タイトルコード |
1000101193818 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
生き続ける聖典クルアーン |
書名ヨミ |
イキツズケル セイテン クルアーン |
|
人類学者が見た実態イスラームと神秘力のメディア |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
小杉 麻李亜/著
|
著者名ヨミ |
コスギ マリア |
出版地 |
京都 |
出版者 |
ナカニシヤ出版
|
出版年月 |
2024.10 |
本体価格 |
¥6000 |
ISBN |
978-4-7795-1776-1 |
ISBN |
4-7795-1776-1 |
数量 |
10,429p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
167.3
|
件名 |
コーラン
|
注記 |
文献:p398〜416 |
内容紹介 |
イスラーム世界の生活の中に、朗誦として、またグッズとして浸透するクルアーンの章句。人類学的なフィールド調査と文献研究を組み合わせ、イスラームの「メディア装置」としてのクルアーンの実態を浮き彫りにする。 |
著者紹介 |
立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程(一貫制)修了。博士(学術)。関西大学文学部准教授(比較宗教学専修)。共著「アラブの音文化」で田邉尚雄賞受賞。 |
目次タイトル |
序章 今を生きる |
|
1 異なるものは同一である 2 対極にある2つの社会 3 近代がすべてを溶かす 4 生まれ変わる言葉 5 本書の狙いと目的 6 3群の基本概念 7 本書の主題と構成 |
|
第Ⅰ部 生き方のソースコードとしてのクルアーン |
|
第1章 ムスリム社会のリアル(実態イスラーム) |
|
1 フィールドで出会う 2 分量と種類の有無 3 音として流れる 4 不在の語り手 |
|
第2章 クルアーン研究の今日の地平 |
|
1 クルアーンの成立 2 東洋学による解体 3 現象学的/意味論的ブレイクスルー 4 記号論的分析の意義 |
|
第3章 メディアとしてのクルアーンとソースコードの社会的作用 |
|
1 力を生み出す代理システム 2 イスラームのメディア装置の特徴 3 イスラームの多神教的側面 4 「ソースコード」「命令コード」としてのクルアーンの登場 5 3つの命令コード 6 メディア装置論の構成 |
|
第Ⅱ部 「記譜」された音としての書物 |
|
第4章 音の補助具としての「書物」の形成 |
|
1 クルアーンの書物化 2 ウスマーン版の成立と初期写本 3 「神の言葉」を記す技術と二大書体 4 共有される威信財としての書物 5 信仰共同体の2つの「ウスマーン本」 |
|
第5章 20世紀の「ウスマーン版」へ |
|
1 刊本時代の幕開けとアズハル・レジーム 2 サウディアラビアによる大量配布と刊本の検品 3 現代における刊本の校閲と読誦学者 4 刊本時代の特徴とデジタル化 |
|
第Ⅲ部 クルアーンの原型をたどる |
|
第6章 イブン・アーシュールの章名論 |
|
1 現代から古代へワープすることは可能か 2 2つの学問領域 3 イブン・アーシュールの位置付け 4 イブン・アーシュールの立論の特徴 5 いかに名付けられたか |
|
第7章 章の名付けが意味するもの |
|
1 「標準版の確立」という定説 2 書承の章名と口承の章名 |
|
第8章 口誦テクストの操作 |
|
1 操作テクニックをどうやって復元するのか 2 音をストックし管理する 3 テクストに保存された政治的な文脈 4 ムハンマドを取り巻いていた状況 |
|
第Ⅳ部 音としてのクルアーン |
|
第9章 朗誦の復興 |
|
1 音楽的側面 2 言葉と旋律の関係 |
|
第10章 全国朗誦大会 |
|
1 大会の舞台 2 朗誦を審査する 3 国境を越えて流通する音 |
|
第11章 実演の計量分析 |
|
1 リサイタルの録音という珍しい例 2 リサイタル内容の検証 3 ポーズとリフレインの比較 |
|
第12章 女性と聖典 |
|
1 女性たちの学習活動 2 女性朗誦家をめぐるコンフリクト |
|
第Ⅴ部 日常に埋め込まれた断片 |
|
第13章 神を忘れない |
|
1 法学的規範と実践 2 礼拝(サラー)の実態に迫る方法 3 礼拝(サラー)の前後と誰とおこなうか 4 行程と身体動作および文言 5 地域的・個別的な差異 |
|
第14章 神を埋め込む |
|
1 典拠としてのクルアーン 2 章句が関与する度合い 3 フィールドで内的意味を探す 4 叡智(ヒクマ)と一般信徒 5 クルアーンを発現させる 6 礼拝が作り出すしもべ(アブドゥ) |
|
第15章 日常を聖化する |
|
1 聖なる場所ではなく 2 聖なる句 3 無自覚な発話に対する聞き取り |
|
第16章 この世を寿ぐ |
|
1 使用実態から見る傾向と相関性 2 オーラルのマテリアル化 |
|
第Ⅵ部 クルアーンがある空間 |
|
第17章 クルアーンが作るイスラーム的エージェンシー |
|
1 イスラーム的生と自律性 2 徴付けられた世界 3 神話世界と成立宗教 4 供犠(ザブフ)と神の名を唱えること(バスマラ) 5 欲望と帰依の主体 |
|
第18章 受肉するソースコード |
|
1 ディバインリーダブルから,ソサエティリーダブルへ 2 前近代的バルクの形成 3 コンパイラーとバルクを失った時代 |
|
おわりに |
|
補論1 クルアーン研究史 |
|
1 近代的学問としての東洋学におけるクルアーン研究 2 東洋学の方法論的な問題点と内部からの批判 3 井筒俊彦によるブレイクスルー 4 民族音楽学からの貢献 5 ミクロ化と啓典解釈学研究への移行 |
|
補論2 ロンドンで見たクルアーン学会 |
|
はじめに 1 第6回大会の日程と内容 2 クルアーン研究の動き おわりに |
|
補論3 礼拝研究史 |
|
1 範疇をめぐる人類学と宗教学の溝 2 東洋学における礼拝研究 |