テーマ 「上総掘り~日本の伝統と技術を未来へ~」
知恵を活かした伝承の技が海外でも活躍
上総掘りは、古くから千葉県の上総地方において開発、伝承されてきた自噴式突き井戸掘りの技術です。上総の職人たちが手掛けていったことから「上総掘り」といわれています。
その方法は、櫓を組み、ヒゴ車にヒゴを巻きつけて、ヒゴの先端に鉄管をつなぎ、それを上下に動かして鉄管の重みで掘り進みます。地面の地質は必ずといってよい状態の時ばかりではなく、大きな岩にぶつかると10cm進むのに何日もかかり、掘り進むのは容易ではありませんでした。また、掘り鉄管が長い月日使用しているうちに、繫がっている部分が緩み、鉄管が穴の下に落ちてしまい、取りだすためには大変な集中力と忍耐力が必要だったようです。明治の中頃、400~500mもの深い井戸を掘ることに成功し、一躍脚光を浴びて、飲料水、農業用水はもとより、東北地方や新潟県は石油、鹿児島県や伊豆・相模地方は温泉などにも大きく貢献しました。掘った深さは最深1200mもあったといわれています。
近年、千葉県には自然竹が多く手に入れやすい環境から、かかる費用も安く、電力を使わずに人力だけで掘ることができるため、アジアやアフリカ等の国々から、熱い期待を寄せられています。
今回の展示では、県立図書館の資料の中から上総掘りに関する様々な様相を表した資料の一部をご紹介させて頂きます。展示をきっかけに、まだ書庫に眠っている関連本にご興味をお持ちいただけたら、どうぞ職員にお声がけください。
千葉県立中央図書館長
<2階カウンター横展示棚>
<展示コーナー>
<1階受付前棚>
期間
平成25年8月16日(金)~平成25年12月28日(土)
場所
千葉県立中央図書館 1階 展示ホール / 2階 中央カウンター横展示書架
問い合わせ
千葉県立中央図書館
千葉市中央区市場町11-1 TEL043-222-0116