千葉県立図書館 菜の花ライブラリー

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千葉県十二郡誌

大正から昭和初期にかけて編纂・刊行された千葉県内の郡誌です。
「『千葉県千葉郡誌』19コマ」の画像 『千葉県千葉郡誌』19コマ
郡制は明治23年5月制定、大正10年4月廃止の地方自治制度で、千葉県では明治30年4月1日に施行された。「千葉県十二郡誌」は県内12郡で大正~昭和初期にかけて編纂・刊行された郡誌である。ほぼ同時期、全国各地で郡誌の編纂事業が活発に行われた。「千葉県十二郡誌」の編纂の目的は、天皇即位記念、愛郷心の涵養等様々である。構成も一様ではなく、『千葉県東葛飾郡誌』のように大部なものもある。すべて復刻版が刊行されている。
これらの郡誌に掲載された人名の索引である「千葉県十二郡誌人名索引」(『資料の広場』16~18号)は、本データベース「千葉県関係人名索引」に収録されている。

『千葉県千葉郡誌』

千葉県千葉郡教育会 大正15年(1926)

大正天皇の御大典記念事業として編纂された。全体は18章からなり、古代から大正10年千葉郡から市への分離を一段落とし、大正12年の関東大震災の余録を付している。

『千葉県東葛飾郡誌』 上・下

千葉県東葛飾郡教育会 大正12年(1923)

上下巻で全2436ページに及ぶ膨大な郡誌。後編は南部・中部・北部・東部の各町村誌となっている。

『千葉県印旛郡誌』前篇・後編

千葉県印旛郡役所 大正2年(1913)

総論(前篇収録巻1)と町村誌(前編収録巻2、後篇収録巻3~5)に分かれる。統計等は明治42年の調査が主となっている。各町村ごとに地誌をとりあげているところが特徴である。

『千葉県香取郡誌』

千葉県香取郡役所 大正10年(1921)

大正3年の記事を主とし、全郡41町村277部落の百般の事実を記載している。統計の数値は大正6年のものである。

『山武郡郷土誌』

千葉県山武郡教育会 大正6年(1916)

上編が郡誌、下編が町村誌である。

『千葉県海上郡誌』

千葉県海上郡教育会 大正6年(1917)

大正天皇の即位を記念して編纂された。町村誌と区別するため、編纂の体裁は郡本意にとどめられているが、各事項が全般的に細かく説明されている。

『匝瑳郡誌』

千葉県匝瑳郡教育会 大正10年(1921)

大正3年に郡から編纂を委嘱された匝瑳普通学校長らにより編纂、上梓された。前編は郡全体に関する「郡誌」、後半が「町村誌」である。

『千葉県夷隅郡誌』

夷隅郡役所 大正12年(1923)

大正4年に編纂に着手し、同11年に完成した。夷隅郡の地理、気候、生物、産業、交通、名所旧蹟、教育、人情風俗習慣、方言、俚諺等を含む郡内の様々な事情を通覧できる。

『長生郡誌』

長生郡教育会 大正2年(1913)

上下2篇に分かれ、上篇には群の総体に関する地理、歴史、教育、産業、交通、風俗等を、下編には各町村に関する事項を列記している。余録に、長生郡に関する古文書や資料の抜粋を付す。

『千葉県安房郡誌』

千葉県安房郡教育会 大正15年(1926)

大正天皇即位記念の事業として企画された。各主題を網羅的に収録した本編(1104ページ)に、関東大震災の「震災誌」(104ページ)を付す。

『千葉県君津郡誌』 上・下

千葉県君津郡教育会 昭和2年(1927)

上巻(858ページ)は、名称や地勢地質、気象等の概要の後、先史時代から現代(昭和2年)までの歴史を詳述している。下巻は1298ページに及ぶ大著で、郷土の人物略伝や風俗の記述など、史誌的事項を詳細に紹介している。


参考文献

  • 『資料の広場』5号(千葉県立中央図書館 1972)
  • 『資料の広場』16号(千葉県立中央図書館 1984)
  • 『資料の広場』17号(千葉県立中央図書館 1985)
  • 『資料の広場』18号(千葉県立中央図書館 1986)
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