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日本の遺跡

 古代から近現代まで、全国におよそ460,000か所存在する遺跡。日本の遺跡について、最初に調べるときの手がかりとして、参考となる図書や情報をご案内します。

目次

1. キーワード・分類

 県立図書館ホームページ「図書・雑誌・視聴覚資料の検索」で、図書を探すときに役立つキーワードです。キーワードが複数のときは掛け合わせます。
 具体的な遺跡名のほか、「件名」を使用するときには、「遺跡・遺物」「史跡名勝」「考古学」「古墳」「戦争遺跡」などがあります。
 「遺跡」全般は図書館の分類記号では「202.5」(考古学)です。日本史における考古学では、個々の遺跡・遺物に関するものは「時代区分」ごとに、また特定の地域に関するものは「日本地方区分」ごとに分かれています。

時代区分
分類記号時代
210.2~原始
210.3~古代
210.4~中世
210.5~近世
210.6~近代
210.7~現代
日本地方区分
分類記号地域
211北海道地方
212東北地方
213関東地方
214北陸地方
215中部地方:東山・東海地方
216近畿地方
217中国地方
218四国地方
219九州地方

2. 参考書で調べる

 遺跡について基本的な情報を得る際に、百科事典を見るのもよいですが、もう少し専門的なことまで知りたいときは遺跡関係の専門的な事典で調べると理解が深まります。

書名出版情報所蔵情報
史跡・遺跡レファレンス事典 日外アソシエーツ株式会社編 日外アソシエーツ 2013 中 29102/2
東 29102/9
 遺跡関連の事典も多数あります。本書は、主な史跡・遺跡事典、考古学事典、古墳事典などに掲載されている遺跡を横断的に検索できます。掲載情報のほかにも、遺跡の概要や所在地も掲載されています。
日本古代遺跡事典 大塚初重[ほか]編 吉川弘文館 1995 中 2102/N71
西 2102/260
東 2102/15
 考古学史上重要なもの、発見当時話題になったものなどを中心に旧石器、縄文~古代の遺跡約3,200基を収録し、遺跡の性格や発掘調査の概要、参考文献などを掲載しています。都道府県、市町村別の掲載ですが、巻末に五十音索引もあります。
日本考古学用語辞典 斎藤忠著 学生社 2004 東 2102/20/04
 考古学本来の用語に加え、考古学を学ぶ上で必要となる関連諸分野の用語についても広く収録しています。各項目については一般的な解説、その起源・沿革等の典拠、主要な参考文献を掲げています。引用した文献は巻末に解題を設け簡単に解説しています。
遺跡保存の事典 文化財保存全国協議会編 平凡社 2006 東 21002/168
 遺跡・埋蔵文化財の保存について特化した事典です。発掘調査から展示や報告書へのプロセス、開発による遺跡破壊、遺跡保存とその活用など内容は多岐にわたります。巻末には文化財保存運動に関する略年表や団体・学会一覧、参考文献などを掲載しています。

3. 図書で調べる

(1)発掘調査報告書

 埋蔵文化財は、現状のまま保存を図ることができないものが多数です。そのため、その内容を記録するための発掘調査が行われ、後世に残すための報告書がまとめられます。「図書・雑誌・視聴覚資料等検索」では遺跡名で検索することができます。
*なお、千葉県立図書館では、主に県内での報告書を中心に収集しています。他県の報告書については、「5.インターネットで調べる」で紹介している「全国遺跡報告総覧」や、所蔵している図書館からの資料の取り寄せにてご利用ください。

書名出版情報所蔵情報
千葉県教育委員会埋蔵文化財調査報告
第1集~第32集
千葉県教育委員会 中 全て
西・東 各エリア所在遺跡
 千葉県では、平成25年度から開発事業に伴う発掘調査の実施時には報告書を刊行しています。千葉県教育委員会ホームページで報告の一覧と、一部については報告書の概要・抄録を見ることができます。
後田遺跡
千葉県旭市内遺跡発掘調査報告書 平成30年度
旭市教育委員会 2019 中 C235/K01-17
東 C235/K01-16
 平成28年8月17日から同年11月26日にかけて行われた調査の報告書です。古墳時代の墓が見つかり、石棺から人骨と副葬品が見つかりました。県内でも2件目の魚佩(ぎょはい)と呼ばれる珍しい腰飾りも出土しました。ここでは、旭市の報告書を紹介しましたが、他の市町村あるいは教育委員会でも各自治体での発掘調査報告書を刊行しています。

