| タイトルコード |
1000101069665 |
| 書誌種別 |
図書 |
| 書名 |
羊と長城 |
| 書名ヨミ |
ヒツジ ト チョウジョウ |
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草原と大地の<百年>民族誌 |
| 叢書名 |
静岡大学人文社会科学部研究叢書
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| 叢書番号 |
No.76 |
| 言語区分 |
日本語 |
| 著者名 |
楊 海英/著
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| 著者名ヨミ |
ヨウ カイエイ |
| 出版地 |
東京 |
| 出版者 |
風響社
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| 出版年月 |
2023.2 |
| 本体価格 |
¥3000 |
| ISBN |
978-4-89489-346-7 |
| ISBN |
4-89489-346-7 |
| 数量 |
764p |
| 大きさ |
21cm |
| 分類記号 |
382.226
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| 件名 |
モンゴル族
民族問題-中国
内モンゴル自治区-歴史
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| 注記 |
文献:p721〜735 |
| 内容紹介 |
1991年から1年に及ぶオルドス高原での調査日誌にして、異形の民族史=民族誌。遊牧民のモンゴル人と農耕民の中国人との民族間・国家間・文化間の関係を考察し、モンゴル民族問題の深層を究明する。 |
| 目次タイトル |
プロローグ |
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民族誌は民族史 犠牲の羊と長城 歳時記的記録 |
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第Ⅰ部 短い夏から不穏な秋へ |
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第一章 家路から世界史を体得する |
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自文化への帰還 歴史は固有名詞からなる 長城南北の哲学的風土 馬路街道 モンゴル人青年の逮捕と調査の視点 自尊心の強い准貴族 チンギス・ハーンと結び付く地理学的認識 世界宗教と世界革命 隣のシャーマン 女性が記憶する他家の系譜 廃墟が物語る中国の暴力 境界管理人の後裔 反復する革命と反革命 |
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第二章 中国に呑み込まれたモンゴル人達 |
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移動する境界 世界史の中の激動 貧困を創出する共産革命 「沙」を混ぜられたモンゴル 「中国の草場」 中国に取られるモンゴル人の家畜税 復活した所有権のマーク 石臼が語る遊牧民の定住 末端社会の暴力的統合 西夏王朝の文物で財を成す モンゴル人と中国人の短い百年 |
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第三章 独自の暦を生きる人間と家畜 |
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近隣同士で「スープを飲む」 草原に伝わる国内外の状勢 オルドス暦と政府の横暴 中国の地質調査隊 中国人の義理の息子 乳製品と暦 羊も人間である 羊の動物行動学 中国人の墓泥棒 羊の現代史 中国とモンゴルを繫げる羊 植生の変化と中国の政策 中国対策の疲労 失われた馬文化を探す |
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第四章 社会主義を生きる「天神」とネストリウス教徒 |
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郷愁の長城 天神の祭祀者 調査地の人口と家畜 モンゴル人と中国人が対立し合う原因 「中国の豪古」でなければならない 近くに住むネストリウス教徒 記憶のネストリウス教文化 ネストリウスの儀礼 墓泥棒との別れ 草原からの抵抗と政府からの抑圧 民族間の対立と沙漠化をもたらす中国 強制的避妊措置と出産ゲリラ 呪われる親戚同士 礼節の実践 |
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第五章 中国共産党の罌粟栽培とモンゴルの没落 |
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父系親族集団と清朝の行政組織 長城は中国人の逃亡を防ぐ為の壁 共産党の罌粟栽培と移民 中国化から逃げる女性達 「イソップ」の廃墟 馬と羊を不幸にする中国人 黒いロバと腹黒い中国人 人望ある生産大隊長 共産党の罌粟栽培に利用されたモンゴルの貴族 中国人の侵入方法 |
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第六章 遙拝する聖地 |
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流転の聖地 「民族右派」と中国との抗争 「帝国主義の手先」を利用した中国人 長城以北を知らない中国人 聖地で戦い合う「匈奴」と「楊家将」 |
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第七章 長安で聞くキリスト教とイスラームの歴史 |
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秘密の文書館 中国人強盗の天下 長城に建つ「駱駝の町」 モンゴルで腹一杯になる中国人 流寇の黄土高原 北山狼の烽火台 「西欧列強」の中国ルート マルクス主義とカトリックの相克 中国の文献が伝えるムスリムの反乱 世界史に対するモンゴルからの賠償 朝鮮族と韓国の中国進出 |
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第Ⅱ部 白い冬 |
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第八章 「沙を混ぜられた」自治区 |
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陥落したモンゴルで跋扈する匪賊の後裔 南国からの浙江省人 戸籍制度と「闇チルドレン」 モンゴル経済を牛耳る浙江省人 黒闇の中の「犬」対策 |
