
このエリアは東京の区部に近く、千葉の都市部として機能しています。第二次世界大戦後、早い時期から宅地開発が進み、県人口の約7割、約420万人がこのエリアに集中しています。
県庁所在地の千葉市から東京湾に沿って、テクノロジーとイベントを中心に開発された幕張新都心が広がり、国際的な会議やイベントにも使用されている「幕張メッセ」は、千葉が誇るコンベンションセンターです。浦安市は、大型テーマパーク、東京ディズニーランドを中心にホテルが林立し、一大リゾート地区を形成しています。
このエリア最大面積の市原市は、大規模工場が立ち並ぶ埋め立て地の海岸線から、紅葉が美しい養老渓谷まで、都市と自然、二つの魅力を併せ持っています。
また、北部は野田と銚子を結ぶ利根川の水運を利用し、江戸時代から醤油産業が発達してきました。日本の醤油生産量の約30%を、野田と銚子で生産しています。葛南といわれる地域(松戸、市川、船橋、八千代市、鎌ケ谷等)には、梨農園や観光梨園が点在し、千葉の梨生産額全国1位に大きく貢献しています。
このエリアは、史跡も多く、保存整備されています。松戸にある戸定邸(とじょうてい)は、明治前期の上流住宅の姿を伝えていることから平成18年7月に国の重要文化財に指定されました。芝生を使い、洋風を取り入れた庭園は昭和61年に県の名勝に指定されています。この邸で、幕府最後の将軍徳川慶喜の弟、徳川昭武が後半生を過ごしました。流山には新撰組局長、近藤勇が最後に陣営を敷き、ついに自首した、近藤勇陣屋跡があります。柏市には中世の 城跡の姿を今に残す、周辺地域では数少ない貴重な市指定文化財市松ヶ崎城跡があります。
また、首都に近く交通の便が良い上に、豊かな自然が残るこのエリアは、古くから文人墨客に愛されてきました。市川に暮らした永井荷風や幸田露伴、我孫子に居を構えた志賀直哉をはじめとする「白樺派」の文人たちなどの足跡をたどるのもまた一興、お薦めいたします。
地震の影響
東日本大震災時に震度5強の揺れに見舞われたベイ・東葛エリアは、死者4名、全壊・半壊の建物被害5,239軒、火災の発生13件(内1件はコンビナート)という甚大な被害を受けました。
東京湾岸を埋め立てて、発展してきたこのエリアは、地下水位*の低い砂地盤が、揺れにより液体状に変化し、アスファルトなどの亀裂から砂や水が吹き出る「液状化現象」の被害にもあいました。
さらに、福島第一原発事故による放射性部質汚染の被害についてのニュースにより、住民の不安が広がりました。
現在、県や各自治体では、復旧計画の策定や放射線汚染への対策を行っており、震災からの復旧・復興への足取りとともに、深まった地域の絆を糧に、より良い街づくりを目指しています。
(*地下水位:海水面を基準として測った地下水までの深さ)
紹介スポット