(2)最新の発掘情報

 文化庁によると、毎年9,000件程度の発掘調査が行われています。ある年に行われた発掘調査や刊行された報告書・論文を探すための資料も毎年出版されています。

書名出版情報所蔵情報
日本考古学年報
70(2017年度版)
日本考古学協会編 日本考古学協会 2019 東 21002/68/17
 2017年度に行われた発掘調査について部門ごとに、また都道府県ごとにまとめています。年度内に刊行された報告書や論文等についても一覧することができます。これ以前の年度については、中央図書館または西部図書館で所蔵しています。
発掘された日本列島
2020 新発見考古速報
文化庁編 共同通信社 2020 東 21002/47/20
 国内で毎年実施されている膨大な数の発掘調査から、近年で特に注目された遺跡を紹介しています。2020年版では「日本の自然が育んだ多様な地域文化」と題した特集で、有吉北貝塚(千葉市)、養安寺遺跡(東金市・大網白里市)が、また「バラエティー豊かな「千葉」の埴輪」として県内で出土した埴輪が紹介されています。

(3)千葉県内の遺跡

 県内の遺跡についての情報や概要を調べるための資料です。

書名出版情報所蔵情報
千葉県埋蔵文化財分布地図
1~4
千葉県文化財センター編 千葉県教育委員会1997-2000 中 C202/21/1~4
西 C202/6/1~4
東 C202/11/2
 所在地を記入した地図、埋蔵文化財包蔵地所在地名一覧表、文献リストの3部構成で、地図上の位置から名称や所在地、文献情報などを調べることができます。東部図書館の所蔵は「2 香取・海上・匝瑳・山武地区」のみです。
千葉県の歴史 資料編考古
4 遺跡・遺構・遺物
千葉県史料研究財団編 千葉県 2004 中 C20/1/2-4
西 C20/2/12
東 C20/7/2-4
 旧石器時代から平安時代の概要について図や写真を豊富に使用してわかりやすく解説した概説編と、各時代を考えるうえで重要な遺跡・遺物・遺構を取り上げて、集成・解説した資料編からなります。個別の遺跡の発掘調査結果については、同シリーズの「資料編 考古1~3」で解説されています。

(4)その他の図書

 著名な遺跡については、発掘調査報告書以外にも図書が刊行されています。他にも、現存する遺跡を実際に訪問するためのガイド本もあります。

書名出版情報所蔵情報
シリーズ「遺跡を学ぶ」 新泉社 2004~ 東 全巻所蔵
 専門家でも読み解くのが困難な発掘調査報告書。148冊目までが刊行されている本シリーズは、発掘調査から何が分かったのかを、豊富なカラー図版を用いて研究者以外にもわかりやすく解説しています。また、古代のみならず石見銀山や新橋停車場など近世・近代の遺跡までも対象としています。中央図書館でも、県内の「姥山貝塚」「西広貝塚」「龍角寺浅間山古墳」については所蔵しています。
シリーズ「日本の遺跡」 同成社 2005~ 東 全巻所蔵
 本シリーズも現在51冊が刊行され、県内では「加曽利貝塚」が取り上げられています。最新の発掘データを踏まえた改訂版が順次刊行されています。
考古調査ハンドブック
3 日本考古学文献ガイド
ニュー・サイエンス社 2010 東 2025/103/3
 日本考古学の辞典・事典、年表、地図、地名表などのレファレンスブックの紹介、1889~1944年に出版された主要な文献100冊の解題、1899~2009年に出版された主要文献目録の3部構成からなります。
東京の縄文学
地形と遺跡をめぐって
我孫子昭二著 之潮 2015 東 2136/76
 長年にわたり発掘調査に携わってきた著者の琴線に触れる東京の遺跡37か所を紹介しています。過去に調査が完了している遺跡について古い資料から再検討を行ったり、その後の新たな知見などを交えて考察したりしています。
関東古墳探訪ベストガイド 古代浪漫探究会著 メイツ出版 2019 東 213/50/19
 関東1都6県に山梨の1基を加えた60か所の古墳を紹介しています。豊富な写真と再現図により古墳の全体像が見渡すことができます。アクセスマップもついている古墳探訪のガイドブックです。千葉県からは「龍角寺古墳群」「公津ヶ原古墳群」「草刈古墳群」など6基が紹介されています。