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第九章 失われた草原を取り戻す「真の英雄」 |
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王様の旗長 オルドスの宮廷文化 逮捕された青年の出自 中国人とロバの奴隷になった羊 中国に禁止されたモンゴル人の琴 国王ムハライの祭殿 崇る聖地 祭祀儀礼の基準 失地回復という大義名分 |
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第十章 復活した結婚式 |
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贈答される乳製品 宵の献立 略奪に行く武装者集団 詩文の問答 通過儀礼 祝福される「正統の嫁」 吉日の新婦の茶 羊の心は狼 初恋の人との再会 警察になった下僕 |
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第十一章 家族の中国革命史 |
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近代化の振動 現代の李陵 豚を屠る ガーミンに行った父 オジの未亡人との衝突 腋臭の有無と結婚 禁止された結婚式 民兵訓練と流産 まだら模様の猫と子安貝 搾取階級に認定される 暴力の嵐 大虐殺の恐怖 中国革命の暴力がもたらす沙漠化 遊牧の名残 中国へ流れるモンゴルの羊 人工授精下の牧畜経営 中国の政策で対立し合うモンゴル人 死んだ中国人に占領されるモンゴル草原 |
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第十二章 伝説のホトクタイ・セチェン・ホン・タイジ |
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雪中の琴 モンゴル帝国の旗手 貴族の菩提寺の興亡と僧侶の受難 呪われたホトクタイ・セチェン・ホン・タイジ 聖地オボー信仰の精神性 准貴族の横穴式住居 激変をもたらしたムスリムと中国共産党 共産党の罌粟栽培と同族婚 十三嫉妬天神祭 死んだ中国人の入植 |
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第十三章 失地と王制の語り方 |
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ネオンと羊 猛禽類の絶滅と調査の倫理 呪われた草原開墾 恋愛事件と貴族の没落 王妃殺し 軒下を貸したら、母屋まで取られたモンゴル ディンランの物語 |
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第十四章 歴史の郷愁 |
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「天の宗教」をめぐるトラブル 民謡の記録 アルタイ山とハンガイ山からの民 ムスリムの襲来 モンゴル人の貧困化とシナ化 守護神サクースの受難 十三嫉妬天の祭祀 草原に定着する中国人の死者達 |
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第十五章 草原の「フランス革命」 |
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情報収集 草原に建つ紫禁城の一角 自死した輔国公 革命家は僧侶からなる 軍司令官は活仏夫人 貴族に主催させた人民裁判と内紛劇 「フランス革命」の草原版 ガルート寺での会盟 |
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第十六章 群雄割拠 |
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王家と公家の婚姻 王の結婚式 王印と武器密輸事件 王の権威失墜 草原の天才軍人 会盟チョーラガンとクーデター 境界紛争 叙事詩の主人公は革命家 |
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第十七章 貴族達の革命と「反革命」 |
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政略結婚 「抗日」という名の権力闘争 国共両党に従う分裂 統一戦線に組み込まれる少数民族の貴族 不審死を遂げた貴族の青年達 記憶される玉突きの民族移動史 弾圧されるモンゴル人教師と学生達 手写本と宣伝と草原 中国人がもたらす大地の皮膚病 |
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第十八章 体験する略奪婚 |
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「随旗モンゴル人」との通婚 悪霊祓いの儀式 「略奪」に出る「武装者集団」 儀礼化された略奪婚時代の遺風 深夜の廃墟再訪 草原の「国際結婚」の意義 |
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第十九章 中国人が売春するモンゴル人の自治区 |
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農村の陣地を守る社会主義教育 「風の馬」の掲揚 破壊と暴力を謳歌する生き方 中国共産党に裏切られた貴族達 共産党の宣伝と民族自決の理念 草原の売春宿と監視体制 中国人の猿回しと売春の客引き モンゴル人の墓を暴く中国人 検閲される日本への手紙 |
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第二十章 冬の草原の政治 |
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燃える車と拝火祭 占いの実践 羊の管理と吉日選び 中国人の侵入と放牧の変化 草原と土地の違い 貧富の差と中国人人口 電気と沙漠化の原因 モンゴル人にとっての中国共産党 貧しくなったモンゴル人達とカラーテレビ 『漢の武帝の恋』と李鵬の演説 祖先祭祀 大晦日の「民族間の団結」ショー |
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第二十一章 縁起の良い白い月 |
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正月の挨拶と食事 中国に警戒されている宗教界 絶滅に追い込まれた野生動物と猛禽類 中国政府と中国人を批判した民族右派 貴族邸の柔らかい沙 中国に破壊された草原の紫禁城 動植物を絶滅に追い込む中国人 夜空の星 羊の通過儀礼 羊泥棒と狐 北斗七星と招魂儀礼 通婚し合う貴族同士 頭飾りと骨董品 手写本返却の旅 中国人の増加で再燃した境界争い |
