東部図書館 １２月 「名作映画鑑賞会」のお知らせ

『 キング・コング 』　１９３３年／アメリカ／１００分

■スタッフ
  監      督：メリアン・Ｃ・クーパー
  特撮監督：ウィリス・Ｈ・オブライエン
  脚      本：ジェームス・Ａ・クリールマン
  撮       影：エドワード・リンデン他
  音       楽：マックス・スタイナー

■ストーリー
  ドキュメンタリー映画作家デナムは、失業中の美女アンを伴い、地図にない島ドクロ島へ向かう。有史以前の姿のままの島には、原住民から恐れられているキング・コングがいた。原住民はアンをさらい、生贄としてコングにささげてしまうが、航海士ドリスコルによって助け出される。デナムは一儲けしようとコングを生け捕りにし、ニューヨークへ連れ帰るが・・・

■豆知識
  『キング・コング』は、ストップモーション・モデルアニメーションの技法で製作されている。この技法は、関節のついた立体モデルをミリ単位で動かして１コマ1コマ撮影し、1秒24コマの速度で上映する方法で、モデルがまるで生きているように動いて見える。モデルアニメーションの起源は1890年代のフランスだろうとされているが、卓越した技術と豊かな想像力でこの技法を一般に広めたのは、ウィリス・Ｈ・オブライエン（1886-1962）である。サンフランシスコの大理石専門店で働いていたオブライエンは、粘土で作った人形を机の上で戦わせる遊びをしていて「モデルをアニメートした映画のアイディアが浮かんだ」という。このアイディアを恐竜と結びつけ、借り物のカメラで実験を重ね、1914年に原始人や恐竜、類人猿に似た怪物が登場する上映時間５分のコメディ映画『恐竜とミッシング・リンク』を製作した。その後『ロスト・ワールド』『キング・コング』といったヒット作が生み出されていった。オブライエンがこの仕事に生涯をかけて取り組むことになったのは、ほんの偶然の出来事がきっかけだった。（参考・引用文献：レイ・ハリーハウゼン、トニーダルトン著『レイ・ハリーハウゼン大全』河出書房新社 2009）