4. 雑誌で調べる

(1)主な遺跡・考古学関係の所蔵雑誌

書名出版情報所蔵情報
文化財発掘出土情報 ジャパン通信情報センター 月刊 西 40号(1986.4)~
 全国の新聞から国内の発掘調査関連記事を、海外についても中国・韓国を中心に考古学関係ニュースを収録しています。また、実際の埋蔵文化財調査現場から資料提供を受けて、より詳細な調査動向として掲載しています。
考古学ジャーナル ニュー・サイエンス社 月刊 中 28号(1969.1)~500号(2003.4)
西 261号(1986.4)~428号(1998.3)
東 430号(1998.5)~
 毎月一つのテーマのもとに複数の論文を掲載しています。内容は論考・随筆・トピックス・発掘報告・文献紹介など多岐にわたります。
千葉県埋蔵文化財発掘調査抄報 千葉県教育庁生涯学習部文化財課 年刊 中 昭和47年度~
 県内で実施されたすべての発掘調査概要を年度ごとにまとめたものです。巻末には当該年度内に刊行された調査報告書及び年報等の一覧もあります。

(2)雑誌記事を探す(調べ方案内「雑誌記事・論文を探す」もご覧ください。)

  • 国立国会図書館サーチ https://iss.ndl.go.jp/
     「記事・論文」を選択して検索することで国立国会図書館「雑誌記事索引」、国会図書館所蔵の博士論文、科学技術振興機構「J-STAGE」、国立情報学研究所「CiNii」などを横断検索できます。
    【こんな記事が見つかります】
     キーワード「遺跡 松戸」で検索。⇒ 高橋良治「千葉県松戸市中峠遺跡出土の中期縄文土器」(『考古学雑誌』58巻1号 1972.7)p64-70 <中央図書館所蔵>
  • 菜の花ライブラリー https://www.library.pref.chiba.lg.jp/nanohana/
     千葉県立図書館が作成した「千葉県歴史関係雑誌記事索引」、「千葉県関係新聞・雑誌記事索引」が検索できます。県内のローカルな刊行物の記事を探すこともできます。
    【こんな記事が見つかります】
     キーワード「遺跡 旭」で検索。⇒ 西山太郎「九十九里平野の遺跡について-旭市中谷里遺跡・野栄町平和六郷遺跡を例として」(『奈和』通巻16号 1978.1)p1-13 <中央図書館所蔵>

5. インターネットで調べる

  • 全国遺跡報告総覧 https://sitereports.nabunken.go.jp/
     全国の埋蔵文化財の発掘調査報告書を電子化してインターネット上で検索・閲覧できるようにしたサイト。奈良文化財研究所が運営しています。26,000点を超える報告書の本文を閲覧可能です。
  • ちば情報マップ https://map.pref.chiba.lg.jp/pref-chiba/Portal
     地図を利用して、千葉県の地域情報や行政情報を公開している千葉県のサイト。「ふさの国文化財ナビゲーション」⇒「埋蔵文化財包蔵地」と進むと先に紹介した『千葉県埋蔵文化財分布地図』のデジタル版が利用できます。
  • 文化遺産オンライン https://bunka.nii.ac.jp/
     文化庁と国立情報学研究所が運営する文化遺産のポータルサイト。「分野から見る」から「考古資料」「史跡」と進むと、遺跡や遺物が探せます。概要のほか、他データベースへのリンクなどもあります。地域の美術館や博物館、資料館などへのリンクも充実しています。

所蔵館 中:中央図書館(千葉市) 西:西部図書館(松戸市) 東:東部図書館(旭市)

資料は最寄りの県立図書館や市町村立図書館に取り寄せできますが、参考図書(辞典など)は取り寄せられない場合があります。詳しくは所蔵館へお問い合わせください。所蔵状況は2020年12月現在です。

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