六 夕霧の心情表現 おわりに |
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二 漢詩文による表現の創造 |
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第五章 光源氏の女人哀悼表現における閨怨の情 |
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はじめに 一 「亡き魂ぞ」の歌 二 「君なくて」の歌 三 夕顔と紫の上の哀悼場面 四 中国の悼亡詩と日本の亡妻哀悼歌 五 願文における妻の哀悼表現 おわりに |
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第六章 柏木哀悼における「柳のめ」 |
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はじめに 一 柏木の哀悼場面の解釈について 二 和歌や漢詩文に詠まれる「柳のめ」と「柳眼」 三 「柳」からの連想 四 なぜ「柳のめ」なのか 五 哀悼表現の先例としての漢詩文 おわりに |
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第七章 末摘花の「紅の涙」と「紅花染め」 |
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はじめに 一 末摘花の歌に詠み込まれた「紅の涙」 二 「紅の涙」の諷諭するもの 三 一条天皇と諷諭の精神 四 紅花染めの流行と禁止令 おわりに |
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第八章 「中の衣」と「色好み」 |
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はじめに 一 発端となる末摘花巻-卓文君の故事と「紅の涙」 二 漢語「中衣」と「美人賦」 三 紅葉賀巻-「夜聞歌者」・「美人賦」・「紅の濃染の衣」 四 明石巻-「琵琶引」・卓文君の故事・「形見の衣」 五 少女巻-卓文君の故事と「紅の涙」 六 宿木巻-『落窪物語』の「かばかり」引用によるパロディ化 おわりに |
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第二部 『源氏物語』の表現への道 |
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一 歌物語における表現の創造 |
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第九章 『伊勢物語』五十二段と漢詩文 |
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はじめに 一 「飾り粽」と屈原 二 「雉」と潘岳 三 連想による段落の展開 おわりに |
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第十章 『伊勢物語』六十三段と仏教思想 |
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はじめに 一 六十三段の「世ごころ」と「心なさけ」 二 六十三段と『万葉集』の「みやびを」問答-「方便」と「恥」 三 『うつほ物語』「一条北の方物語」と「みやびを」問答-「恥」と「なさけ」 四 六十三段の「けぢめ見せぬ心」と「慈悲」 おわりに |
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第十一章 『大和物語』八十九段の和歌表現と構成についての考察 |
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はじめに 一 「網代-氷魚-寄る」和歌表現の変遷からみる修理歌の特異性 二 『拾遺集』の詞書と部立からみる修理歌の特異性 三 『蜻蛉日記』の引歌の方法からみる修理歌の特異性 四 八十九段の和歌の配列からみる構成の特異性 おわりに |
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二 『うつほ物語』における表現の創造 |
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第十二章 『うつほ物語』の和歌における表現の方法 |
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はじめに 一 あて宮求婚歌群の和歌表現 二 「露」「積もれる山」 三 「鳰鳥」の「鳴く」思い 四 不遇表現としての「松の緑」と「数ならぬ身」 五 「初期定数歌」と『うつほ物語』の詠歌方法 六 『うつほ物語』と「河原院周辺歌人」詠との関わり おわりに |
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第十三章 忠こそ巻における和歌表現の方法 |
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はじめに 一 「をかしき浅茅」 二 「葎生ほす宿」 三 「蓬」の不在 四 「菅原伏見の里」 五 歌語の連想による和歌の展開 六 『古今六帖』の歌題による発想 おわりに |
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第十四章 実忠物語と『平中物語』 |
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はじめに 一 志賀寺での実忠と「平中」 二 志賀寺参詣の意図 三 「浜千鳥」 四 「山彦」 五 平中と近江 おわりに |
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第十五章 「まめ人」仲忠の「色好み」 |
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はじめに 一 あて宮との疑似恋愛1 「下紐解くるは朝顔に」 二 あて宮との疑似恋愛2 あだくらべ 三 歌枕「名取川」による「色好み」像の形成 四 「色好み」の実情1 さま宮と「これこそ」への懸想 五 「色好み」の実情2 宰相の上への懸想 六 おわりに |
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第十六章 蔵開巻における神仙譚を利用した語りの方法 |
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はじめに 一 仲忠と女童の祝賀の場での出逢い 二 吉野に由来する柘枝伝説と五節の舞 三 仲忠と仲頼の妹との一条殿での出逢い 四 蔵開巻と『遊仙窟』 おわりに-内侍のかみ巻から蔵開巻の展開について |
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第十七章 后の宮の造型 |
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はじめに 一 「青蝿」の解釈をめぐって 二 后の宮の人物像 三 弘徽殿大后の人物像と二人の后の比較 四 「后の宮」の呼称と第三の后の宮・藤壺 おわりに |
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結章 歌ことばと漢詩文による新たな言語世界 |
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はじめに 一 並びの巻にみられる歌ことば表現 二 漢詩文が生み出す時空における表現 三 「河原院周辺歌人」の再評価 おわりに |