タイトルコード |
1000101016522 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
<非在>のエティカ |
書名ヨミ |
ヒザイ ノ エティカ |
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ただ生きることの歓待の哲学 |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
小野 文生/著
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著者名ヨミ |
オノ フミオ |
出版地 |
東京 |
出版者 |
東京大学出版会
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出版年月 |
2022.9 |
本体価格 |
¥6600 |
ISBN |
978-4-13-051363-0 |
ISBN |
4-13-051363-0 |
数量 |
24,350,30p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
104
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件名 |
哲学
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注記 |
文献:巻末p11〜30 |
内容紹介 |
「存在か無か」の図式のかげにとり残されてきた<非在>の居場所をまなざし、「ともにある」ために、哲学にはなにが必要で、なにが可能なのか。人間であることの歓びとかなしみを根源的に問う。 |
著者紹介 |
1974年滋賀県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程学修認定退学。同大学博士(教育学)。同志社大学グローバル地域文化学部教授。 |
目次タイトル |
序章 思考のはじまりの痕跡 |
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第一節 <かなしみの知>と<知のかなしみ> 第二節 知と経験のむすぼれ 第三節 思考することと生きること 第四節 本書の問題構成 |
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第Ⅰ部 人間的なるものの在り処-<非在>の思想的水脈 |
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第1章 コモン・センスとしての応答的理性 |
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はじめに 「人間的なるもの」 第一節 官僚制の両義性と人権の逆説的無根拠性 第二節 啓蒙の極点へのまなざし 第三節 行為と知のあいだの裂け目と悲劇 第四節 真理と意味、あるいは科学と政治 第五節 人格/人称性のはじまり 第六節 人間の無力さ・弱さ・苦境 第七節 赦しと約束 第八節 知のパトス 第九節 哲学の起源としてのパトス おわりに コモン・センスとしての応答的理性へ |
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第2章 ただ生きること、あるいは<非在>の歓待 |
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はじめに 「ただ生きること」をめぐって 第一節 「剝き出しの生」という例外化装置 第二節 インファンティアと言語活動 第三節 <非の潜勢力>、あるいは到来する<非在>の迎え入れ 第四節 「被ること」とそれ自体への贈与 第五節 なんであれかまわないもの おわりに 鈍感(ア・パテイア)の飽和した世界で |
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第3章 ホショウ科学時代におけるパティ・マトス |
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はじめに 第一節 モデルネへの問い 第二節 様態とリズム 第三節 <非の潜勢力>と使用という<生の形式> 第四節 パテイ・マトス(受苦をとおして学ぶこと)の経験 第五節 成熟する主体と認識を増殖させる主体 第六節 経験と科学 第七節 ホショウ科学時代における経験 おわりに |
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第4章 審問されるコナトゥス、エティカの行方 |
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はじめに 係争のコナトゥス 第一節 自己保存的理性(アドルノ/ホルクハイマー) 第二節 コナトゥスとは逆向きの解体(レヴィナス) 第三節 傷つけて癒すもの、あるいは凸面から凹面への転換 第四節 *seへの解放 第五節 レヴィナスを読むアガンベン 第六節 逃走というエティカ 第七節 コナトゥスにはらまれた二つの力 おわりに 「人間的なるもの」の希望 |
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第Ⅱ部 <かなしみの知>と<知のかなしみ>のほとりから-弱さとともに生きること |
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第5章 <非在>のエティカの生起する場所 |
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はじめに パトスの記憶誌 第一節 孤独な魂のさまよい 第二節 絶対孤独が生み出す関係性 第三節 救うものと救われるものの相互照応 第四節 加害者への憐憫の情 第五節 対立構図からの転換と赦しの可能性 第六節 「悶え加勢」から問い直される共同性 第七節 水俣病における認定問題と潜在性-承認のポリティクス 第八節 グレイゾーンと向き合う-「存在の現れ」の政治 第九節 <非在>のエティカのために-存在でも無でもなく おわりに 「もうひとつのこの世」の余白に |
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第6章 悲しみの器と煩悩のケア |
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第一節 煩悩の深くして 第二節 煩悩のケア 第三節 悲しみの器 第四節 ともに在ること |
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第7章 <ひずみの底の未来イメージ>、あるいは弱さの倫理 |
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はじめに <一九六八年五月>と科学技術の政治性 第一節 市民の政治と水俣「死民」 第二節 鶴見俊輔の「大衆」と水俣 第三節 土法としてのプラグマティズム 第四節 日常性にもとづく哲学言語の構築 第五節 科学への態度 第六節 <ひずみの底の未来イメージ> 第七節 老いとアンラーニング おわりに 弱さの倫理 |
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第8章 「方法としてのアナキズム」考 |
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はじめに ユートピアとしての漫画的精神 第一節 鶴見俊輔における漫画的精神の諸相 第二節 イミタブル・パターン 第三節 無関心の精神史 第四節 暮らしの中の反射の貯蔵 第五節 「【ソウ】札」あるいは身もだえの知 第六節 技術者の合理性を支柱にして おわりに 「方法としてのアナキズム」考 |
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第9章 <知のひと>から<受苦するひと>へ |
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第一節 石牟礼と鶴見の出遭い 第二節 媒介としての田中正造と林竹二 第三節 コトバの罪、存在する罪 第四節 ことばの尽き果てるところがらの言伝て |
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終章 <非在>のエティカ |
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はじめに 第一節 弱さの思想 第二節 共苦するパトスの行方 第三節 <非在>の多元的な位相 第四節 コナトゥスと遊動性のエティカ 第五節 ただ生きることの歓待と「方法」への目覚め おわりに 智慧のちいさな種 |