タイトルコード |
1000101147968 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
横光利一複層の近代 |
書名ヨミ |
ヨコミツ リイチ フクソウ ノ キンダイ |
叢書名 |
近代文学研究叢刊
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叢書番号 |
76 |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
中川 智寛/著
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著者名ヨミ |
ナカガワ トモヒロ |
出版地 |
大阪 |
出版者 |
和泉書院
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出版年月 |
2024.2 |
本体価格 |
¥6700 |
ISBN |
978-4-7576-1092-7 |
ISBN |
4-7576-1092-7 |
数量 |
362p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
910.268
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個人件名 |
横光 利一 |
内容紹介 |
大正末期から敗戦直後まで文学活動を行った作家・横光利一の作品を読解。横光が近代科学に懐疑を抱いたきっかけと展開を重視し、その姿勢が小説に生起する様態を点検・指摘すると共に、未完の小説「旅愁」への経緯を解明する。 |
著者紹介 |
三重県伊勢市生まれ。名古屋大学大学院文学研究科人文学専攻日本文化学講座博士後期課程満期退学。東海学園大学人文学部准教授。 |
目次タイトル |
序 |
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Ⅰ はじめに Ⅱ 本書の主な特色と目標 Ⅲ 内容構成と作品選択について Ⅳ 研究史との比較 |
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第一部 新感覚派期の継承と、近代科学への反駁の萌芽 |
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第一章 国語教育との関連、あるいは馬車の不思議-「蝿」論- |
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Ⅰ <主題>と内実 Ⅱ 読解指導の変遷 Ⅲ 馬車の不思議 Ⅳ まとめ |
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第二章 テクスト化される階層-「朦朧とした風」・「七階の運動」論- |
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Ⅰ 横光における地震 Ⅱ 「朦朧とした風」 Ⅲ 「七階の運動」 Ⅳ まとめ |
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第三章 彷徨する感覚と言語面での新感覚-「上海」論- |
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Ⅰ 参木 Ⅱ その他の主要登場人物 Ⅲ 「上海」における言語・文字 Ⅳ まとめ |
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第四章 高低差の悲喜劇-「高架線」・「鳥」論- |
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Ⅰ 「高架線」の上下構造 Ⅱ 「鳥」と「機械」・「高架線」との連関性 Ⅲ まとめ |
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第五章 反近代の物語-「機械」論- |
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Ⅰ 「私」 Ⅱ 軽部 Ⅲ 屋敷 Ⅳ 主人 Ⅴ まとめ |
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第二部 「純粋小説論」の成否 |
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第六章 難解な理論の内実-「純粋小説論」論- |
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Ⅰ その論旨 Ⅱ 「自意識」と「四人称」の淵源 Ⅲ まとめ |
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第七章 霧の中の純粋小説-「寝園」論- |
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Ⅰ 奈奈江 Ⅱ 仁羽 Ⅲ 梶 Ⅳ 高 Ⅴ 藍子 Ⅵ まとめ |
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第八章 <神>へ傾斜する読者参与意識-「時間」論- |
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Ⅰ 団結と死、双方の拒絶 Ⅱ <時間>表象と読者参与意識 Ⅲ まとめ |
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第九章 晦渋な純粋小説と奇妙な自注小説-「花花」・「書翰」論- |
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Ⅰ 「花花」 Ⅱ 「書翰」 Ⅲ まとめ |
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第十章 聴覚表象の試行、あるいは<神>への交通手段-「雅歌」論- |
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Ⅰ 主人公の特定、作者の意図 Ⅱ 聴覚表象 Ⅲ 「写真」から<神>へ Ⅳ まとめ |
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第十一章 感覚の混迷とハンセン病の形象化-「馬車」論- |
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Ⅰ 設定の逆説性 Ⅱ 「枕」の男と執筆素材 Ⅲ ハンセン病の表象、花江の造型、差別の機構 Ⅳ 易学の記述、自然科学への反駁 Ⅴ まとめ |
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第十二章 「四人称」の設定とその成否-「紋章」論- |
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Ⅰ 雁金八郎 Ⅱ 山下久内 Ⅲ 雁金と久内との関係性 Ⅳ 「私」 Ⅴ まとめ |
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第十三章 読者を試験し、作者も試験されるという機構-「博士」論- |
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Ⅰ 作品の構造と「試験」の要素 Ⅱ 加羅木博士の造型の意味 Ⅲ 作中の記述と逆説的論理 Ⅳ 「博士」の表象世界と横光の理論面との関連 Ⅴ まとめ |
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第十四章 純粋小説と「旅愁」との架橋-「時計」論- |
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Ⅰ 予告文と同時代評 Ⅱ 宇津の人物造型 Ⅲ <神>を模索する道程 Ⅳ まとめ |
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第十五章 沈黙の語る小説-「盛装」試論- |
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Ⅰ インテリ、左翼運動 Ⅱ 朝子の父は誰か Ⅲ 横光の対読者意識 Ⅳ まとめ |
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第十六章 <自意識>と救済-「天使」論- |
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Ⅰ 主人公、寺島幹雄の造型 Ⅱ <自意識>の描写 Ⅲ 救済の要素 Ⅳ まとめ |
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第十七章 解放の純粋小説-「家族会議」論- |
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Ⅰ 純粋小説群内での位置付け Ⅱ 同時代評 Ⅲ まとめ |
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第十八章 純粋小説群からの脱却、「芸心」意識の象徴性-「鶏園」論- |
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Ⅰ 純粋小説群の中での異色さ Ⅱ 「婦人公論」の読者層への意識と、作品内容との関わり Ⅲ まとめ |
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第三部 渡欧体験と「旅愁」への逸脱 |
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第十九章 渡欧時の心理と小説への形象化-「欧洲紀行」・「厨房日記」論- |
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Ⅰ 「欧洲紀行」 Ⅱ 「厨房日記」 Ⅲ まとめ |
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第二十章 感覚表象と逆説的論理-「終点の上で」・「恢復期」・「罌粟の中」・「微笑」論- |
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Ⅰ 「終点の上で」 Ⅱ 「恢復期」 Ⅲ 「罌粟の中」 Ⅳ 「微笑」 Ⅴ まとめ |
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第二十一章 偽史の誘惑-「旅愁」論(一)- |
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Ⅰ 天正遣欧使節 Ⅱ 矢代の家系 Ⅲ 大友宗麟 Ⅳ 人物造型との関わり Ⅴ まとめ |
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第二十二章 キリスト教・建築物-「旅愁」論(二)- |
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Ⅰ 幣帛と主題との通路 Ⅱ 「夢のかけ橋」とキリスト教 Ⅲ 美術・建築物 Ⅳ 「旅愁」における宗教の意味 Ⅴ まとめ |
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第二十三章 <不通線>への通路-「夜の靴」論- |
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Ⅰ 小説本体と草稿類との関わり Ⅱ 虚構性 Ⅲ 書く<私>、作中の「横光」 Ⅳ 歴史への接近 Ⅴ 小説の表題と、漢詩との関わり Ⅵ まとめ |
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結語 |