タイトルコード |
1000101165520 |
書誌種別 |
図書 |
書名 |
源氏物語の戦略 |
書名ヨミ |
ゲンジ モノガタリ ノ センリャク |
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引用と反復 |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
高橋 早苗/[著]
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著者名ヨミ |
タカハシ サナエ |
出版地 |
東京 |
出版者 |
文学通信
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出版年月 |
2024.5 |
本体価格 |
¥5500 |
ISBN |
978-4-86766-046-1 |
ISBN |
4-86766-046-1 |
数量 |
326p |
大きさ |
22cm |
分類記号 |
913.36
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件名 |
源氏物語
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個人件名 |
紫式部 |
内容紹介 |
多様な読者がいることを前提として、知識・素養の程度に応じた工夫を凝らし、多彩な<引用>と<反復>を施していく-。読者を惹きつけ楽しませる、「源氏物語」の“戦略”の実態を、多数の例をもとに論証する。 |
著者紹介 |
宮城県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。新潟大学人文学部准教授。第16回中古文学会賞受賞。 |
目次タイトル |
序章 『源氏物語』の戦略と読者 |
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一、<引用>と読者 二、<反復>と読者 三、本書の構成と概要-<引用>と<反復>の効果 |
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第一部 <引用>という戦略-隠されたメッセージ |
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第一章 紅の衣装と涙の和歌-末摘花の姫君の失敗 |
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一、「末摘花」とは 二、末摘花巻の姫君の和歌と装束 三、姫君と「紅の涙」 四、「紅の涙」と「末摘花」 五、光源氏の対応 《付・「紅の涙」の用例-勅撰集と私家集における-》 |
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第二章 「梅」を「かざし」た和歌-御仏名の系譜と光源氏の<老い> |
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一、幻巻の光源氏 二、御仏名と「梅」 三「梅」を「かざす」 四、光源氏の<老い> 五、普遍的な姿 |
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第三章 藤壺とかぐや姫-『竹取物語』と朝顔巻の出現の意義 |
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一、亡き藤壺の出現 二、「月」「かかやく日の宮」とかぐや姫 三、朝顔巻の冬景色と『竹取物語』 四、「罪」「この世の濁り」とかぐや姫 五、人間へのまなざし |
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第四章 「枯れゆく」宇治の大君-『白氏文集』「婦人苦」と最期の問いかけ |
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一、宇治の大君の求婚拒否 二、総角巻の死の描写 三、平安朝における「枯る」の様相 四、「ものの枯れゆくやうにて」と「枯死猶抱節」 五、最期の問いかけ |
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第五章 「日」と「露」の情景-『観普賢経』と紫の上の死の形容・光源氏の生 |
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一、御法巻の八月一五日の情景 二、紫の上死後の「日」と「露」の情景 三、『観普賢経』と紫の上の死の形容表現 四、『観普賢経』と光源氏の生 五、さらなる地点へ |
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第二部 <引用>という戦略-物語のその後 |
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第一章 琴を奏でる男、賞賛する女-司馬相如伝と若紫巻での出会い |
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一、若紫巻と漢籍 二、琴を奏でる光源氏 三、平安朝の物語における琴弾奏 四、『史記』『漢書』司馬相如伝における琴弾奏 五、二人の行く末 |
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第二章 「家鳩」のいる邸-『法華経』「譬喩品」と夕顔巻の光源氏 |
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一、光源氏の回想 二、夕顔巻の「家鳩」 三、「鳩」の文学史 四、『法華経』「譬喩品」と夕顔巻 五、「光る源氏」のもう一つの姿 |
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第三章 継母との養親子関係-『史記』「呂不韋列伝」と明石の姫君の立后 |
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一、『源氏物語』と史書・漢籍 二、明石の姫君の「后」への階梯 三、物語と史実における養子 四、『史記』「呂不韋列伝」における養子 五、特異な栄華の物語 |
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第三部 <反復>という戦略-浮かび上がる差異 |
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第一章 若紫巻の嵐の夜の「うたて」-「教へ」いそぐ光源氏 |
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一、問題の所在 二、「教へ」る光源氏 三、嵐の夜の「うたて」 四、繰り返される「教へ」 |
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第二章 『源氏物語』の「たぐひなし」-紫のゆかりの女君たち |
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一、桐壺巻の「たぐひなし」 二、「たぐひなき」人-藤壺 三、「たぐひなき」人-紫の上 四、「たぐひなき」人-女三の宮 五、続篇の「たぐひなき」人 六、意図的な形容表現 |
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第三章 繰り返される二人妻説話-若菜上・下巻における紫の上の苦しみ |
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一、問題の所在 二、二人妻説話との類似 三、二人妻説話の変容 四、病に倒れる紫の上 五、物語展開の方法 |
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終章 『白露』の試みと読者-昔の物語に怯える男君と女君 |
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一、『白露』について 二、継子いじめと兄妹懸想 三、男君の「心」 四、「吹まよふ風の心」の和歌 五、「嫁女」が読む物語 |
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附 誰の「あはれ」か-『白露』「思ひ知れ」歌の解釈をめぐって |
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一、問題の所在 二、「思ひ知れ」が指し示すもの 三、「露のあはれ」の解釈 四、物語展開との関わり 五、男君の和歌 |