タイトルコード |
1000100596899 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
小説と<歴史的時間> |
書名ヨミ |
ショウセツ ト レキシテキ ジカン |
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井伏鱒二・中野重治・小林多喜二・太宰治 |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
金 ヨンロン/著
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著者名ヨミ |
キン ヨンロン |
出版地 |
横浜 |
出版者 |
世織書房
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出版年月 |
2018.2 |
本体価格 |
¥3400 |
ISBN |
978-4-902163-96-4 |
ISBN |
4-902163-96-4 |
数量 |
9,300,6p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
910.263
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件名 |
小説(日本)-歴史
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注記 |
文献:p285〜295 |
内容紹介 |
井伏文学における<循環的時間>から召喚される<歴史的時間>、「15年戦争」の最中に書かれた小説の、空所をめぐって露わになる<歴史的時間>…。近代日本の小説の表現方法から<歴史的時間>を見出す試み。 |
目次タイトル |
序章 小説、時間、歴史 |
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1 方法論の現在 2 「同時代のコンテクスト」という陥穽 3 バフチンと「歴史的時間」 4 概念の整備(1)-国民国家の観点から 5 概念の整備(2)-読者の観点から 6 <歴史的時間>の導入と実践に際して 7 本書の構成 |
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第Ⅰ部 <歴史的時間>を召喚する<循環的時間> |
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第1章 小説が書き直される間 |
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1 改稿はいかに捉えられてきたか 2 「幽閉」から「山椒魚」へ 3 「山椒魚」と<歴史的時間> 4 閉ざされていく「幽閉」の可能性 5 改稿と<歴史的時間> |
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第2章 「私」を拘束する時間 |
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1 「現実」をめぐる論争史 2 作中人物であると同時に書き手である「私」 3 作中人物を拘束する時間 4 書き手を拘束する時間 5 「谷間」の構造と<歴史的時聞> 6 「谷間」が達成したもの |
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第3章 持続可能な抵抗が模索される時間 |
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1 二人の作者、二つの作品 2 小林多喜二「蟹工船」の研究史 3 「身体」に基づいた<集団>へ 4 「蟹工船」における戦略としての<集団> 5 井伏鱒二「炭鉱地帯病院-その訪問記-」の研究史 6 「訪問記」における「私達」の戦略 7 一九二九年、「×され」ないために |
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第4章 アレゴリーを読む時間 |
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1 「アレゴリー」としての「洪水前後」 2 「洪水前後」の文体的特徴 3 パロディとしての文体 4 歴史的意味が捨象される過程 5 「アレゴリー」と<歴史的時間> |
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第Ⅱ部 小説の空所と<歴史的時間> |
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第5章 ××を書く、読む時間 |
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1 『党生活者』研究史の問題 2 「××」を書く 3 「××」を読む 4 一九三三年と「××」 5 『党生活者』が要求するもの |
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第6章 小説の書けぬ時間 |
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1 「小説の書けぬ小説家」の位置 2 治安維持法体制の状況と転向五部作における伏字内容 3 同時代批評における伏字をめぐる認識 4 伏字問題と「小説の書けぬ小説家」の方法 5 治安維持法体制と小説の方法 6 いま、「小説の書けぬ小説家」が待っている読者 |
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第7章 疑惑を生み出す再読の時間 |
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1 『新ハムレット』に「政治的な意味」はあるのか 2 再読を促す小説 3 再読と「疑惑」 4 増幅する「疑惑」 5 一九四一年と<疑惑> 6 一九四七年と過去の再読 |
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第8章 占領地を流れる時間 |
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1 <歴史的時間>における「花の町」の評価 2 占領地の時間を断絶させる<あの日> 3 <あの日>以前を取り戻す 4 日付をもった記録という方法 5 新聞小説としての「花の町」の可能性 |
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第Ⅲ部 <断絶的時間>に対抗する<連続的時間> |
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第9章 <断絶>と<連続>のせめぎ合い |
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1 『パンドラの匣』における「連続」と「断絶」の問題 2 「あの日」を描く 3 「新しい日本」をめざす 4 「古」さに回帰する「新し」さ 5 再び「あの日」へ 6 『パンドラの匣』と<歴史的時間> |
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第10章 語ることが「噓」になる時間 |
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1 「女の噓」を問い直す 2 「噓」の構造と問題設定 3 暴露される語りの「噓」 4 語ることへの欲望と<歴史的時間> 5 戦後日本、語るという「噓」の連鎖 6 「噓」の時空間 |
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第11章 いま、「少しもわからない」小説 |
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1 「少しもわからない」テクスト 2 テクストに配置された記号 3 読者の再現(1)-記号のコンテクスト 4 読者の再現(2)-記号の意味化 5 作者の顕現 6 しかし、「少しもわからない」 |
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第12章 革命の可能性が問われる時間 |
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1 『斜陽』の「母」をめぐって 2 『冬の花火』と<歴史的時間> 3 『斜陽』と<歴史的時間> 4 『冬の花火』から『斜陽』へ 5 革命の可能性と未来 |
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終章 <歴史的時間>の獲得としての読書 |
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1 私(読者)の時間(歴史)認識を露わにする過程 2 過去の未来としての現在-新たな<あの日>をめぐって |