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第Ⅲ部 黄色い長城 |
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第二十二章 神々の戦い |
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長城までの失地 中国の穀倉地帯になったモンゴルの処女地 対ユーラシア遊牧民の最前線 河の伝説と井戸 『楊家将』が占拠した聖地オボー 「伝話」する張志光 モンゴルと中国の神々の相克 道教と共産党との対立に利用される「蒙漢団結」 中国人の侵略を象徴する存在 活神々シャーマン |
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第二十三章 物理的防塁と心の壁 |
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中国が引いた心のライン 生理的に受け付けない文化の溝 世界史の動乱を伝える城の石碑 清朝の変質と南蛮子による要塞破壊 一五三七年の対モンゴル戦勝碑と人民解放軍 中華思想が刻まれた要塞の名 ネストリウス教徒の墓地探し 中国の軍神岳飛と黄毛韃子 人情のない長城 守られなかった毛沢東の約束 匈奴の統万城 |
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第Ⅳ部 抑圧の春 |
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第二十四章 養女を迎える |
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頭蓋骨と売られる中国娘 草原のモンゴル医学者 平原の樹木信仰 監視体制と「警匪一家」の社会 地方史と共産党の歌舞団 混乱の中の資料収集 羊の「養子」と我が家の養女 羊飼いに戻る 仔羊の出産と狐の襲撃 「月の如き花」の誕生 中国人とモンゴル人の土地認識の差 沙嵐の日々と中国人の拡散 |
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第二十五章 王様がいた頃の歴史 |
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軍用犬泥棒 万戸の由来と父系親族集団 ウーシン旗内部の東西間の政治的対立 歴代の王と境界 税金も会議も多い中国共産党 |
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第二十六章 農村に住む農民モンゴル人 |
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沙漠内の農村 身体言語と日常生活の中国化 中国化による生活の困窮 中国人と共生することの難しさ 性的賄賂が贈れないモンゴル人 ピジン語の世界 ソ連崩壊の教訓と末端の腐敗 |
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第二十七章 廃れていくモンゴル語教育 |
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モンゴル語教育が軽視され続けた歴史 同化政策との戦い 性善説が招いた中国人の侵入と革命史観の定着 呪術師を務めた反中国人侵入の憎侶 中国人が増えた訳 羊も人間と同じ |
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第二十八章 聖主チンギス・ハーンの御前にて |
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沙嵐の旅路 モンゴル人参拝客 監視される闇の中で 警察と巡礼者 清朝と中国による祭祀者の再編 八つの白い守護神の構成 一般参賀の儀礼 秘密警察の出現と怪しまれた日本語ノート 祭祀者が語る軍神スゥルデ 軍神の血祭と移転 チンギス・ハーン祭殿が中国に破壊されたプロセス 中国がチンギス・ハーン祭祀を敵視するわけ |
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第二十九章 黄金オルドの祭祀 |
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一個中隊の秘密警察 活きた羊を用いた占い 荒野の戦士達の鎮魂 黄金家族の祖先祭への特別参加 「夏の湖祭」に参加するモンゴル人 厳しい世相の反映と天に撤く馬乳 ハーンからの恩賜と招福儀礼 モンゴル人女性に助けられる 治安当局の侮辱と取り調べ 屯営地への帰還儀礼 治安当局の将校との遭遇 モンゴル人達の支え 文化財見学という時限爆弾 |
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第Ⅴ部 世界宗教の初夏 |
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第三十章 モンゴルに伝わって来たヨーロッパの「洋教」 |
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草原のクリスチャンを探す意義 「青い宗教」の天主徒の過酷な運命 「経典の民」たるモンゴル人 世界宗教の伝来とムスリムの反乱 「黄毛韃子」の宣教師 義和拳の乱 賠償が招いた中国人の侵入 神父達とモンゴル人の交流 児童教育と経典の翻訳 クリスチャンになったモンゴル人の受難 字が下手だと言われた調査者 生き方は羊と狼の如く ユーラシアの宥州胡城 |
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第三十一章 帝国の白い旗 |
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春のモンゴル娘 帝国の「白い旗」と人体由来の地名 悪化した環境に住む祭祀者 全モンゴルの大ハーンの旗 身代わりに関するインタビューの失敗 モンゴル草原の「金枝篇」 身代わりになる人 自然の色彩と環境変動 |
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第三十二章 草原に育まれた人類学者と中国が創成した民族主義者 |
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大小二つのオンゴン オンゴンの祭祀と日本軍の記憶 調査の終盤時の資料隠し 貴族と訪ねるモンゴルの失地 中国人が祀るモンゴルの祭殿 道教の神々による侵略 軍事遊牧集団の軍神 シベリアに辿るルーツ 「モンゴル人は、信頼に値しない」 民族主義者と人類学者の両立 |
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エピローグ 狼の心を持つ羊と崩落した長城 |