タイトルコード |
1000100970069 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
金石範の文学 |
書名ヨミ |
キム ソクポム ノ ブンガク |
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死者と生者の声を紡ぐ |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
趙 秀一/著
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著者名ヨミ |
チョウ シュウイツ |
出版地 |
東京 |
出版者 |
岩波書店
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出版年月 |
2022.3 |
本体価格 |
¥9000 |
ISBN |
978-4-00-061519-8 |
ISBN |
4-00-061519-8 |
数量 |
11,414p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
910.268
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個人件名 |
金 石範 |
注記 |
文献:p393〜408 |
内容紹介 |
「済州四・三事件」の当事者たちに語り継がれた死者と生者の記憶を、文学的想像力を通して書き続ける在日朝鮮人作家、金石範。気鋭の韓国人研究者が「火山島」に至るテクストを読み解き、越境し交差する文学世界を捉え直す。 |
著者紹介 |
1982年韓国生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。東国大学校日本学研究所専任研究員。在日朝鮮人文学や戦後文学をはじめとする日本語文学を読む方法論を研究。 |
目次タイトル |
序章 なぜ金石範文学なのか? |
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一 本書の目的 二 済州四・三事件 三 金石範という書き手 四 在日朝鮮人文学における金石範文学 五 ディアスポラ文学/日本語文学としての金石範文学 六 金石範文学の「日本語」 七 本書の構成 |
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第一部 金石範文学のはじまり |
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第一章 歴史を現前させる物語 |
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一 先行研究の検討と主人公の設定 二 主人公の移動に内在する歴史 三 「鍵束」と「白い手拭」 四 加筆部分と、「後家の趙」 結論 |
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第二章 死者を弔うことば |
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一 意識の「ひだ」を描く文体 二 変容する人物像 三 「鴉」の「死」を弔う「でんぼう爺い」 結論 |
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第三章 主題を生成する語り手と読者との相互作用 |
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一 冒頭における異化の語り 二 「でんぼう爺い」を表象する言葉 三 「らい病患者」という異人 四 <異景>を撮らせる主体を詰問する語り 結論 |
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第二部 金石範の「日本語」が生み出す人間像を問う |
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第四章 知識青年の「敗北」と「糞まみれの自由」の意味 |
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一 冒頭と、遅延される情報 二 差異化される主人公の人物像 三 龍白という鏡と「糞まみれの自由」 結論 |
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第五章 在日朝鮮人「私」の想起の連鎖と、その意味 |
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一 混種の「はらわた」 二 現実との闘争としての夢 三 日本人ジャーナリストFの故郷 四 「触発」された「涙」の意味 結論 |
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第六章 格闘することばの世界 |
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一 冒頭の構造 二 ことばの連鎖としての「翻訳」 三 「万徳」が体現するもの 結論 |
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第三部 書くことの原点を問う |
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第七章 主人公・金泰造の主体的移動と流動し続ける自己 |
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一 一九七〇年代の日本社会と在日朝鮮人文学、『1945年夏』 二 「朝鮮語」という「故郷の自然」 三 身体化している日本語と蘇る日本人としての自己 四 生成/反復する問い 五 <八・一五>を問い続けることの意味 結論 |
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第八章 読者の想像力に働きかける物語戦略 |
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一 語り手「私」の死 二 重層する<遺された記憶> 三 <四・三>に生み出された密航者 結論 |
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第九章 記憶を定位し直す語りの仕組み |
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一 想起する語り手 二 想起の引き金と、証言に向き合うあり方 三 混じり合う声 四 定位し直される記憶 結論 |
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第四部 『火山島』(一九七六-一九九七)の世界を読み直す |
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第一〇章 重層する語りの相互作用 |
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一 語り手の位相 二 語り手のあり方と読者 三 李芳根と南承之との相関関係 結論 |
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第一一章 「自由」を追い求めていた主人公・李芳根の「自殺」 |
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一 「殺意」/反復の物語 二 「潜在的な殺意」と「間接的な殺人」の自覚 三 弁証法から生まれる李芳根の「自由」 四 「権力」からの「自由」 五 「一切の所有からの自由」としての「自殺」 結論 |
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第一二章 歴史的時空間を越える物語の生命力 |
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一 羅英鎬という人物と「精神的な清算」を促す声 二 空間の再現に企図された生者の役目 三 当事者の声で伝わる「四・二四阪神教育闘争」 四 人間の存在を問う物語 結論 |
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終章 越境し交差する金石範文学の世界 |
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一 <八・一五>と<四・三>を描く金石範文学 二 死者と生者の声を紡ぐ「巫女性」 三 金石範文学を読む方法論としての世界文学 |