タイトルコード |
1000100895269 |
書誌種別 |
図書(児童) |
書名 |
「自分らしさ」と日本語 |
書名ヨミ |
ジブンラシサ ト ニホンゴ |
叢書名 |
ちくまプリマー新書
|
叢書番号 |
374 |
言語区分 |
日本語 |
著者名 |
中村 桃子/著
|
著者名ヨミ |
ナカムラ モモコ |
出版地 |
東京 |
出版者 |
筑摩書房
|
出版年月 |
2021.5 |
本体価格 |
¥860 |
ISBN |
978-4-480-68400-4 |
ISBN |
4-480-68400-4 |
数量 |
231p |
大きさ |
18cm |
分類記号 |
810.1
|
件名 |
日本語
言語社会学
|
学習件名 |
国語 敬語 方言 |
注記 |
文献:p227〜231 |
内容紹介 |
ことばには<その人らしさ>を表現し、話している人同士の関係を作り上げる働きがある。社会言語学の知見から、「名前」「呼称」「方言」といった観点を通して、ことばで「自分」を表現するとはどういうことかを明らかにする。 |
著者紹介 |
1955年東京都生まれ。上智大学大学院修了。博士。関東学院大学教授。専攻は言語学。著書に「新敬語「マジヤバイっす」」「翻訳がつくる日本語」など。 |
目次タイトル |
はじめに |
|
第1章 アイデンティティ表現の材料としての「ことば」 |
|
1 人との関係から立ち現れるアイデンティティ 2 「本質主義」と「構築主義」 人と関わり合う前の自分は空っぽなのか?/アイデンティティはいくつもあるのか? 3 アイデンティティの三つの側面-マクロ・メソ・ミクロ 4 表現の材料は無限にある 服装や髪型も「ことば」/アイデンティティを伝える「ことば」の種類/言語資源 5 「ことば」の制限と創造性 |
|
第2章 名前-「わたし」を示すことばの代表 |
|
1 名前に対する二つの感覚-「名実一体観」と「名前符号観」 一人一名主義/アメリカの命名と日本の命名の違い 2 人が変わって名前が変わる、名前を変えて自分も変わる 3 名づけには制限がある 4 婚姻改姓は何を変える?-ひとつの姓に束ねられた家族像 夫婦同姓と家族単位の戸籍/姓によって残された「家」意識/なぜ日本では女性が婚姻改姓するのか/女性の婚姻改姓にともなう問題/選択的夫婦別姓/姓が違うと、家族の一体感がなくなりますか? 5 たくさんの名前を持つ現代人-演じ分ける「わたし」 |
|
第3章 呼称-呼び方で変わる関係 |
|
1 「あたし・うち・ぼく・おれ」どれを使う? 女子が「ぼく」を使うのは、間違い?/男女で異なる自称詞は明治時代につくられた/異性愛規範を確実にする装置/LGBTを苦しめる「おれ」の男らしさ 2 女子が使う「うち・ぼく・おれ」 女子は「ぼく・きみ」を使いつづけてきた/突然の「わたし」への変身/「異性愛市場」の出現と「女」になることへの不安/新しい<少女性>の創造/「ボクっ子」を消費する/「ぼくは望んで妊娠しています」/「わて」と「あんさん」 3 ことばを変えることで関係を変える |
|
第4章 「ことば」とアイデンティティの結び付き |
|
1 言語要素 「スタンスと特質」と「社会的アイデンティティ」/直接的な結び付きと間接的な結び付き/言語イデオロギー 2 指標性 3 メタ語用論的言説 4 「○○ことば」とアイデンティティ クイーンズ・イングリッシュ(女王の英語)/外国語なまりの英語を話すディズニーアニメの悪者/ネイティブ・アメリカンの高いほほ骨/グループを区別する理由がないと「○○ことば」は成立しない |
|
第5章 敬語-「正しい敬語」から「親しさを調整する敬語」へ |
|
1 日本語の敬語体系 敬意(上下関係)と距離感(親疎関係) 2 日本人なら「正しい敬語をマスターすべき」-敬語イデオロギー 「社会人」に鍛えなおすという権力/敬語をマスターすることは、エライ? 3 「正しい敬語」を決められるのか? 「上下関係」から「親疎関係」へ/敬語の岡田准一とタメ口の妻夫木聡/いつ、だれに、どのくらい、どの敬語を使うべきなのか?/永遠のベストセラー「正しい敬語」のマナー本 4 アイデンティティを変化させる敬語の使い方 <親しい丁寧さ>を表す「マジヤバイっす」/新聞にあらわれる皇室敬語の違い/「ため口キャラ」の登場 |
|
第6章 方言-「恥ずかしいことば」から「かっこいいことば」へ |
|
1 「国語」の弊害としての「方言」の誕生 言文一致/上田万年と「国語」の創造/標準語イデオロギー/国語の成立をじゃまする方言/方言受難の時代/「方言について語ることば」がつくる「方言イデオロギー」 2 方言とステレオタイプ 地域・人物像・イメージとの結び付き/方言の「凝縮化」/疑似東北弁に翻訳されてきた黒人奴隷のセリフ 3 よその言葉を借りてくる-ことばの越境 方言とアイデンティティの三つの関係/「スタイル的な越境」と「パフォーマンス的な越境」/なぜ強盗は英語を話し、警察官は関西弁を話したのか |
|
第7章 「女ことば」-伝統的な<女らしさ>から辛口の材料へ |
|
1 「女ことば」とは女性が使っている言葉づかいなのか? 2 「女性が使ってきた言葉づかいだ」という考え方の問題点 明治時代の「女学生ことば」から派生した/女性はみんな<女らしさ>を持っているという前提/昔の女性も「女ことば」を話していなかった 3 「女ことば」をつくってきたメタ語用論的言説 「最近」の言説/翻訳で使われる「女ことば」/後からつくられる伝統 4 女性の言葉づかいの規範としての「女ことば」 内田裕也を動かした蓮舫の話し方 5 攻撃的な「女ことば」・オネエことば 主張や怒りを表現する「女ことば」/オネエことば/「女ことば」のパロディとしてのオネエタレントことば/なぜ「オニイことば」はないのか |
|
おわりに |
|
参考文献 |