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「LiD(聞き取り困難(症))」について調べる

「聞き取り困難(症)(Listening Difficulties:LiD)」とは、通常の聴覚検査では異常がみとめられないのに、特定の状況下で相手の言葉が聞き取れなくなってしまう困難のことです。以前は「聴覚情報障害(Auditory Processing Disorder:APD)」と呼ばれていましたが、近年海外を中心に「LiD(リッド)」という呼び方が広まりつつあります。 日本国内でも注目され始めたLiD(聞き取り困難(症))及びAPD(聴覚情報処理障害)について、初めて調べるときに手がかりとなる図書や情報をご案内します。【2025年9月17日作成】

目次

1. キーワード

図書を探すときのキーワード(手がかり)です。

「聴覚障害」、「聴知覚障害」、「聴覚情報処理障害」、「APD」、「聞き取り困難(症)」、「LiD」、「言語障害」など

2.県立図書館で所蔵している関連図書を探す

(1)LiD(聞き取り困難(症))APD(聴覚情報処理障害)について知る

書名出版情報請求記号
聞いてるつもりなのに「話聞いてた?」と言われたら読む本 阪本浩一著 飛鳥新社 2025 (西)4966/92
「聞き取り困難」という状況について具体的なケースを挙げて紹介し、個人によって差があるLiDの症状や状況を簡潔に解説している。当事者による事例紹介と聞き取りやすくする「工夫と対策」も掲載する。
APD(聴覚情報処理障害)がわかる本 聞き取る力の高め方 小渕千絵監修 講談社 2021 (西)4966/76
APDとはどのような状態か、難聴との区別のしかた、子どものAPDと大人のAPDの対処法の違い等、APDの基礎的な情報を、イラストやチェックリストを交えて当事者にも支援者にもわかりやすく解説した本。
きこえているのにわからない APD<聴覚情報処理障害>の理解と支援 小渕千絵,原島恒夫編著 学苑社 2016 (西)4966/65
APD研究の歴史やAPDに類似する症状、発生する要因などを踏まえ、判断する基準や方法について解説している。第5章では、環境調整、聴覚トレーニングの方法等を具体的に紹介し、実施した訓練の効果等もまとめている。

(2)当事者の声を知る

書名出版情報請求記号

隣の聞き取れないひと APD/LiDをめぐる聴き取りの記録

五十嵐大著 翔泳社 2022 (西/電子書籍)4966/89
コーダ(耳の聞こえない両親の元で育った耳の聞こえる子供)の著者が、APD/LiD当事者やその支援者から聴き取りを行ったルポルタージュ。巻末に関連ブックガイドと、当事者会や当事者会が管理するオープンチャット等を紹介する「お役立ちリンク集」を掲載。
聴覚障害×当事者研究 「困りごと」から、自分や他者とつながる 松崎丈編著 金剛出版 2023 (中/電子書籍)36927/362
「当事者研究」とは、ある困難を抱える本人が似た困難をもつ他者と共に自身の状況を「研究対象」と捉え、困難のメカニズムや対処法を探り当てていく自助活動のこと。本著では聴覚障害当事者の事例を主題としており、第2章1-3「情報処理」の項にAPD当事者による研究事例が掲載されている。

3. 雑誌や新聞の記事・論文を探す

●新聞記事

県立図書館では、キーワード等から関連記事を検索できる新聞記事データベースをご利用いただけます。
≪各館で利用できるデータベース≫
日本経済新聞、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、(中央図書館のみ)産経新聞、東京・中日新聞

新聞記事の例
記事名掲載紙面
聞き取り困難症 診断手引 騒がしいと 会話分からず 診療所でも検査可能に 読売新聞 朝刊 3面 2024/05/09
「聞き取り困難症」小中高生1% 聞こえているのに理解できない 国内初調査 朝日新聞 朝刊 3面 2023/12/04

●雑誌記事

千葉県立図書館ホームページの「図書・雑誌・視聴覚資料検索」で、資料種別を「雑誌」のみにしたあと、キーワード1を「全項目」に変更し、キーワードを入力して検索すると、特集に入力したキーワードを含む雑誌を検索できます。また、「国立国会図書館サーチ」や「CiNii Research - 論文・データをさがす」でも検索ができます。
雑誌記事の例
記事名所蔵館掲載雑誌
聞き取り困難症(LiD)と聴覚情報処理障害(APD) 西部 『こころの科学』2024年5月号

●論文

CiNii Research - 論文・データをさがす」や、県立図書館で利用できる医学論文データベース「医中誌Web」では、トップページの検索ボックスにキーワードを入力することで、キーワードを含んだ論文を検索できます。論文が掲載されている雑誌を調べることができるほか、インターネット上で全文公開されているオープンアクセスの論文を閲覧することもできます。

論文名著者URL
大学生における聞き取り困難(LiD)に関する検討 川原正人

J-STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/tfu/19/0/19_1/_article/-char/ja

4. 最新の情報をインターネットで調べる

インターネットは、信頼できる発信元かどうか確認のうえ、ご利用ください。

  • 聞き取り困難症・聴覚情報処理障害(LiD/APD)当事者ニーズに基づいた聴覚情報処理障害の診断と支援の手引きの開発 AMED研究プロジェクト公式ホームページ 
    https://apd.amed365.jp
    日本医療研究開発機構(AMED)による、調査研究プロジェクト公式ホームページ。LiD/APDの基礎知識や診断できる医療機関一覧、当事者に向けた対処法等が掲載されている。また、LiD/APDの実態把握と検査・診断法の確立及び介入・支援法の開発を目指しており、最新の研究情報や成果はこのホームページを通して公開される。

  • APD当事者会 APS 
    https://apd-peer.jimdofree.com
    APDの当事者会ホームページ。APDの基本情報や活動レポートなど情報発信を行うほか、当事者同士による交流会やAPDについての勉強会、個別相談会等を不定期で開催している。リンク集にはnoteやXなど、さまざまな当事者発信媒体が紹介されおり、当事者会が管理するAPDオープンチャットも掲載されている。APDについて解説したリーフレットを大人向け、子ども向けにそれぞれ発行しており、PDFファイルをダウンロードすることができる。

  • LiD/APDマーク "聞き取れない"と生きよう。 
    https://apd-mark.com
    LiD/APDマーク「はてなの耳のコアラくん」公式サイト。LiD/APDを知らない人に向けた基本情報や対応方法の発信、LiD/APD当事者に向けたマークの提供を行っている。マークはサイトから画像データのダウンロードが可能。キーホルダーやピンバッジ等グッズを販売しているほか、自作グッズを作るための画像やLiD/APDマークの説明を補助するカードとパンフレットのデータも配布している。当事者の運営するYoutubeチャンネルや関連書籍、「聞こえサポート製品」を紹介する「お役立ち情報」ページあり。

所蔵館 中:中央図書館(千葉市) 西:西部図書館(松戸市) 東:東部図書館(旭市)

電子書籍は県立図書館ホームページより「マイライブラリー」にログインすることでご利用いただけます。

資料は最寄りの県立図書館や市町村立図書館に取り寄せできますが、参考図書(辞典など)は取り寄せられない場合があります。詳しくは所蔵館へお問い合わせください。所蔵状況は2025年9月現在です。

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